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米津玄師「帰りの会」続編ツアーで積み上げた一歩

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米津玄師「LIVE 帰りの会・続編」東京・LIQUIDROOM公演の様子。(撮影:中野敬久)

米津玄師「LIVE 帰りの会・続編」東京・LIQUIDROOM公演の様子。(撮影:中野敬久)

米津玄師の3都市ツアー「LIVE 帰りの会・続編」が、昨日12月11日の東京・LIQUIDROOM公演でファイナルを迎えた。

今回のツアーは6月に東京で行われた初の単独公演「米津玄師 Premium Live “帰りの会”」の続編として大阪、福岡、東京で実施。米津は前回同様バックバンドとして中島宏(G)、須藤優(B)、堀正輝(Dr)を率い、アンコールを含め全18曲のセットリストで最終日に臨んだ。

青く照らされたステージにバンドメンバーと米津の姿が浮かび上がり、客席から歓迎の声が沸き起こる中、フェードインした「街」のイントロがライブの始まりを告げる。まずミドルテンポのナンバーでゆったりと観客の身体を揺らした米津が「リビングデッド・ユース」「MAD HEAD LOVE」とBPMの速いナンバーを続けると、興奮したオーディエンスの熱気で場内の温度がたちまち上昇していった。

三三七拍子を煽った「しとど晴天大迷惑」を終えて1回目のMCに入るも、米津は挨拶もそこそこに次々と楽曲を畳み掛ける。メンバー紹介のときには「中ちゃん(中島)が面白い話してくれるんで」と突如MCを中島へ託し、幼なじみでもある彼を困惑させるというほほえましいやり取りも見られた。直後に米津はスポットライトを浴びながらギターをストロークし、一言一言を丁寧に紡ぎながら「眼福」を弾き語る。それまで一心不乱に腕を挙げて踊っていた観客も、やわらかい歌声にじっくりと耳を傾けた。イントロで拍手と歓声が起こった「vivi」、鮮やかな色彩の映像が幻想的なムードを醸し出した「アイネクライネ」を終えると、米津は「ここでMCタイムなんだけど、しゃべることは特に決めてないです」と言いつつ話を始める。

彼は「生きてていいことあんまないよね。あんまり、毎日の中で『楽しい』なんてことなくない?」と発言し、笑いが起こった客席から「今!」という言葉が飛ぶと「そうそう、そうなんだよ。今ね、俺すっごい楽しくて」と笑顔を浮かべる。同時にツアーを振り返り、「ほんとこれ(ライブ)をやるために音楽やってきたんだなっていう気持ちになる」と素直な思いを明かした。また6月の初ワンマンで会場を決める際、キャパシティの大きい場所にするべきだというスタッフの意見を受け止めつつも、約500人規模のUNITを選んだことについて「1個1個積み上げていきたいなって思ったんですよね。ライブに関しては右も左もわかんない状態だったし、それに対する恐怖もあったから。やっぱり側だけいきなりデカくして、内実が伴ってないものを作ったとしても絶対ハリボテになるだけだし、それになんの意味もないなって思った」と説明。改めて観客に向けて感謝の言葉を伝え、温かい拍手を一身に受けた。

「ここから速い曲をいっぱいやってくんで、大変だと思いますが……大変なのはこっちも一緒なんですけど。ついてきてくれるとありがたいです」と告げられたあと、空気をつんざく不協和音に続いて鳴らされたのは「ゴーゴー幽霊船」。観客が急き立てられるようにジャンプを繰り返し、フロアは再び活気付く。さらに米津はボカロP・ハチ名義で発表したアルバム「OFFICIAL ORANGE」の収録曲「パンダヒーロー」を歌い、初音ミクの歌唱バージョンを聴き慣れたファンを喜ばせた。そして声を振り絞った「WOODEN DOLL」でクライマックスを飾り、ギターを下ろすと颯爽と舞台を去った。

アンコールは1月14日にリリースされる3rdシングル曲「Flowerwall」でスタート。須藤はベースを置いてシンセサイザーを操り、力強いバンドアンサンブルに華を添えた。「遊園市街」ですべてのパフォーマンスが終了し、彼らはステージ前方に歩み出て一列に並ぶ。バックバンドの3人を見送った米津は「最後に1個だけ言わせてください。『帰りの会』は、帰るまでが『帰りの会』です」と言い残して袖へと消え、初ツアーの幕を下ろした。

なお米津は2015年春に北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡を回るライブツアーを開催予定。日程や会場などの詳細は後日発表される。

米津玄師「LIVE 帰りの会・続編」
2014年12月11日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 街
02. リビングデッド・ユース
03. MAD HEAD LOVE
04. しとど晴天大迷惑
05. 駄菓子屋商売
06. 百鬼夜行
07. ホラ吹き猫野郎
08. 眼福
09. メランコリーキッチン
10. vivi
11. アイネクライネ
12. ゴーゴー幽霊船
13. TOXIC BOY
14. パンダヒーロー
15. WOODEN DOLL
<アンコール>
16. Flowerwall
17. ドーナツホール
18. 遊園市街

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