ねごと、10都市で“ETERNALBEAT”を刻んだツアーに幕

ねごとが最新アルバム「ETERNALBEAT」を携えて行っていた全国ツアーの最終公演を、昨日3月24日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて実施した。

約2年ぶりの全国ツアーとなった今回は、10都市を回った彼女たち。千秋楽では会場の特性を生かした照明演出と共に、「ETERNALBEAT」の世界を表現していった。青白く染まった幻想的なステージに登場した4人は、「PLANET」でライブの幕開けを飾った。澤村小夜子（Dr）の刻む心地よいリズムに身を委ねるように、蒼山幸子（Vo, Key）、沙田瑞紀（G）、藤咲佑（B）は体を揺らし、ときにはステップを踏みながらそれぞれの楽器を奏でる。オープニングナンバーの余韻が残る中、4人は高揚感たっぷりの「DESTINY」、美しいハーモニーで聴かせる「Ribbon」を曲間を空けることなく披露。「holy night」を歌い終えたあと蒼山は「今日、最初から最高。いい感じ！ それぞれのビートで体を揺らして楽しんでほしくて。最後まで楽しく踊っていきましょう」と呼びかけた。

続いてのブロックは、蒼山の艶のあるクールな歌声が魅力の「天使か悪魔か」でスタート。そして澤村が重く力強いリズムを刻み、藤咲がシンセベースで爽快な音色を奏でる「school out」、観客のクラップを誘う「シンクロマニカ」など、最近のナンバーが続けてプレイされる。ときには蒼山が定位置であるキーボードの前を離れ観客と視線を交わしながらハンドマイクで熱演し、沙田がエフェクターやシンセサイザーを駆使して鮮やかなサウンドを奏で、それぞれの曲に新たな彩りを加えていく。

自由なスタイルでライブを楽しむ観客に向かって、蒼山は「まだまだ踊っていけますか？」と語りかけ、ライブの定番曲「メルシールー」から後半戦につなげる。新旧の楽曲が披露されたこのブロックで、ひと際観客を熱狂させたのは中野雅之（BOOM BOOM SATELLITES）がプロデュースした「シグナル」。澤村の生み出す強烈なグルーヴと沙田の奏でるエッジーなギターの音色をバックに、蒼山がシリアスな歌声を響かせる。さらに歌詞の世界やサウンドの流れに合わせて、雨粒が落ちるような映像が投影され、視覚にも訴えるパフォーマンスに大きな歓声がフロアから上がっていた。「アシンメトリ」で再び高揚した空気を作り出したあとは、最新アルバムの表題曲「ETERNALBEAT」へ。4人が奏でる壮大なサウンドにリンクするように、レーザー光線が幻想的な景色を描き出し、オーディエンスをうっとりと酔わせた。

アンコールでメンバーは、集まったファンに感謝の思いを伝えながら口々に「ETERNALBEAT」の制作や今回のツアーで得た手応えを語る。沙田は「とてもとても（バンドが）成長できたと思います。次の作品がどうなるかわからないけど、楽しみにしていてほしいと思います」と期待を煽り、蒼山は「きっと飽きさせないぜ」と照れつつ「これからもよろしく。ついてきてください」と頼もしい言葉を放った。そして4人はねごととして初めて作ったという「ループ」を届けたのち、「ETERNALBEAT」の最後を飾るミディアムチューン「凛夜」を穏やかに演奏。やわらかな余韻を残してツアーに幕を下ろした。

なおねごとはライブ中に、6月26日に東京・LIQUIDROOM、翌27日に大阪・梅田CLUB QUATTROにてライブイベント「ETERNALBEAT NIGHT」を開催することを発表。これらの公演はゲストを迎えての対バン形式となる。