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乃木坂46、笑いと貪欲に向き合ったプリンシパル公演終了

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5月30日から東京・赤坂ACTシアターでスタートした乃木坂46の劇場公演第3弾「16人のプリンシパル trois(トロワ)」が、6月15日に千秋楽を迎えた。

17日間(うち1日休演日)で計22公演という過去最長および最多となった今年のプリンシパル公演。昨年の「16人のプリンシパル deux(ドゥ)」では個々の演技力を軸にシリアスな舞台に挑戦した乃木坂46の面々だったが、今回は“笑い=コントのセンス”をテーマに本格的なコントに挑戦。1幕では各役に立候補したメンバー同士でコントをし、観客はその中で一番面白かったと思うメンバーに投票して、選ばれたメンバーが2幕の舞台「レッツゴーっ!ポリン姫」に出演した。前回とは勝手が違うこともあり、公演序盤では苦戦を強いられるメンバーも多く、特に1幕では高い演技力を見せつつもなかなか笑いを取れないために2幕に出演できない者もいた。

また今回は昨年のプリンシパル公演でお披露目となった2期生と、交換留学生の松井玲奈(SKE48)も初出演。それぞれ出演回数は限られていたものの、1幕および2幕で自身の存在感をアピールした。中でも研究生の伊藤かりん、渡辺みり愛は2幕で物語の中心となるポリン姫役を獲得し、初々しい演技で観客から喝采を浴びた。

2幕の「レッツゴーっ!ポリン姫」も観客の投票により毎回出演メンバーが異なり、それによって公演ごとに舞台のカラーも変化。特に公演が終盤に進むにつれて、個性の強いメンバーがポリン姫や悪役のルイーダのようにセリフが多い役に選ばれると、それまでとは違う魅力が散りばめられた公演へと変化していった。高山一実がポリン姫を演じた6月12日の公演ではガソリンスタンドの場面で店員がすべて高山の声をマネるというアドリブや、松村沙友理が4度目にポリン姫を演じた際にはセリフを関西弁に変えて、周りのメンバーを動揺させるというハプニングもあった。またルイーダを演じる機会の多かった橋本奈々未も、侍女にお仕置きをする場面でセリフが棒読みなメンバーにツッコミを入れたり、セリフに感情の起伏があまり感じられないメンバーには「お前、本当に怖がっているのかい?」とアドリブを入れたりと、演じる側も同じ役を複数回演じていくうちにリピーターを飽きさせない演出を加えていった。さらに星野みなみは前回の「16人のプリンシパル deux」を学業で欠席し、ひさしぶりのプリンシパル出演となったものの、2幕へ出演する機会をかなり増やし大健闘。悪役ルイーダを演じた際には彼女がセリフを言い始めた途端に客席から笑いが起こったほか、練習経験の乏しいベル役に抜擢された際には公演の途中から台本を持って舞台に挑み、その微笑ましい姿に温かい拍手が送られた。

このほか今回のプリンシパルでは主要10役をコンプリートしたメンバーが続出したのも特筆すべきポイント。昨年は西野七瀬と若月佑美の2名のみだった10役制覇も、今年は12公演目で若月がいち早く達成して以降は生田絵梨花、白石麻衣、井上小百合、深川麻衣と計5名が主要10役をコンプリートした。中でも生田は全22公演で2幕出演しただけでなく、過去3回の「16人のプリンシパル」全公演で2幕出演を果たすという偉業を成し遂げた。

千秋楽となった6月15日夜公演では1幕の段階から、いつも以上に熱の入ったメンバーの自己アピールが繰り広げられる。生田絵梨花が表立った活動としてはこの公演を最後にしばらく休業期間に入ることもあり、客席からは生田に対する熱い声援が送られた。そして2幕では生田がポリン姫役を演じることになり、劇中ではさまざまなメンバーが「早く(乃木坂46に)帰って来いよ!」といったアドリブを挿入したほか、ポリン姫を4体のミイラが襲うという場面では2幕に出演できなかったほかのメンバー全員がジャージ姿でステージに乱入し生田を本気で驚かせるというサプライズもあった。

そして15日の昼・夜公演でのミニライブでは、7月9日にリリースされる乃木坂46の新曲「夏のFree&Easy」がライブ初披露された。当初この日は出演予定のなかった松井も急遽参加することができたため、新選抜メンバー17名で元気いっぱいのパフォーマンスで観客を楽しませた。ミニライブ中のMCでは、生田が「ミイラ役でみんな出てきたとき、本当にビックリして(笑)。あとは舞台で繰り広げられるアドリブに付いて行くのが大変で。でも全部を出し切れたので、本当に楽しかったです!」と千秋楽の感想を吐露。プリンシパル初参加の松井は「(自分の出演した期間は)短かったけど、プリンシパルの酸いも甘いも経験できて楽しかったです」と語り、最後にキャプテンの桜井玲香が「お笑いが苦手な乃木坂がお笑いに挑戦して、こうやって乗り越えられたのは皆さんのおかげ。また来年も4回目のプリンシパルを無事迎えられるように成長していきたいと思います!」と力強く話し、出演者全員で「ロマンスのスタート」をパフォーマンスして全22公演にわたる3度目のプリンシパル公演を無事終えた。

なおナタリーでは15日夜公演終了後、メンバーの生田、松井、高山に「16人のプリンシパル trois」の感想を聞いた。

生田絵梨花コメント

全部で17日間、22公演。本当に長かったです(笑)。でもいまだに終わったのが信じられないっていうか……毎日ACTシアターに通って、毎日悩んで、毎日戦ってっていう繰り返しだったので、ここで終わりって言われると「うわーっ、もう終わりかあ」って、現実を受け入れられずにまだボーッとしてる感じですね。普通の舞台だったらきっと千秋楽に向けて毎日進めていくのかなと思うんですけど、プリンシパルって毎回違うキャストだから、その日やった舞台っていうのはその日だけのものでしかないんですよ。明確にここが最終地点っていうのがないし。本当に1回1回を大切にやってきたからこそ、明日からもうないって聞くと寂しくなりますね。

それと、その日に1つのコントをするじゃないですか。でもそのコントを明日もやるかもしれないので、また違うように見せなきゃいけないから、別の策を考えないといけないんですよ。そういう作業も明日からなくなるんだと思うと、だいぶ肩の荷が降りた気がします(笑)。

これで表立った活動は最後になって活動休止に入りますが、プリンシパルで全部出し切れました! 今日は最後の2幕でみんながアドリブで私のことをネタに入れてくれたりとか、2幕に出演してないメンバー全員でミイラ役をやってくれたりとか、そういうことが本当に最高の思い出になりました。またすぐ戻ってきます!

松井玲奈コメント

私はとても楽しかったですね。毎公演違う役に挑戦できたりとか、ほかのメンバーのコントを観たりとか。今までにない経験だったので毎日すごく楽しかったです。

千秋楽でポリン姫ができなかったことには悔いはないです。「15日に出られることになったから、せっかくだから立候補しよう」という気持ちだったので。夜公演は、私、本当はロザリオにしようと思っていて、(脚本・演出の)福田(雄一)さんに話したら、「面白くないじゃん、そこはポリンにしなよ」って言われてポリン姫に立候補したんですけど、福田さんはどうやら私が落ちるところが見たかったらしくて(笑)。でも今回、千秋楽にポリン姫役に立候補してそこに通らなかったっていうことも、自分にとってすごくプラスになったなって思いますし、客観的に舞台を観られるっていうのもなんか楽しいなと思って。自分にプラスになることばかりだなっていうことを感じたので、そんなに悲観的になることもなく、すごくポジティブにやれました。

ちゃんと芝居として舞台に立つのは初めてだったので、最初はどうなるのかなあって思ってたんですけど、やっぱりいざステージに立ってみると変わるというかスイッチが入って、やりたいようにできたなって思ったので、そんなふうになんでもやりきれちゃうことが不思議だなあと思いましたね。

このプリンシパル公演を通じて、乃木坂のメンバーともしゃべれるようにもなってきて、すごく楽しいなって感じているので、今度はファンの方にもっと自分からアピールしていきたいなって思います!

高山一実コメント

今回のプリンシパルは、始まる前はすごいプレッシャーがありました。握手会とかでも「かずみん、コメディだから得意でしょ?」とか言われたり、(話が振られやすい)選抜の上手にいるので、そこのポジションにいるんだから、コメディができないと「なんのためにそこにずっといたんだ」って言われるのが怖くて、すごい不安で。なので、終わってみてすごくたくさん「面白かったよ」ってメンバーに言われたのもうれしかったですし、スタッフさんや観に来てくださった媒体の方にも「よかったよ」って言ってもらえるのがすごくうれしくて自信になったので、結果的によかったかなって。個人的にはすごくいい形で終われました。

長い公演だったのでやっぱり波みたいなものはあって。でも「いいなあ」って思ったときって、だいたいいい意味で考えてないっていうか力んでなくて、素が出てるときなんだ、っていうことを1周回ってやっとわかったんです。それだけでもよかったかなと思いますね。力が入ったときはやっぱりよくない方向に行ってたから。

今回は1回だけ侍女にも入れないときがありましたが、あとは全部選んでいただけました。役の中でもマキアは一番やっていて楽しいですね。台本を最初にもらったときにどの役が一番楽しそうかなって思ったときに見たのがマキアだったので、千秋楽にやれて本当によかったです!

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