YUKI、地元で“15周年のお祭り”終幕「函館が私を育ててくれたんだ」

YUKIの全国ツアー「YUKI concert tour "Blink Blink" 2017」が7月23日に北海道・函館アリーナでファイナルを迎えた。

YUKIは4月に広島・広島グリーンアリーナでツアーを開幕させ、ツアーファイナルまで全13公演を行った。函館はYUKIが生まれ育ち、19歳まで暮らしていた街。バンド時代に何度かライブを行っているが、ソロになってから函館でワンマンライブを行うのは2005年以来ということもあり、スペシャル感のあるツアーファイナルとなった。

今回のツアーは3月リリースの最新アルバム「まばたき」を携えたツアーだが、ソロデビュー15周年イヤーということもあり、YUKIは「15周年のお祭りをファンのみんなと一緒にお祝いしたい」という思いから新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストを用意。彼女はもこもこした素材のピンク色の衣装で登場すると、アルバムの1曲目を飾るナンバー「暴れたがっている」でライブの幕を開けた。その後も「あなたがいたから私がいるんだ」という歌詞を高らかに歌い上げた「プレゼント」、2002年のデビューシングル「the end of shite」といったナンバーを披露し、観客をライブの世界観へと引き込んでいく。

ロッカバラード「tonight」披露後には、合成によってYUKIが風力発電の大きな風車につかまっていたり、ロケットの燃料タンクにしがみ付いて月に行ったりする映像がスクリーン映し出され、ファンを和ませる。大型スクリーンに映し出されたYUKIの手や体から、放電しているようにグラフィックが彩る演出が行われた「レディ・エレクトリック」を経て、「バスガール」ではスクリーンにバスガイドに扮したYUKIが映し出される。ここでは「はい チーズ」という歌詞の部分で実際に彼女と観客の記念撮影が行われ、オーディエンスを喜ばせた。

ヒット曲「JOY」のあと、YUKIは「めんこいっしょ？（笑）」「なまら楽しい」など、MCでいくつもの函館弁を披露。さらに「言わせてもらってもいいですか？ 函館が生んだスーパースター・YUKIです。これ、本当に函館で言いたかったからうれしいです（笑）」と述べてオーディエンスを沸かせる。函館アリーナの向かいにある函館市民会館で自身のピアノの発表会や、成人式が行われたことに触れると「全部知っている場所だから、すごく不思議で、すごく切ない感じがする」としみじみと語る。また函館で過ごした10代の頃の自分を振り返り、「思い出すのと同時に、すごく恥ずかしい記憶ばかり出てくる。全然うまく生きられなかった」と涙ぐんだ彼女は、「今も全然立派になんてなっていないけれど、私はここ函館にいた頃と全然変わらないんだってことがわかった。私はずっと函館っ子で、函館が私を育ててくれたんだなって。私の核はここ函館でできているんです！」「お父さん、お母さん、函館、私を生んでくれてありがとう」と言葉を重ね、会場にはオーディエンスによる温かな拍手が響いていた。

YUKIがY字型の花道の先にあるセンターステージにバンドメンバーと移動すると、アコースティックコーナーがスタート。「Hello !」の演奏が終わり「私はいつでもなりたい自分を書いてきました。まだまだなりたい自分には遠いです。だからまだまだ歌詞を書いていくと思います」と語った彼女は、アコースティックギターを弾きながら「相思相愛」を歌い上げ、「たぶん、今この会場の中で私が一番幸せ」ととびきりの笑顔を見せる。ライブ終盤、ペイントが施された白のフライングVを力強くかき鳴らした彼女は、「鳴いてる怪獣」を力強くパフォーマンス。「WAGON」でオーディエンスとコール＆レスポンスで大いに盛り上がったあと、「トワイライト」でツアーを締めくくった。