BUMP OF CHICKEN、初武道館で迎えたツアーファイナル

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BUMP OF CHICKENが10月29日に東京・日本武道館にて「BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR "WILLPOLIS"」の最終公演を開催した。

BUMP OF CHICKEN「BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR "WILLPOLIS"」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:古渓一道)

BUMP OF CHICKEN「BUMP OF CHICKEN 2013 TOUR "WILLPOLIS"」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:古渓一道)

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藤原基央(Vo, G)(撮影:古渓一道)

藤原基央(Vo, G)(撮影:古渓一道)

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増川弘明(G)(撮影:古渓一道)

増川弘明(G)(撮影:古渓一道)

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直井由文(B)(撮影:古渓一道)

直井由文(B)(撮影:古渓一道)

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升秀夫(Dr)(撮影:古渓一道)

升秀夫(Dr)(撮影:古渓一道)

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7月にリリースしたベストアルバム2作を携え、9月初旬より全国各地でライブを行ってきたBUMP OF CHICKEN。彼らはバンド初の武道館公演という華々しい舞台で、7カ所11公演のツアーを締めくくった。また今回のツアーでは入場者全員にバンド名とロゴをあしらったザイロバンドが無料配布され、ライブ中は曲調にあわせて輝く色とりどりの光が会場を彩った。

開演が近付き「ボレロ」が流れ出すと、ざわついていた客席からは自然と手拍子が発生する。BGMが次第に音量を増し派手なエンディングを迎えたところで客電が一斉に落ち、ステージに下りていた幕やサイドモニターにて本ツアーのために作られたオープニングムービーの上映が始まった。このアニメーションムービーは昨年の「BUMP OF CHICKEN GOLD GLIDER TOUR 2012」に引き続き映画監督の山崎貴が手がけたもので、前回とシンクロした壮大なドラマを感じさせるストーリーで展開。上映後に観客のザイロバンドが一斉に光り出し場内をカラフルに染め上げたところで、いよいよライブ本編がスタートした。

幻想的な演出がなされた会場に升秀夫(Dr)の叩く力強いビートが鳴り響き、幕に升のシルエットが映ると待ち焦がれていた観客から盛大な歓声が上がる。そこに加わった増川弘明(G)が聞き覚えのあるギターリフを奏で、直井由文(B)がクラップでリズムを作る中、藤原基央(Vo, G)が登場しギターを掲げてオーディエンスを歓迎した。増川の音に藤原が歪んだギターを乗せて歌い出した1曲目は「Stage of the ground」。冒頭で銀テープが勢いよく噴射されると同時に幕が落とされ、ステージに立つメンバーの姿が現れた。ヒートアップした観客は一斉に拳を上げ、直井と増川はそれを笑顔で見渡しながら歩き回る。高揚感を誘うこのナンバーが場内を温めると、続いては地を這うような重低音から「firefly」へ。フロアには発光する「チームラボボール」が投入され、サビではザイロバンドが細かく明滅し楽曲の疾走感を引き立てる。藤原はステージ前方へ進み腕を振り上げたりアグレッシブにギターを弾いたりとひときわ大きなアクションで観客の目を引き、続く「虹を待つ人」で「こんばんはBUMP OF CHICKENです!」と声高に叫んだ。

直井が「TOUR WILLPOLISへようこそ! みんな会いたかったぞー!」と挨拶してMCの口火を切り、「そして、ただいま!」と言うと客席からは「おかえりー!」という声が飛ぶ。彼はこの日がツアーファイナルだということに言及し、「全国でさ、本当にカッコいい人たちに会ってきたんだよ! そのシメが今日だから、カッコ悪いとこ見せらんねえよなあ! 最高のライブにしようぜ!」とコール&レスポンスを煽った。場内に一体感が生まれたのちは、初期の代表曲「アルエ」、イントロだけで拍手が起こった「ゼロ」と続く。「ギルド」では藤原と直井のハーモニーが美しく響きわたり、「花の名」は要所要所で“今日”を強調した歌詞に変えて歌唱された。

2度目のMCでは藤原が「楽しんでますか?」と呼びかけ、「今日みんなに会えてとてもうれしくて、しゃべるとちょっとやばいなー、たぶん泣くなーと思ってて……」と明かす。しかし涙をこらえた様子で、「いやー危なかった。年取ると涙もろくなるんだから本当に。わかるよそのうち。わかる人いるでしょ?」と話して観客の笑いを誘った。そんな中彼が鳴らしていたギターが徐々に一定のリズムを刻み「ダイヤモンド」のメロディに変わると、ファンは即座に反応しうれしそうに飛び跳ねて武道館を揺らす。

本ツアーでは各地で「恥ずかし島」と呼ばれるサブステージにてアコースティックライブを行っていたが、この日は趣向を変えて懐かしい楽曲を披露した彼ら。直井は「何年ぶりにやるんでしょうって感じですね。リハでいろいろなことを思い出しましたね(笑)」と語ってその曲ができた当時の思い出話に花を咲かせたあと、2枚のベストアルバムをリリースできた喜びをあらわにし、マイクを通さずに「本当にありがとう!」と深く頭を下げた。そして紹介されたのは「とっておきの唄」。ここではフロントの3人がドラムセットを取り囲んだり、直井が感極まったような顔をしたりと、胸を打つシーンが続出した。

増川が「みんなカッコいいです。美しい!」とオーディエンスを讃えたMCを挟んで、藤原が新曲「ray」について話し始める。これまでレコーディングをコンスタントに行っていたこと、「某2次元キャラクターとは一切関係ない」と笑いながら釘を刺しつつ楽曲タイトルはアルファベットの小文字表記だということを丁寧に説明したのち、ニューアルバム「RAY」のリリースを発表した。思いがけないニュースを受け会場には怒号のような歓声が沸き起こり、その反応はメンバーをも驚かせた様子。「思わぬところですげえ泣きそうになった」とこぼした藤原は、「幸せだ、古い曲やっても新しい曲やってもワーッて盛り上がってくれて。ありがとう!」と感激した。

弾けるようなシンセサウンドが印象的な「ray」を届けた4人は、「メーデー」「K」「車輪の唄」とさまざまな表情の楽曲を連発。その後「ラスト2曲になっちゃった」という藤原の言葉に「えー!」「やだー!」という声が飛び交い、藤原が「いや『えー』なんですよね、ほんとに。あっという間だった……。僕も終わりたくないよ。小学校のとき書道の時間2時間あったけどそれは長く感じたよ」とユーモラスに返す場面も。場内にアットホームな空気が流れる中、突如客席から手拍子とともに「ヒーデーちゃん!」と升を呼ぶコールが起こると、升は肉声で「ありがとうございます!」と大声で伝えて喝采を浴びた。

そこから始まった「天体観測」のオープニングでは、同曲のビデオクリップと同じように宇宙から地球へ、地球から日本へと視点が接近し、最終的に武道館の屋根へ行き着くという映像がステージ背面のスクリーンに映される。チームラボボール、多彩な紙吹雪、発光したザイロバンドが混ざり合うフロアに今度は金テープが放たれ、場内にはファンタスティックな光景が広がった。本編の最後を飾った「supernova」ではスクリーンが拡張し、メンバーを追った映像を観客の顔を捉えた映像で挟む形に。無数の笑顔が映し出される中で藤原は「聞こえるか武道館! 届いてるか!」と叫んでエモーショナルに熱唱する。終盤ではコーラス部分の合唱が会場を包み込み、ライブは感動的なムードの中でクライマックスを迎えた。4人は曲を終えるとしばらく客席に向かって拍手を贈り、感謝の言葉を述べてステージをあとにした。

「supernova」のコーラスを歌う観客の熱意を受けて、全員ツアーTシャツで再登場した彼ら。直井はカメラを手にオーディエンスの写真を撮り、ほかの3人は手を振りながら舞台上を端から端まで歩く。会場内全体を映した記念撮影のあとは、直井がこのツアーを支えてくれたスタッフへ感謝を伝え、改めて来場者に向けて「僕らとスタッフはチームですけど、みんなもチームです。僕らはここにいるみんなと音楽を作ってます。ほんとにいつも一緒にいてくれてありがとう!」とメッセージを送った。増川は言葉につまりかけて涙を抑える仕草をするも、「俺はほら、ゆるふわあったかキャラだからそういうのないよ」と自分を制しながらお礼を述べ、升は「すげー寂しー! 今日はほんと楽しかったです、ありがとー!」とオフマイクで絶叫する。

そしてアンコール1曲目の「真っ赤な空を見ただろうか」が演奏されたのち、藤原が「みんな来てくれてどうもありがとう!」という言葉から堰を切ったように語り出した。「今日の曲たちは君たちがいなかったら生まれなかった。僕らが出した音は聴いてもらうっていう目標を持って生まれてきて、聴いてもらわないと生まれたことにならないんだよね。だから君たちが聴いててくれたから今日の音楽が生まれたんだ。本当にどうもありがとう」と思いを口にした彼は、「僕たちの音楽に拍手をもらっていいですか? 音楽がなかったら君たちと出会えなかったからさ、本当に感謝してるんだ」と問いかける。それに応えてしばらく大きな拍手を贈った観客へ藤原はさらに話を続け、「僕たちはお互いどういう育ち方をしてきたかわかってるけど、君たちのことは昨日何してたかもわかんねーの。でも昨日まで知らなかった同士が音楽を中心にして『イエー』って言ってさ。それは僕たちにとって本当にかけがえのない思い出になりました。どうもありがとう!」と熱弁した。

「宇宙飛行士への手紙」を万感の思いを込めて披露した彼らは一度楽器を置くも再び持ち直し、ラストナンバーとして「ガラスのブルース」を弾きはじめる。バンドからのプレゼントにオーディエンスは沸き上がり、拳を高く掲げてジャンプを繰り返した。藤原は曲中に「こんばんはBUMP OF CHICKENです!」と再度叫び、「ガラスの眼をしたみんな大好きだ!」と歌詞を変えて歌い観客の心を揺さぶった。全18曲を終えたメンバーたちは、それぞれフロアに降りてファンとハイタッチしたりピックやグッズを投げ込んだりとコミュニケーションを楽しむ。最後に升は充実した笑みを浮かべて両手を広げ、直井は「僕らこれからガンガン活動していくんで!」とガッツポーズを決め、増川は「ツアー楽しかった、幸せだった。また絶対やるんで来てください」と手を振った。藤原は「みんな汗だくになって声出してくれてありがとな! おやすみ、またね。バイバイ」と話して一旦マイクから離れるも、もう一度戻って「大好き」と一言。舞台から全員が退場すると、スクリーンにはオープニングムービーに現れた飛行船が夜空に飛び去っていく映像と、さきほど直井が撮影した記念写真が「TO BE CONTINUED」の文字とともに浮かび上がった。

BUMP OF CHICKENにとって通算7枚目のオリジナルアルバムとなる「RAY」は2014年1月下旬に発売予定。本作には「友達の唄」「Smile」「ゼロ」「グッドラック」「firefly」「虹を待つ人」といった、前アルバム「COSMONAUT」以降に発表された楽曲と「ray」を含む全13曲が収録される。

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やぎお @suuuunsnsn

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