この日のライブのオープニングナンバーは「僕だけの楽園」。両手を前に突き出してピースしながら「戦場よりもお布団で死にたい!」と歌う石崎に、観客もピースで応える。続く「シーベルト」でも石崎は笑顔でピースをしたり、手を上に伸ばしたりして全身を使ってパフォーマンスを繰り広げていく。また最初のMCでは「長澤知(之)ちゃんのライブで初めてキネマ倶楽部に来たんだけど、そのときにこの『さよなら、東京メリーゴーランド』ってタイトルを思いついたんだよね」と、半円形のバルコニー席を見渡しながら語った。
「キネマ倶楽部行きますか!」とフロアを煽った石崎は、バイオリンの流麗な旋律が印象的な「夜間飛行」に続いて“石崎流”の応援歌「僕がいるぞ!」を力強く歌唱する。そしてライブ中盤は宇宙や星に思いを馳せる、空想的な世界観を描いた楽曲のパートへ。彼はぴょんぴょん飛び跳ねながら「第三惑星交響曲」を歌い、「ファンタジックレディオ」では観客の1人をステージに上げ、その女性に向けて「君のことが好き!」と熱唱。大歓声と拍手に包まれる中、間髪入れずにソリッドなロックチューン「星をつかまえて」へとつなげた。
2度目のMCでは「最近はいろんなことをしていて、小説を書いてみたり、6月には芝居をやったり」と、シンガーソングライター以外の活動について言及。石崎は6月3日に東京・CBGKシブゲキ!!でスタートする劇団鹿殺しの舞台「彼女の起源」に出演することが決まっており、「6月を過ぎたら歌手じゃなくてマルチタレントになるからよろしくお願いします」と、穏やかな口調ながら新たな挑戦への強い決意を表明した。
この日のライブでは要所要所で「人間図鑑」「僕はサル」などのバラードナンバーを差し込んでいた石崎。後半戦の口火を切ったのもバラードで、彼は「ナイトミルク」を語りかけるように歌い上げた。その後EDM調にアレンジされた「バターチキンムーンカーニバル」でラストスパートのスイッチを入れた石崎は、「母子手帳」「反抗期」「ピーナッツバター」といったアッパーなナンバーを畳み掛ける。そして彼は「3329人」では客席に飛び込み、曲の最後には3メートル近くある脚立を運び入れて天板からステージにダイブしてみせた。
しばらくステージに横たわっていた石崎は、おもむろに立ち上がり、自身の元に届いたという女子高生からのファンレターを取り出す。その女の子はレズビアンで、アイルランド人の女性英語教師と恋愛関係だったこと、その恋人が石崎の曲を聴いていたこと、しかし恋人が突然いなくなってしまったこと、その子にとって石崎の歌が支えになっていることなどを読み上げた。そして石崎はアコースティックギターを手にし、「この曲を、この女の子に捧げます」と言って新曲「さよなら、東京メリーゴーランド」を披露。荘厳なサウンドに乗せて絶唱する姿に、観客の目は釘付けに。石崎はアウトロでアルペジオを優しく響かせ、強烈な余韻を残してステージを去った。
石崎ひゅーい「さよなら、東京メリーゴーランド」
2014年4月24日 東京キネマ倶楽部 セットリスト
01. 僕だけの楽園
02. シーベルト
03. 人間図鑑
04. ガールフレンド
05. 夜間飛行
06. 僕がいるぞ!
07. 僕はサル
08. 常識
09. 第三惑星交響曲
10. ファンタジックレディオ
11. 星をつかまえて
12. ナイトミルク
13. バターチキンムーンカーニバル
14. 母子手帳
15. 反抗期
16. ピーナッツバター
17. 3329人
18. さよなら、東京メリーゴーランド
リンク
- 石崎ひゅーい | SonyMusic
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劇団鹿殺し @shika564
6月の「彼女の起源」が、更に楽しみになりましたっ!~石崎ひゅーい、強烈な余韻残したシンガーソングライター最後のワンマン - 音楽ナタリー http://t.co/BSl5JGWS4Z