SEPT「ReAnimation ~THE ORIGIN~」特集|音楽と芝居が共存、SEPTの魅力を凝縮した“リアニ”最新作

杉浦タカオが主宰するSEPTの新作舞台「SEPT presents『ReAnimation ~THE ORIGIN~』」が、2月7日から2月15日まで東京・シアター1010にて上演される。

音楽と演劇をミックスした次世代型エンタテインメントとしてオリジナル作品を発表し続けているSEPT。「SEPT presents "ReAnimation ~THE ORIGIN~"」は音楽と命の輝きを描く「ReAnimation」シリーズの最新作で、過去作品をリメイクした内容で構成される。舞台上で描かれるのは、インディーズシーンを席巻するもメジャーデビュー直前のライブで悲劇に見舞われたバンド・NOW OR NEVERのメンバーによる“再生”と“始まり”の物語だ。

今作は2月7~11日の“Another”期間、12~14日の“Origin”期間に分かれたダブルキャスト制。最終日の2月15日は「ReAnimation Live『ZEST』」と題し、全キャストによるこの日限りのスペシャルライブが繰り広げられる。音楽ナタリーでは上演に向け、キャストの顔合わせのタイミングで取材を実施。大西桃香、星名美怜、ピコ、山葵(和楽器バンド)、髙橋彩音(AKB48)、木本慎之介、桑山隆太(WATWING)、村田寛奈、中野郁海、そしてSEPT主宰の杉浦に舞台の注目ポイントや意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 小松香里

今回はお客さんにたくさん声を出してもらいたい

──「SEPT presents『ReAnimation ~THE ORIGIN~』」は、2020年上演の「SEPT Vol.9『ReAnimation』」、2021年上演の 「SEPT Vol.10『ReAnimation ReUnion|ReVise』」のセルフリメイクです。新しくできたシアター1010で上演する初めてのSEPT作品として今作を選んだのはどうしてでしょう?

杉浦タカオ 新しい劇場ではリアニ(「ReAnimation」)を上演したいという気持ちがあるんですよね。というのも、この作品はファンタジー要素が入った現代劇ではありますが、SEPTが生のライブステージとして一番打ち出していきたいものが凝縮されているので。

杉浦タカオ

杉浦タカオ

──初演のときはコロナ禍で、観客の声出しが制限されていたんですよね。

杉浦 そうなんです。「SEPT Vol.9『ReAnimation』」ではマウスガードをしながら芝居をして、さらにお客さんにもフェイスガードをしてもらっていたので照明がそれに反射するという状況でした。それが悔しかったので、初演の半年後ぐらいに、ほぼ同じ内容の作品として「SEPT Vol.10『ReAnimation ReUnion|ReVise』」を上演したのですが、まだコロナが収束しておらず、お客さんは声出しができずにマスクをしている状態でした。今回はお客さんにたくさん声を出してもらいたいですね。

──今回のキャストは半数以上がSEPT初参加です。

杉浦 「ReAnimation」はSEPTの原点ですし、新しいキャストに参加していただくことで新たなスタートが切れたらいいなと思っています。中には何度も出ていただいている方もいらっしゃいますけど。

──村田寛奈さんとピコさんは何度もSEPT作品に出ていらっしゃいますね。

村田寛奈 初演のときは舞台に出始めた頃で、お芝居の経験が少ない中、恩田未来という役に挑戦させていただきました。今回も同じ恩田未来として出演できることになりすごくうれしいです。恩田未来はリアニシリーズだけでなく、SEPTのほかの作品にも登場していて、その作品を観ている方には「未来の原点はこうだったんだ」と感じてもらえるかなと。実際、さっき山葵さんにも「未来ってこういうキャラクターだったんだね」と言われました(笑)。初演から5年経って、年齢も経験も重ねたからこその新しい恩田未来を探したいです。

村田寛奈

村田寛奈

杉浦 今回の役は半分ぐらいがダブルキャストです。全公演出演していただく方もいますが、ダブルキャストをAnother期間とOrigin期間で分けていて。Another期はキャストが実際に演奏をするのですが、Origin期間は“楽器がしゃべる”というストーリーで、声優さんが楽器の“声”を当てるんです。その構成の中で、「Another期間の未来は村田ちゃんがいいよね」と演出のウチクリ内倉と話してオファーをさせていただきました。

ピコ 僕にとって、「ReAnimation」はSEPTとの始まりの物語なので思い入れがとても強いです。内容としてもザ・SEPT!みたいなお話ですし、前回より会場が大きくなるので多くの人に触れてもらえたらいいなと思っています。歌でも演技でも作品の一端を担えるよう精一杯がんばりたいですね。

ピコ

ピコ

──星名美怜さんは約1年前の「SANZ:0」からSEPTに参加し、今回で3作目です。

星名美怜 過去2作品は優羽という役を演じたのですが、今回は役名が変わるのでそれも楽しみです。キャラクターの中身は変わっていないんですけど(笑)。

杉浦 今回は神勢(かみぜい)と呼ばれる人間ではない役を演じてもらいます。でも大本は優羽ですね。見た目が違うだけで。神勢にはそれぞれ色があって、私が演じる役は黄色ですが、ほかにも青や赤があり、美怜ちゃんにはオレンジを担当していただきます。

星名 この前、作品のビジュアル撮影があったんですけど、カラーコンタクトを付けたり、いつもと違う自分の姿を見て不思議な気持ちになりました。これまで演じた優羽を大切にしながらも、神勢として舞台をかき乱していきたいなと思っています(笑)。

杉浦 楽しみにしてます(笑)。

星名 あとリアニに出てくるキャラクターのうち朱音祈留と恩田未来とは以前の作品で出会っているのですが、今作で深く祈留と未来のことを知ることができるので、SEPTの歴史に深く関われた気がしてとてもありがたいです。

──山葵さんは昨年10月に上演された「SEPT fate to ReAnimation『Rebellion』」以来2度目のSEPT作品への参加となります。

山葵 僕は演技自体もこれが2回目になります。前作で演じたのはみんなの兄貴分みたいなキャラでしたが、今作は周りに翻弄されて苦悩する役なので演じ方が大きく変わるのかなと思っています。前作で初めて演技に挑戦させていただいて、初めてのことばかりですごく新鮮でした。今回も自分にない引き出しを作っていく作業が楽しみです。

SEPT初参加キャストの意気込み

──そして桑山隆太さん、木本慎之介さん、髙橋彩音さん、大西桃香さん、中野郁海さんはSEPT初参加です。

桑山隆太 今日初めてお会いする人も多くて緊張しています(笑)。僕は普段WATWINGというダンス&ボーカルグループで活動していますが、この作品ではラウドロックバンドのボーカリストを演じます。これまでやったことのない音楽を表現するのがとても楽しみです。自分の歌声の幅も広がるんだろうなって。主人公の相澤悠真との関係性も大事だと思うので、それを意識しつつがんばっていきたいです。

木本慎之介 僕はその悠真を演じさせていただくのですが、演技自体が初めてなので、オファーをいただいたときは正直不安でした。自分はステージで歌うときに、まだ自分のことをちゃんとさらけ出せていない気がしていて。この舞台を通して成長できるんじゃないかと思って参加させていただくことにしました。舞台のベテランの方も多く参加されているのでいろんなことを学びたいです。

髙橋彩音 私はベーシストの井ノ原南役で参加するんですけど、最近ほんの少しだけベースを習っていたので運命みたいなものを感じました。バンドの中でそこまで前に出ない、“調和担当”みたいな印象がある役なので、バンドメンバーにとってのよき友達みたいな存在になれたらなと思います。

髙橋彩音(AKB48)

髙橋彩音(AKB48)

大西桃香 SEPTさんの舞台は複数の作品に同じ名前の役が出ていたり、役者さんだけじゃなくてバンドの方たちがいらっしゃったりするのがすごく新鮮です。どんな作品になるんだろう?というのが今の率直な気持ちですね。舞台というよりアトラクションのような感じで楽しんでもらえるんじゃないかと思っています。私が演じさせていただく木葉ちゃんという役は、一生懸命目標に向かって走り続けるまっすぐな子なんですけど、これまで明るい性格の役をあまり演じたことがなかったので、自分にとって大きなチャレンジになりそうです。今回の作品は、お客さんの声出しがOKなんですよね?

杉浦 そうです。ライブシーンのみにはなりますが。お客さんには、声援を送るときは役名で呼んでくださいと事前にお伝えしようと思っています。

大西 声出しありの舞台はなかなかないので、どんな雰囲気になるのか楽しみです。

中野郁海 私は出演が決まったタイミングで、前作の「Rebellion」を観させていただく機会があったのですが、観に来ている方々の熱量がすごく高いのが印象的でした。SEPTさんが紡いできた歴史があるからこそなんだろうなって。そこに参加させていただく重みを感じながらがんばりたいです。私は彩音ちゃんとダブルキャストでベーシストを演じさせていただきます。実は昨日、ベースを買いました(笑)。

中野郁海

中野郁海

杉浦 すごい!

中野 実際に舞台上では演奏はしないのですが、友達にベースを触らせてもらったときに「役を演じるにあたって、これは毎日触ったほうがいいな」と思って買いました。ほかのキャストの皆さんを超える熱量で挑めたらいいなと思ってます。

大西 ベース、稽古場とかで教えてもらえるかも。

村田 ね。ベーシストいっぱいいるから。

杉浦 監督のオカベさんという方がそもそもベーシストで、出演者にもベーシストが2人います。

中野 本物の南ちゃんになる勢いでがんばりたいです。

──SEPTにはどんな印象がありましたか?

中野 私は48グループ出身なんですけど、今まで48グループの方が何人もSEPTさんの舞台に出ていて、皆さん尊敬できる人たちです。パフォーマンスをとても大事にしている劇団なんだろうなと思っていましたし、自分も参加できてうれしいです。