NICO Touches the Wallsが“ACO”アレンジで新旧曲連発、全国ツアー「N X A」はなぞなぞ

NICO Touches the Wallsが昨日1月25日に東京都内で招待制のアコースティックライブ「NICO Touches the Walls OYSTER -EP- [SPECIAL ACOUSTIC LIVE]」を開催した。

最新作「OYSTER -EP-」購入者の中から抽選で選ばれた125名を招待して行われたこの日のライブ。その模様はスペシャアプリおよびLINE LIVEでも生配信され、多くのファンが4人のセッションを1時間にわたって楽しんだ。

暗転するとSEもなく登場したメンバーたち。客席の静けさに4人は「静かだね」「静かだよ……」と少々戸惑いながら、光村龍哉（Vo, G）の「（外は）寒いんですけど、熱いライブにしたいと思います」という言葉からパフォーマンスを開始した。対馬祥太郎（Dr）の踏むバスドラに合わせて古村大介（G）と坂倉心悟（B）が手拍子を始めると観客も手を叩く。軽やかなリズムに乗せて光村が歌い出したのは「手をたたけ」。古村と坂倉が客席に降り、ハンドクラップをしながら練り歩くと、会場の雰囲気は一気に和んだ。続けて届けられたのは、対馬の吹くのどかな口笛で始まる「口笛吹いて、こんにちは」。サビでは光村、対馬、古村が美しいハーモニーを響かせ、心地よいムードを作り出した。

MCで光村は「改めまして、ACO Touches the Wallsです」と、アコースティック編成の際はおなじみの挨拶をすると、「2018年、幸先のいスタートを切れるよう、名曲の数々をアコースティックアレンジで食らっていただこうかと」とライブのコンセプトを説明する。そして早速「OYSTER -EP-」に収録されている「Funny Side Up!」を披露した。軽妙なサウンドを支えていたのは古村で、彼はタンバリンを叩いたり、どこかコミカルなコーラスを添えたり、間奏で堂々とギターソロを披露したり、八面六臂の活躍を見せていた。

序盤はノリのいいアップテンポな楽曲で飾られたが、中盤はミディアムチューンが続く構成に。対馬と坂倉がギャロップのようなリズムを刻み、光村が息遣いまで聞こえるような声で歌った「Diver」、抑制を聴かせたボーカルが扇情的なムードを醸し出した「mujina」が披露され、観客をACO Touches the Wallsの世界に引き込んだ。メランコリックなイントロで幕を開けた「ニワカ雨ニモ負ケズ」は、感情がほとばしるようなエモーショナルなアレンジに。4人は互いが奏でる音に身を委ね、体を揺らしながらプレイを繰り広げる。おなじみの「THE BUNGY」では自然とコールとクラップが起き、高揚した空気が会場に漂った。

その後、古村、坂倉、対馬が一旦退場し、光村1人がステージに残る。イスに座った彼は「1曲弾き語ってみたいと思います」と語り、立っていた観客に座るよう促す。そしてゆっくりとギターをつま弾きながら「bud end」を歌い出した。誰かに話しかけるように歌ったかと思えば、感情をあらわにするように声を張り上げ、ときには声を震わせるなど、1曲の中でボーカリストとしての多彩さを見せつける。観客は息を詰め身じろぎもせずその声に耳を傾けていた。

再びメンバーがステージそろったところで彼らは6月から全国ツアー「NICO Touches the Walls "N X A"TOUR」を開催することを告知。タイトルの「N X A」について光村は「（内容は）なぞなぞにしたいと思います。1つヒントを出すと、全国ツアーではやったことがないことをやりたいと思います」と含みを持たせるように笑った。

無事告知を終えた4人はミディアムテンポの「Ginger lily」をプレイ。光村の伸びやかなボーカルに、古村、坂倉、対馬が柔らかなコーラスを添え、優しい空気を紡ぎ出していく。そしてテンポをグッと落とし、カントリー調のアレンジに振り切った「天地ガエシ」でライブはクライマックスへ。深い余韻が残る中、光村は「全国ツアーでお会いしましょう」と約束してステージを去った。