メンバー全員がAIで作られたようなルックスを持つ“AIドル”を謳う最終未来少女。昨年7月に3人体制になり、新章へと踏み出した彼女たちは、不安や葛藤を抱えながらも「3人だからこそできること」を模索し続け、その魅力を磨き続けてきた。
そんな彼女たちの現在地を示すのが、過去の全楽曲を新たな歌割と歌唱で再構築したアルバム「RE:TRIΔNGLE」と、3人体制初の楽曲にしてリード曲の「Love Love Re:boot」(らびゅらびゅりぶーと)だ。音楽ナタリーでは、新たな未来へと突き進む最終未来少女のリアルな現在地に迫った。
取材・文 / 田口俊輔
包み隠さず本音を言い合える深い絆の関係に
──現在の3人体制になってから早半年が経ちました。今の最終未来少女はどんな空気感ですか?
Yuika この半年を乗り越えたことで、より関係も絆も深まった気がします。
Ten 本当にそうだね(笑)。毎日、とにかくいろいろなことを話しているよね。
Yuika うん。ほぼ毎日一緒にいるから互いに何も隠しごとがなく、「これはしんどいね」「これは楽しいね」って、大きなことから小さなことまで素直に共有しています。
Luuna 毎日一緒にいるのに、ずっと話が尽きないよね。大事なことも、どうでもいいこともめっちゃしゃべるし。2025年1月に私が新メンバーとしてグループに加入した頃にあった壁はもう完全になくなったなっていう感じです。
──少し意地の悪い聞き方をしますが、昨年1月に加入したLuunaさんとしては、先に加入していたTenさん、Yuikaさんに対して、しばらくは距離を感じる瞬間もあった?
Luuna ……正直ありました。加入から半年は、「まだこの話はしないでおこう」とか「これは言わないでいたほうがためになるかも」と、どこか遠慮していたんです。でも今では全部包み隠さず言いたいことを言える関係になれて、すごく楽しいです。
この3人だけでも、できることが増えていくはず
──改めて現体制に至るまでのお話を順に伺っていきます。昨年7月13日の1000CLUBでのワンマンを3人で開催したのち、メンバーの卒業により現体制へそのまま移行したときは、どう思いましたか?
Ten 正直言うと、怖かったです。最終未来少女に途中から加入したこの3人で「新たな最終未来少女」の形をイチから探して作らなければいけなくなり、どうしたらいいの?って。それに、3人という体制を新しく成立させるには、1人ひとりに力がないといけないので、メンバーそれぞれへのプレッシャーが大きくなって。7月から9月までは、とにかく「これはどう?」と、迷いながら手探りで新しい形を模索していました。
──夏頃には新メンバーオーディションが開催されました。目まぐるしい変化に、気持ちも思考も追いつかなかったかと。
Yuika そうですね、とにかく混乱していました。グループが変わっていくこと自体には前向きではあったのですが、とにかくすべてが急で。どんな子が入るのかもわからないし、加入する子によってグループの色が大きく変わるので、どうなっていくんだろう?と、この先の私たちについて想像もできませんでした。
──最終的にオーディション合格者は「該当者なし」という結果になりました。この結論にたどりついたのは、何が決め手でした?
Luuna この考えは個人的に、オーディション開催前の7月のワンマンをやり終えた後からありました。ライブを観に来てくれた友達や関係者の方から「3人の最終未来少女も、めちゃくちゃしっくりきたよ」という感想をたくさんいただいたんです。その時点で「3人になっても活動を続けられるかも?」と思えました。そして活動を続けていくうちに、その思いがより強くなっていきました。
Ten ワンマン後も「ほかにはないビジュアルがコンセプトに合っているし、3人でもバランスいいじゃん!」といろいろな方に褒めていただく機会が増えて。そのバランスのよさに私たちはそれまで気付いていなかったけれど、外からはそう見えていたんだ!と、すごく驚いたんです。
Yuika・Luuna (深く頷く)
Ten オーディションはありがたいことに、たくさんの方が応募してくださって、私たちも応募者の方にたくさんお会いしました。本当に皆さん素晴らしいし、かわいい方ばかりで。ただ、この3人でライブや活動を続けていくうちに、「焦らずに個々がこのまま力を付けていけば、この3人だけでも、できることが増えていくはず」と、それぞれが強く思い始めたんです。
Yuika オーディションもギリギリまで悩んで。悩んだ結果、みんなが同じ考えだったときは本当にうれしかった。
──この一致は、話し合いの中で見えてきたものですか? それとも、あとから振り返って「同じだった」と気付いた?
Ten 偶然でした。私たち、口にしなくても意見や考えていることが一緒になることが多くて。
Yuika・Luuna うん。
Ten そこもすごくバランスがいいなあと思うんです。毎日一緒にいても、仲がよくても、考えが合わないことは当然あるじゃないですか。生まれも育ちも違いますし。でもみんなと活動について話し合うと、考えていることがなぜか自然にピッタリ合うんですよ。
──示し合わせず意思が通じ合える仲、素敵ですね。人生において、すべてが合う関係性の人とはなかなか巡り合えないと思うので。
Ten 確かに。こういう関係性って、これまでの人生でなかったかも。
Yuika・Luuna うん、確かになかった。
Ten そもそもこれだけ同じ時間誰かと一緒にいるのは、小・中学生の頃以来(笑)。しかも、単に仲がいいだけじゃなく、いろんなことを一緒に乗り越えていく仲間って、一生のうちに出会えるかどうかだと思うんですよ。この3人で常に一緒で、しかも同じ意識でいられることは、本当に奇跡と言っていいくらい。
──3人の関係性を「三姉妹」と例える感想をSNSでよく見かけますが、本当に血のつながったような関係をこの半年で築けたんですね。
一同 はい!
「1人ひとりが責任をもっと持たなくちゃ」
──3人体制になって、グループに対する意識の面でも変化があったのではないでしょうか。
Luuna グループが大きく変わったからこそ、誰かに頼るのではなく、「1人ひとりが責任をもっと持たなくちゃ」という意識が今まで以上に強くなった気がするね。
Ten うん。もっとグループの名前を世間に届けよう!って、今まで以上に「こうしよう、ああしよう」と話し合うようになって。例えば、役割分担を作ったんです。ライブのセットリストはYuikaちゃんとLuunaちゃんが中心になって考えていて、私はMCや告知の内容を担当しています。
Yuika みんなで意見を出し合って、活動のいろんなことを進めています。新しい最終未来少女を3人全員で作っている実感があって、今まで以上にやりがいを感じています。
──そうした意識の変化が、ライブにも表れているなと感じました。現体制になってから、今まで以上にパフォーマンスに磨きがかかって、歌声がさらに素晴らしくなった印象です。
Luuna 確かにそこはすごく変化したところですね。
Ten 私たちの曲、特に初期の曲は歌うのが難しいけれど、熱い曲が多くて。歌詞で描かれている気持ちをもっと歌で届けたほうが、観てくれた方もより心が動くかなと思ったんです。
Luuna 正直、私は歌に対して苦手意識があって。
──ええっ!? そんな感じは一切しませんでした。
Luuna いえいえ。正直最初は「いやあ……キツイかも」と思っていたんです。でも、この3人でどんどん前へ進んでいきたい気持ちがあって、ならば徐々にパフォーマンス力も上げていきたいなと思い、めちゃくちゃがんばっている最中です。
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心折れちゃうかも……でも折れませんでした




