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筋少×特撮“2人の楽屋はどっちだ”対バン、盛況のうちに幕

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2月1日、ライブ「筋肉少女帯 vs 特撮」が東京・赤坂BLITZで開催された。

特撮

ボーカリストとキーボーディストが同じ2バンドによる対バンライブの先攻、特撮は「シネマタイズ(映画化)」と「戦え!ヌイグルマー」という、大槻の小説が原作となった映画「ヌイグルマーZ」の関連楽曲2曲からライブをスタートさせる。その後大槻は「今夜は『オーケン・エディの楽屋はどっちだ』へようこそ!」と、この日の自身と三柴理(Key)の立場になぞらえた副題を命名。「特撮はソリッドでシンプル! ボーカルがダラダラしゃべらないところが特徴!」「ダラダラしゃべるとドラムのアーリー(ARIMATSU)が怒ってすぐ曲にいっちゃうから!」と続けるとバンドは「オム・ライズ」「バーバレラ」「くちびるはUFO」を怒濤の勢いで3連射する。

しかしメンバー紹介後にはさっきの言葉もどこ吹く風。大槻が「一番気になるのはオーケンとエディのギャラは倍出るのか?」と語り出したのをきっかけに、大槻と三柴はまるでソリッドでもシンプルでもないトークを展開する。三柴が「2つのバンド分、出るんだよ」「でも申し訳ないから筋少用の衣装を買ったら、2バンド分全部なくなっちゃった」と語れば、大槻は「メガネを新しくしたい」と返すなど、2人は脱線し放題。それでもなぜかARIMATSUからOKをもらうと大槻はNARASAKI(G)が着ていたダッフルコートを「暑くない?」と、サポートメンバーRIKIJI(B / OBLIVION DUST)のタトゥをARIMATSUともども「スーパー銭湯に入れない組」とイジったのち「特撮はサクサクいっちゃうぜ! でも曲はズンズン重いぜ!」とシャウトし“ズンズン重い”ナンバーを4連発する。「5年後の世界」ではステージ最前列に踊り出したRIKIJIが両手でメロイックサインを作り、超満員のフロアを挑発。「林檎もぎれビーム!」ではそのフロアが大槻とともに「あいつらにだ!」コールをBLITZいっぱいに響かせた。

ジャンプスーツを上半身だけ脱ぎタトゥを晒したRIKIJIを大槻が再度イジるところから始まった最後のMCは、このあと登場する筋少の話題に。「何やるのかな?」とまるで他人事のような質問をぶつける大槻に、三柴は「『日本の米』とかやるのかな?」と回答。そこから2人はごはんのお供は何がベストか、熱い議論を戦わせる。しかしこの話題はお気に召さなかったか、ARIMATSUはデンブの話題で盛り上がる2人を「どーでもいい」と遮り、NARASAKIによるフィードバックノイズを背にハイハットでカウントを打ち鳴らす。これに慌てた三柴がキーボードに駆け寄り、大槻がステージのセンターに戻ると5人はラストナンバー「じゃあな」をプレイ。同曲で引用されている中原中也の詩のフレーズ「ゆあーん ゆあゆよーん ゆあゆよーん ゆよーん」をシンガロングするオーディエンスとともにライブの幕を下ろした。

筋肉少女帯

ステージに運び込まれた橘高文彦(G)用の2段積み4列のマーシャルアンプにどよめくなど、セットチェンジ中からフロアは筋少に対する期待感で充満。そんな中、Emerson, Lake & Palmer「Jerusalem」をオープニングSEに現れた5人は、特攻服をまとったひび割れメイクの大槻の「こんばんは、筋肉少女帯です!」との絶叫ののち「サンフランシスコ」をドロップする。サポートメンバー長谷川浩二(Dr)によるイントロのドラムロールを耳にした瞬間、沸騰したフロアは大槻の「ハイ!」の声とともに一斉にジャンプ。これに呼応するかのように橘高と本城聡章(G)がステージ狭しと駆け回り、その橘高、本城と三柴内田雄一郎(B)がそれぞれソロを回し合うなど、いきなりテクニカルなプレイを見せつけた。

その後、大槻はある意味特撮のMCを裏付けるかのようなステージングを繰り広げる。「サンフランシスコ」が終わるやフロアと「久し振りかと問うならば!」「問うならば!」とコール&レスポンスし、MCをスタート。三柴に2バンド目のステージに疲れていないか?と問われると、芝居がかった口調で「ちっとも疲れていねえのよ」と答え、マンガ「アストロ球団」に出てきたという「金田正一のカネヤンダンス」を披露する。しかし今ひとつフロアのウケが悪いと今度は「ここは2バンドやってくだばったボーカリストの葬式か?と聞いてるんですよ!」と逆ギレ。「オレたち筋肉少女帯はよ、ヒップホップの伝道師としてよ! ヒップホップのリリックをライムする伝道師としてよ!」とダンスネタを引っ張りつつ、ヒップホップテイストのヘヴィロックチューン「ワインライダー・フォーエバー」を投下した。

途中、楽器を降ろした橘高、本城、内田と大槻がステップを踏みながらマイクリレーを披露した同曲のあとには、橘高がネックを握ってフライングVを振り回し、三柴が放心したかのようにイスに座り込む、どちらも“らしい”パフォーマンスとともに「これでいいのだ」をプレイ。「この際、特撮のタオルでもいいぞ! BABYMETALのタオルでもいいぞ!」と大槻に煽られたオーディエンスがタオルを振り回しながら「これでいいのだ」を大合唱したところで、この日のBLITZのボルテージは何度目かのピークに引き上げられた。

橘高が「特撮は墨(タトゥ)入れてんじゃん、バンド名彫れよ」「『空手バカボン』って」とつぶやき、大槻が「空手バカボン、バカにしてんの!?」とキレるやりとりが繰り広げられたMCの最後、大槻は「さっきウソをついた」とポツリ。「疲れた」「空手バカボンって墨を入れてくる」と、なぜか空手バカボンメンバーではない三柴とともに退場してしまう。特撮メンバー不在となったステージを前に内田が「これはやらないだろう、という曲を僕らでやってみないかい?」と水を向けると橘高は「これが筋少だというところを見せてやろう!」とシャウト。4人は、特撮のステージで大槻と三柴がごはんのお供談義を展開するきっかけとなったナンバー「日本の米」をプレイする。さらに内田は「ベースなんていらねえよ」「スタンドマイク持ってこい」とひと言。「すごいな。ボーカリストはいないわ、ベーシストはベースを置くわ」と笑う橘高を尻目に、三柴を招き入れてツインギターにドラム、三柴のシンセベースという編成で「モコモコボンボン」を歌い出した。

「トゥルー・ロマンス」のイントロの橘高のギターフレーズが鳴り響く中、大槻がステージに復帰しフルメンバーになった筋少は同曲をプレイすると、3月末に東京・LIQUIDROOM ebisuで作曲家ごとにセットリストをまとめた2DAYライブの開催を発表。その後「釈迦」からラストナンバー「イワンのばか」まで3曲を一気に叩き込む。「釈迦」では本城がペットボトルをフロアに投げ込み、「イワンのばか」ではフロアの「バカー!」コールを背に三柴がフロア狭しと走り回るなど、5人はテンションの高いパフォーマンスを繰り広げていた。

華麗なヌンチャクさばきを見せ、筋少のライブを締めくくった大槻は特撮のメンバーをステージに呼び寄せる。そして両バンドを代表して三柴とNARASAKI、ARIMATSUがあいさつし、The Band「The Weight」をBGMに全出演者とオーディエンスとが記念撮影をしたところで異例の対バンライブは大団円を迎えた。

筋肉少女帯 vs 特撮
2014年2月1日(土)東京都 赤坂BLITZ セットリスト

特撮

01. シネマタイズ(映画化)
02. 戦え!ヌイグルマー
03. オム・ライズ
04. バーバレラ
05. くちびるはUFO
06. 殺神
07. 5年後の世界
08. 林檎もぎれビーム!
09. 綿いっぱいの愛を!
10. じゃあな

筋肉少女帯

01. サンフランシスコ
02. ワインライダー・フォーエバー
03. これでいいのだ
04. 日本の米
05. モコモコボンボン
06. トゥルー・ロマンス
07. 釈迦
08. 心の折れたエンジェル
09. イワンのばか

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