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「海を駆ける」ディーン・フジオカ、企画選びの基準は「父親として模範になれるか」

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左からディーン・フジオカ、深田晃司。

左からディーン・フジオカ、深田晃司。

海を駆ける」の記者会見が、本日5月23日に東京・日本外国特派員協会にて行われ、主演のディーン・フジオカと監督の深田晃司が登壇した。

本作は、インドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェで全編ロケ撮影をしたファンタジー。自然の脅威と美を、国籍や宗教を超えて育まれる若者たちの友情を通して描き出す。本日は日本に派遣されている外国報道機関向けの会見のため、フジオカはすべての質問に英語で回答した。

本作を自ら「非常に謎めいた作品」と語るフジオカは、出演を決めた動機を尋ねられると「家族がジャカルタに住んでいて、妻の祖国でもあります」とインドネシアが舞台であることを理由の1つに挙げる。また「企画選びの基準としてストーリーやキャラクターの面白さ、そして父親として模範になれるかという点がある」と説明し、「離れて暮らしているぶん、子供に誇りに思ってもらえるような何かを残したいという思いがあった」と打ち明けた。さらに深田によるオリジナル脚本を「エキセントリックな部分もあるが、いい意味で観客を突き放す。はっきりした解をくれず、明確なメッセージもない。そういうところが面白いと感じました」と絶賛する。

「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」で実在の殺人犯を演じた際、共感できないキャラクターを演じる難しさをフジオカが語っていたという記者からの指摘も。フジオカは本作で演じた謎の男ラウについて「神や自然を体現した存在。役を演じるというより、自分の体を使ってアートインスタレーションを行う感覚だった」と解釈を述べ、「僕はもともと姿勢がいいほうなので、監督に『姿勢がよすぎる。猫背になりなさい』と毎日言われていました(笑)」と撮影時のエピソードを披露した。

構想から約7年の時を経て完成に至った本作。2011年、日本とインドネシアの共同で開催された津波に関するシンポジウムの記録撮影のため初めてバンダ・アチェを訪れたという深田は「災害との向き合い方や現地の方の死生観が日本と少し違っているのが垣間見え、ここで映画を撮りたいと思いました」と振り返る。そしてインドネシアや日本のナショナリティの間で揺れ動く若者と、そういうものとは無縁のラウを対比することで「国籍やアイデンティティを考えるきっかけが生まれてくれれば」と本作を通して伝えたい思いを口にした。

「海を駆ける」は5月26日より全国ロードショー。

(c)2018 "The Man from the Sea" FILM PARTNERS

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