このツアーは最新アルバム「4」を携え、全国10都市14公演にわたって開催された。ツアーファイナルは彼らにとって初のNHKホールでのワンマンライブとなった。
ライブのオープニングではステージ前方の紗幕にCG映像が映し出される中、その向こうに透けたメンバーが「Someday, Somewhere」を奏でてオーディエンスを沸かせる。続いてはKENTA(Dr)のドラムから「ファイアスターター」へ。紗幕が落ち、4人とサポートメンバーのtasuku(G)、高藤大樹(Key)の姿が現れるとすさまじい歓声が起こった。IKE(Vo)は「ようこそ、SPYAIRのライブへ!」と叫び、マイクスタンドを掲げて客席を煽る。その後も大合唱で場内の一体感が高まった「WENDY ~It's You~」、ハンドクラップが響いた「EZ Going▼」と、アッパーな曲が次々と披露された。
IKEはファンに向かって「東京、ただいま! いろんなところを回って、ついにファイナルを迎えることができました」と挨拶。そして「このホールツアーではいろいろ新しいチャレンジをしてるんですけど、次の曲は振り付けを考えてきました」と紹介し、IKEとUZ(G, Programming)、MOMIKEN(B)の振りに合わせて観客全員が踊る「COME IN SUMMER」へ突入する。華やかな演出でファンを楽しませた一方、高藤のピアノによるイントロで始まったバラード「Far away」では優しくも力強いサウンドを聴かせ、彼らのまた異なる一面をアピールした。
中盤ではメンバー4人が“SPYAIRのアコースティックカバーユニット”という設定の4人組「キャンプファイヤー」に扮し、アコースティックスタイルで「Stay together」を演奏。続く「U & I」では高藤のピアノとtasukuのギター、IKEのボーカルだけで楽曲の魅力を客席に届ける。曲のエンディングではUZ、MOMIKEN、KENTAも加わり、壮大なアンサンブルで締めくくった。
「0 GAME」からは再び場内の熱気を急上昇させ、UZのギターとラップが炸裂する「Supersonic」、間奏でMOMIKENがライトハンド奏法を披露した「ROCKIN' OUT」と、強力な楽曲を次々と演奏していく。次の曲に入る前にUZは「アルバム『4』を聴いてて後半のほうで『なんだこの曲?』っていうのがあったと思うんですけど、あの曲を歌ってるのは……(ドラムロールに続いて)俺なんです!」と話し、観客を笑わせる。彼が指す曲「4 LIFE」は、2014年の活動停止中にIKEに向けて書き下ろした楽曲。UZは当時を振り返り「最初はほかにバンドやればいいやとか、作曲家になればいいやとか考えていたんですけど、ほんとにキツくて……死ぬほど『SPYAIRやりてえな』って思って、今ここで動かなきゃ何も始まらないって、IKEに向けて曲を書きました」と曲に込めた思いを語り、力強いボーカルを響かせた。
終盤で披露された「NO-ID」ではスペシャルゲストとしてJASMINEが登場。IKEとともに、パワフルな歌声を響かせて客席を圧倒する。「JUST ONE LIFE」のヘビーなサウンドに続いては「サムライハート(Some Like It Hot!!)」でオーディエンスが一斉にタオルを振り回す。ラストナンバーを前に、IKEは「このツアーで得たものを大切にしていこうと思ってます。今はこうして普通にしゃべれるようになったけど、もう辞めちゃおうと思ったときもあって。でもいろんな人の言葉、SPYAIRの曲に支えられてここまで来れました」と、ファンやメンバー、スタッフに向けて感謝を述べた。本編最後の曲は「アイム・ア・ビリーバー」。IKEの高らかな歌声で本編が締めくくられた。
アンコール中には6日後に誕生日を控えたKENTAへ向けた「Happy Birthday To You」の合唱が客席から起こり、ステージに登場したKENTAは「ありがとうございます!」と笑顔を浮かべた。このツアーのアンコール1曲目はIKE、UZ、MOMIKENがじゃんけんで演奏曲を決めるという趣向で、IKEが勝てば「OVER 」、UZが勝てば「感情ディスコード」、MOMIKENが勝てば「Last Moment」が演奏されるが、ここまでの13公演の勝敗はUZが7勝でIKE、MOMIKENが3勝ずつという偏りっぷり。UZは「ずっと『感情ディスコード』ばっかりやってるから、2人が勝ってくれないかなあって(笑)」と笑うも、この日のじゃんけんはまたしてもUZの勝利という結果に。客席が大爆笑に包まれる中、このツアー8回目の「感情ディスコード」が披露された。
最後にIKEは「まだ不安が拭い切れたわけじゃないけど、今はとてもいい状況です。これからはしっかり目標を持ってまっすぐ進んでいきたい。そして今、僕たちSPYAIRは東京ドームを目標にしています」と、2015年12月のライブで宣言した東京ドームライブへの意気込みを改めてオーディエンスに明かした。そして「想像できないぐらいだからやってみたい。今から先走ってるけど楽しみでしかないです。何年かけても絶対たどり着くよ!」と力強く語り、客席から大声援と拍手を浴びた。ツアーの最後に披露された楽曲は「GLORY」。メンバーは東京ドームへの思いを表現するかのように、渾身のプレイでそれぞれの音を奏でた。曲が終わるとIKEは生声で「今日は楽しかったです。東京、どうもありがとう!」と叫び、笑顔でステージを後にした。
ライブ終演後にはステージ上のビジョンにて、2回目の1万人規模での単独野外ライブ「JUST LIKE THIS 2016」を7月30日に山梨・富士急ハイランド コニファーフォレストで開催することが発表され、ファンをさらなる喜びに導いた。
SPYAIR TOUR 2016「4 -for-」
2016年3月10日 NHKホール セットリスト
01. Someday, Somewhere
02. ファイアスターター
03. WENDY ~It's You~
04. EZ Going▼
05. COME IN SUMMER
06. イマジネーション
07. Far away
08. Stand by me
09. Stay together(acoustic ver.)
10. U & I
11. 0 GAME
12. Supersonic
13. ROCKIN' OUT
14. 4 LIFE
15. 現状ディストラクション
16. ダレカノセイ
17. NO-ID feat. JASMINE
18. JUST ONE LIFE
19. サムライハート(Some Like It Hot!!)
20. アイム・ア・ビリーバー
<アンコール>
21. 感情ディスコード
22. GLORY
※文中▼は16分音符の連桁。
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- SPYAIR JUST LIKE THIS 2016
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