3月にリリースしたアルバム「thickness」を携えて、全国11カ所を回るバンド編成ツアーを開催してきた中田。最終公演では奥野真哉(Key /
花柄のスーツに身を包んだ中田は、アルバム1曲目を飾る「femme fatale」でライブの幕を開ける。骨太なバンドサウンドと重厚なコーラスが響きわたると、場内は次第に熱気を帯びていった。「リビルド」の演奏を経て中田は「ようこそお越しくださいました。分厚くたくましくなった中田裕二の音楽を、たっぷりと楽しんでもらえたら」と観客に語りかける。その後はカントリー調の「静かなる三日月」や温かなミドルナンバー「IT’S SO EASY」など「thickness」収録曲を次々とプレイ。彼がMCで「今までで一番いいツアー。完成度が高いし、なんだろう、“バンド”って感じ」と話した通り、盤石のアンサンブルで観客を揺らした。
序盤の穏やかな空気は、切なくもヘビーなナンバー「灰の夢」の演奏で一変する。続いて中田は「これは俺にしか作れないと思った曲」と「Deeper」をプレイ。タイトな演奏に乗った艶やかな歌声で、会場にアダルトなムードを充満させた。椿屋四重奏の楽曲「共犯」のイントロが奏でられると、観客は一層色めき立つ。中田はハンドマイクでステージを動き回りながら歌唱し、オーディエンスを惹きつけた。
ライブ後半、中田とバンドは美しいコーラスワークが映える「ただひとつの太陽」やセクシーなボーカルが光る「誘惑」を披露。ファンキーな「MY LITTLE IMPERIAL」では平泉光司のギターソロに大きな歓声が上がった。間髪入れずに椿屋四重奏の「恋わずらい」が投下されると、ダイナミックなサウンドに場内の熱気はさらに高まる。その勢いのままラストに届けられたのは「愛に気づけよ」。ドラムの軽快なリズムに合わせて観客の手拍子が鳴り響き、開放感あふれる雰囲気で本編は終了した。
アンコールを受けステージに戻った中田は、「thickness」について「全然今どきじゃないっていうか(笑)。流行りの感じとはちょっと違うかもしれないけど、そればかりでもつまらないし、俺みたいな音楽もたくさん聴かれないとおかしくないかと。違いますか?」と茶目っ気たっぷりに語る。そして「孤独な戦いではありますが、自分の音楽に賛同してくれるメンバーやスタッフさん、会いに来てくれた皆さんあってのいい旅でした」とツアーを振り返り、「今この旅が終わって素直に思うことは……とにかく、売れたいです。このままじゃ悔しくて夜も眠れません(笑)。ピカピカ光るような名曲を書いてどんどん世の中に攻め続けていこうと思うので、引き続き応援よろしくお願いします」と力強く宣言。観客からは惜しみない拍手が贈られた。
「リバースのカード」「DANCE IN FLAMES」をグルーヴィに畳みかけアンコールを終えたものの、鳴り止まない拍手に応えて中田とバンドメンバーは再びステージへ。ダブルアンコールとして披露された「MIDNIGHT FLYER」で中田はステージを飛び出し、客席間を歩きながら全力でオーディエンスを楽しませる。彼は「また会おう、中田裕二でした!」と挨拶すると、颯爽とステージを去った。
中田裕二「TOUR 17 “thickness”」2017年5月28日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト
01. femme fatale
02. リビルド
03. 静かなる三日月
04. デイジー
05. 何故に今は在る
06. IT’S SO EASY
07. LOST GENERATION SOUL SINGER
08. 灰の夢
09. Deeper
10. ギミー・ナウ
11. 共犯
12. ラフター・パーティー
13. ただひとつの太陽
14. 誘惑
15. STONEFLOWER
16. MY LITTLE IMPERIAL
17. 恋わずらい
18. THE OPERATION
19. 愛に気づけよ
<アンコール>
20. リバースのカード
21. DANCE IN FLAMES
<ダブルアンコール>
22. MIDNIGHT FLYER
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中田裕二、分厚くたくましくなったツアーファイナルで前進宣言「攻め続けていこう」 #中田裕二 https://t.co/EIyGPZM4wx