「“All Bad”から“Think Good”へ」OMSBリリパで躍動

OMSBが7月20日にライブイベント「OMSB 2nd Album “Think Good” Release Party」を実施した。

このイベントは彼の2ndアルバム「Think Good」の発売を記念して行われたもの。OMSBのライブ前には、藤井洋平 & The VERY Sensitive Citizens of TOKYO、Hi'Spec（SIMI LAB）、B.D.、B.I.G. JOEらがライブを、ELNAND MORELETTAとSir Y.O.K.O.PoLoGod.がDJ、illicit tsuboiがドラマーのなかじまはじめとコラボしたパフォーマンスをそれぞれ披露し、OMSBの「Think Good」発売を祝った。

イベントの主役であるOMSBは、Hi'Specとともにステージ登場。両者は横並びでサンプラーなどの機材を操りながらライブを行った。前半のセットリストは、1stアルバム「Mr. "All Bad" Jordan」の収録曲からラインナップされた。「今日はゴリゴリでいくよ」というOMSBの言葉通り、さまざまなエフェクトが施されたリミックスバージョンがプレイされた。サウンドは先鋭的でもOMSBの親しみやすいキャラクターは健在で、曲間にはHi'Specとの軽妙なおしゃべりで観客を沸かせるもシーンも見られた。

「Hustle 2112」がプレイされた後、照明が落とされて会場はしばし沈黙に支配される。そして波の音と「地球の海が死滅したとき……」という「宜候」のオープニングナレーションとともに、ライブ後半がスタート。OMSBはフロントマンになり、Hi'Specがバックを支えるというフォーメーションに。歪んだシンセが鳴り響く「宜候」のビートで、OMSBが躍動するとそれに合わせて場内の熱気もさらにヒートアップ。続く「ActNBaby」では、映画「THE COCKPIT」を監督した三宅唱によるミュージックビデオがバックに映し出された。また「Storm」ではELNAND MORELETTAとB.D.、「Goin' Crazy」では野崎りこんとB.I.G. JOEが客演ラッパーとして登場。実力者たちは存在感のあるパフォーマンスで、OMSBへのリスペクトを示した。

ライブの後半でOMSBは、なぜ自分が前作「Mr. "All Bad" Jordan」のあと、「Think Good」というアルバムを作ることができたのかを、MCと「Memento Mori」「Lose Myself」「Think Good」という3曲で観客に打ち明けた。

彼は人の評価を気にするあまり、攻撃的で“All Bad”なメンタルになっていたという。「Lose Myself」では、そんなときの心境とそこから抜け出すきっかけが歌われた。また大切な友人であるドカットが今年2月に急逝し、そのとき「命があまりに儚いと知った」ことを、押し付けがましくなく、自分らしく伝えたいと思って書いた曲が「Memento Mori」であることも告白した。そしてOMSBは「儚い人生の中で大事なのは人の評価じゃない、『Lose Myself』でも歌ってるけど自分と向き合うことなんだっていうことに気付きました」と語る。

そんなMCと歌のあとに届けられた本編最後の曲が「Think Good」。この曲では、主人公の人として至らない部分が列挙されたあと、「もうはっきり言って疲れた / どんなマイナスもプラスにつなげたい」「Rest In Peace / 昔の俺」と歌われる。この曲の歌詞「Everybody Scream ! Goddam Go」という部分では、OMSBがコールアンドレスポンスを要求していないにも関わらず、観客は歌詞を絶叫した。そしてラストのヴァース「どうせなら前を見よう / やってやれ / 俺がOMSB / 楽しんでいくぜ！ / Think Good」をアカペラで歌うと、会場から大きな大きな歓声が上がった。

続くアンコールではSIMI LABのメンバーが登場し「Uncommon」を歌った。ラストはアルバム「Think Good」の最後の曲「World Tour」で幕が下ろされた。「OMSB 2nd Album “Think Good” Release Party」のクロージングDJは、OMSBがリスペクトするDJ SARASA。彼女が選曲する濃いヒップホップとともにイベントは終演を迎えた。