8月5日の東京・シアタークリエ公演を皮切りに、兵庫、新潟、宮城、山形、滋賀、長崎、愛知と全国ツアーを実施する「頭痛肩こり樋口一葉」。その制作発表が本日5月25日に東京・東宝本社にて行われ、出演者の
まず井上が「『頭痛肩こり樋口一葉』はこまつ座にとっては旗揚げ公演であり、今から30年前に『東宝・こまつ座提携特別公演』として芸術座でロングラン公演された、こまつ座と東宝を深い縁(えにし)でつないでいる作品。今回新たな『樋口一葉』を皆さんにお届けできて、大変光栄です」と挨拶。さらに「これ以上ない素敵な女優さんが勢揃いしました」と太鼓判を押した。
前回上演の2013年版から、唯一の新キャストとなる永作は、「新入りですが……」と恐縮しながら、「
一葉の母・樋口多喜を演じる三田は、井上作品へ10作ほどの参加経験が。「井上ひさしという人は、シェイクスピアにも勝るとも劣らない、日本の誇れる劇作家だと信じています」と井上への絶対の信頼を述べ、さらに自身が今年舞台生活50周年目を迎えたことについて触れ、「役者生活51年目の最初の1歩を、井上作品でスタートできることを誇らしく感じています」とコメント。「先生のお書きになった大切なひと言ひと言を落とさずに、お客さまに伝えて幸せな気分で劇場を出て行っていただければ」と意気込んだ。
幽霊の花蛍を演じる若村は、この会見用の特別衣装として生前の花蛍をイメージした装いで登場。自身の役どころについて「そもそも何でさまよってるのか、花蛍自身がわからない。それを探して一葉のもとに現れるんです」と説明。「そして、とうとう見つけるんです。そこで恨みを晴らすなんていうことは大したことじゃないんだという超越した思いに、幽霊なりに至ります。それが許すという思いにも通じる」と作品の内容について触れた。
愛華は自身の演じる稲葉鑛について「江戸の時代のよき時に生まれていたら姫なのに、時代に翻弄されて麦わら帽子を売ったり……」と語り、「その時代をどう生きていったらいいのか悩みつつ健気に生きる姿を、いい意味でのお姫様の甘えも含めて自分らしさも交えながら演じられたら」と語る。
中野八重役を演じる熊谷は、好きなセリフに「女が地獄に落ちるには3日もあれば充分だ」を挙げ、「このセリフにお八重さんという人物が集約されるのかなあ」と感想を漏らす。そして「役者はいいセリフを喋れるというのが、やっぱりエクスタシーですかね」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた。
一葉の妹・樋口邦子を演じる深谷は「この作品を成功させるために生きていると言っても大げさではないくらい、ここにすべてをかけたいと思っています。応援よろしくお願いします」と並々ならぬ気合いで語る。
そして締められたかのように見られた会見の最後には、三田の舞台生活50周年を記念しサプライズケーキが登場。永作から花束を手渡された三田は、うれしそうに微笑み「ここまで来たこと自体が驚き。“経験した”ということは何の足しにもならないので。ゼロからのスタートですから。一生懸命がんばりたいと思います」と意気込んだ。
「頭痛肩こり樋口一葉」は、男性中心の時代に、恋を捨て、貧しさに苦しみながらも筆一本で身を立てようとした樋口一葉の姿を、19歳から死後2年に焦点をあてて描いた作品。主人公・一葉を永作博美が、一葉を取り巻く女性たちを、三田和代、熊谷真実、愛華みれ、深谷美歩、若村麻由美が演じる。演出は
「頭痛肩こり樋口一葉」
2016年8月5日(金)~25日(木)
東京都 シアタークリエ
2016年9月3日(土)~4日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2016年9月7日(水)
新潟県 新潟県民会館
2016年9月15日(木)
宮城県 電力ホール
2016年9月17日(土)
山形県 南陽市文化会館
2016年9月22日(木)
滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール
2016年9月25日(日)
長崎県 アルカスSASEBO 大ホール
2016年9月28日(水)~30日(金)
愛知県 中日劇場
作:
演出:
音楽:宇野誠一郎
出演:
※初出時、会場名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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- 東宝・こまつ座提携特別公演『頭痛肩こり樋口一葉』(シアタークリエ2016年8月公演)オフィシャルサイト
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