オーラル、フォーリミら4組“歴史を塗り替えた”列伝ファイナル

3月15日に東京・赤坂BLITZにて、THE ORAL CIGARETTES、04 Limited Sazabys、Brian the Sun、HAPPYの4組によるライブツアー「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015 supported by uP!!!」の最終公演が行われた。

2月から全国9カ所で行われてきた「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015」。最終公演のこの日は、各バンドともにひときわ熱の入ったパフォーマンスで満員のオーディエンスを熱狂させた。開演前にはオープニングアクトとして、スペースシャワーTV主催のオーディション「DayDreamBeliever」でグランプリを獲得した、あいまいネイビーが登場。彼女たちは女性らしい繊細なアンサンブルで会場を温めた。

HAPPY

この日の1番手を飾ったHAPPYはカラフルなプリズムライトを手に登場し、「Cation」でイベントの幕を開ける。さらにAlec（Vo, G）の「1発目から飛ばしていきますよー」という言葉通り、モータウン調の「Lucy」、分厚いコーラスワークが印象的な「Wake Up」と続け、濃密なアンサンブルで会場を盛り上げた。

MCではAlecが「今日は世界中で行われてるどこのパーティよりも最高のパーティにしようと思います」と宣言。Bob（Dr, Vo）も「最高の夜にしようぜー！」と叫び、バンドは新曲「R.A.D.I.O.」を披露する。Ric（Vo, Syn）によるスぺーシーなシンセサイザーの音色が広がり、会場は幻想的なムードに包まれた。そしてバンドは最後に5月13日にリリースする新作CD「To The Next」をプレイ。5人は強い光に照らされる中、スローナンバーの同曲を渾身の力で届け、ステージをあとにした。

Brian the Sun

続くBrian the Sunは森良太（Vo, G）の「大阪から来ました、Brian the Sunです！」という快活な挨拶を合図に「Sister」からライブをスタートさせる。4人は1曲目からコール＆レスポンスで場内の一体感を生み出すと、「パワーポップ」「早鐘」とスキルフルに楽曲を畳み掛ける。

MCでは森が「ずっと楽しく音楽がやれたらいいなあと今回のツアーで思った。楽しかったなあ」と列伝ツアーの感想を述べる。加えて「毎回『次や！』『次や！』ってそうやって8カ所回ってきたけど、今日終わったらこのメンバーでの『次』はおしまいで……」と寂しそうに話した。そして「大事なことは生きてるうちに伝えてください」と観客にメッセージを送ると、田中駿汰（Dr, Cho）が大きくドラムを叩く。その音をきっかけにバンドはミディアムナンバー「白い部屋」を丁寧に届けた。静寂を切り裂くかのように小川真司（G, Cho）がギターをかき鳴らし、ラストナンバー「ロックンロールポップギャング」へ。森は感情を吐き出すかのように熱唱し、気迫のプレイを見せた。

04 Limited Sazabys

04 Limited SazabysのステージではSEのBowling For Soup「1985」からRYU-TA（G, Cho）がハンドクラップを煽り、会場は早くも熱気に包まれる。4人が定位置に着くとRYU-TAは「行くぞー！」と叫び、「monolith」をドロップ。フロアにはダイバーが続出し、場内は一気にパンクロックモードに。さらに彼らはKOUHEI（Dr, Cho）の繰り出す高速ビートに乗せ、「Remember」「Now here, No where」と次々にアップチューンを投下していった。

GEN（B, Vo）は「修学旅行みたいだった」と今回のツアーについてコメント。またバンドが4月1日にフルアルバム「CAVU」でメジャーデビューを果たすことから、今回のツアーがインディーズデビューバンドとして回る最後のツアーだったと言い、「僕らはみんな夢の途中。夢を追う仲間の背中を押せる新曲を」と言葉を添えて、4人は「CAVU」収録曲の「Terminal」を披露。GENのハイトーンのボーカルと、HIROKAZ（G）の叙情的なギターのメロディが広がり、場内は感動的な雰囲気に包まれた。GENは最後に「生涯忘れられない旅になりました！」とすがすがしい表情を見せ、ひときわ明るく照らされたフロアでラストナンバー「swim」を高らかに歌い上げた。

THE ORAL CIGARETTES

THE ORAL CIGARETTESの山中拓也（Vo, G）は、ステージに姿を現すなり身を乗り出し「俺らが列伝ツアーを最初に観に行ったのは2010年！」と語り出し、それ以降の毎年の出演者の名前を羅列していく。そして2015年までくると「HAPPY、Brian the Sun、04 Limited Sazabys、そして我々が、この列伝の歴史を塗り替えにきたのです！」と熱弁。「お前ら全員ついてこい！」とファンを焚きつけると、バンドは「THE ORAL CIGARETTES、始めます！」という山中のセリフを合図に「mist...」で一気に場内をヒートアップさせた。

山中の「この列伝ツアーがみんなの心に深く刻まれるように大事に曲を」という言葉から披露されたのは、4月22日リリースのニューシングル「エイミー」。4人はそれまでのアグレッシブなプレイから一転、優しい表情でしっとりとしたラブソングを丁寧に届けていく。曲の後半には山中がファンへ両手を掲げるよう促す。そして両手を掲げた観客1人ひとりをゆっくり見渡しながら、「その両手、つないで離さないようにするから、ずっとその両手を見せてください」と言葉を送った。バンドは「大魔王参上」で再び会場の温度を上げると最後に「起死回生STORY」をドロップ。会場には盛大なハンドクラップやシンガロングが響き渡り、大きな盛り上がりをみせた。

アンコールで再びステージに姿を現した山中は「うれしいー！」と満面の笑みを見せる。そして「踊り足りないよな？」とフロアに問い掛けると、4人はあきらかにあきら（B, Cho）の印象的なベースから始まるダンスナンバー「N.I.R.A」を投下。観客は体力を使い果たすように踊り、会場はダンスフロアと化した。最後には山中が、HAPPY、Brian the Sun、04 Limited Sazabysを順番に呼び込み、「スペースシャワー列伝」恒例となっている、出演者によるスペシャルセッションへ。4バンドはTHE BLUE HEARTS「終わらない歌」のカバーをにぎやかに届け、大団円のうちに「列伝ツアー」を締めくくった。

なおこのイベントの模様は4月24日（金）23:00よりスペースシャワーTVにてオンエアされる。