本作は第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田が、インドネシアを舞台にオリジナル脚本で挑むファンタジー。国籍や宗教を越えて育まれる若者たちの友情を通して、人間の生活が自然とともにあるさまを描き出す。主人公の奇跡を起こす正体不明の男ラウをフジオカが演じている。1カ月間にわたり、インドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェで全編ロケ撮影が行われた。
会見には、深田のほかイルマ役として出演した女優セカール・サリが出席。本作のインドネシア語タイトルが「Laut(ラウ)」に決定し、インドネシアでは2018年の中頃に劇場公開されることが発表された。
2011年、東日本大震災後の12月に京都大学とバンダ・アチェのシアクアラ大学が共同で行った震災と復興に関するシンポジウムに同行し、バンダ・アチェを知ったという深田。深田は「震災の傷跡とともに、復興した街を目の当たりにして、日本人とインドネシア人では死生観や復興への取り組み方が違うことが興味深く、カルチャーショックを受けました」と述懐する。そして、映画の成り立ちついて「バンダ・アチェには多くのトーチカが残されていて、日本とこの地は第2次世界大戦や、津波という共通する歴史体験を持っているということも知りました。そのような素地の場所に、日本の若者たちが降り立ったらどのような景色が見え、何を思うのだろうということを映画にしたいと思いました」と明かす。
鶴田真由、太賀、阿部純子も出演している本作。サリは「とても印象深い撮影期間でした。アディパティ(・ドルケン)さん、そして太賀さんと阿部さんとの共演は本当に楽しく、いい経験になりました。まだ彼らとの時間がとても大切に私の中に残っています」と振り返る。
最後に深田は「バンダ・アチェで撮影をするということは、何かと大変ではないかといろいろな人から心配されましたが、これまでで一番快適な撮影となり、まったく問題はありませんでした。日本から来たスタッフとキャストを迎え入れてくれたインドネシアのスタッフと俳優たち、地元の皆様に感謝しております」と伝えた。
なお会見ではフジオカより届いた英語のビデオレターも上映。ビデオレターのコメントは下記を参照してほしい。
「海を駆ける」は2018年5月に日本公開される。
ディーン・フジオカ コメント
記者会見に参加できなくて残念ですが、この作品が公式にインドネシアで製作発表されることをとてもうれしく思っています。私にとってインドネシアは特別な国なので、とてもうれしいです。今回、この企画に才能あるキャスト、スタッフの皆さんと参加できたことは、本当に特別な体験でした。バンダ・アチェには初めて行きました。撮影はすべてその周辺で行われましたので、私は素晴らしい時を過ごすことができました。人々の活気を感じてとても刺激を受けました。インドネシアの皆さんに、来年この作品をお届けできることが本当に楽しみです。
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