“お祭り騒ぎのステージ”「HAKU-MYU LIVE」が3年ぶりに帰ってくる。恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」を原作とした「ミュージカル『薄桜鬼』」(以下薄ミュ)は、動乱の幕末を駆け抜けた新選組と鬼たちの生き様を描いた舞台作品。「HAKU-MYU LIVE」は、シリアスな本公演とは対照的に、薄ミュシリーズの楽曲がライブ形式で披露されるイベントだ。現キャスト体制の集大成となる「ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 4」では、2023年から2025年にかけて上演された「ミュージカル『薄桜鬼 真改』山南敬助 篇」「ミュージカル『薄桜鬼 真改』土方歳三 篇」「ミュージカル『薄桜鬼 真改』藤堂平助 篇」を中心としたナンバーが届けられる。
ステージナタリーでは、直近の3公演でタイトルロールを務めた土方歳三役の久保田秀敏、藤堂平助役の樋口裕太、山南敬助役の輝馬にインタビュー。薄ミュシリーズで苦楽を共にしてきた盟友3人に、“薄ミュ愛”、そして「HAKU-MYU LIVE 4」の見どころを聞いた。
取材・文 / 興野汐里撮影 / 堀内彩香ヘアメイク / 城本麻紀、橋本紗希スタイリスト / MASAYA
何も気にせず騒ぎまくれる!
──2022年に開催された「ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3」以来、約3年ぶりに「HAKU-MYU LIVE」が帰って来ます。お三方も参加した「HAKU-MYU LIVE 3」では、「志譚」「真改」シリーズの4作品を中心とした楽曲が披露されました。
久保田秀敏 「HAKU-MYU LIVE 3」の頃はまだコロナの影響があったけど、今回やっとお客さんが声を出せる環境になったことが大きな変化だよね。
輝馬 そうか、「HAKU-MYU LIVE 3」のときはまだコールアンドレスポンスができなかったんでしたっけ?
久保田 そう。俺らが呼びかけてもお客さんはペンライトを振ったり拍手で応えたりすることしかできなかったから、どうしてもシーンとなってしまう場面があったんだけれども、今回は気にせずみんなで騒ぎまくれます!
輝馬 僕は東京と大阪で開催できることが単純にうれしいですね。あと、年末ってなんだかテンションが上がるじゃないですか。クリスマスや年の瀬も近いし、良い1年の締めくくりになるんじゃないかなと思います。
久保田 ……大阪公演のついでにUSJへ行きたいなあ。
輝馬 冬だよ!? 寒いよ!
樋口裕太 行きましょうよ! 行かないなんて選択肢はないでしょ!
輝馬 えー、みんなで行ってきなよお。
──地方公演に行った際、皆さんでお出かけすることはあるんですか?
久保田 みんなでそろってどこかへ行くことはあまりないけど、各々で出かけることはあるよね。
樋口 サウナに行ったりとかはありますね。輝馬くんは不在なことが多いですけど(笑)。
輝馬 サウナに行くなら居酒屋に行くもん、俺は。
久保田・樋口 ははは!
樋口 以前、地方公演で大浴場付きのホテルに泊まったことがあったんです。大浴場が閉まるギリギリの時間に輝馬くんが入って来たんですよ。輝馬くん的には、もうほかの人は入り終わって誰もいないと思って油断していたんでしょうね。そうしたらみんなが大浴場にいたものだから、「あー! 1人で静かに入りたかったのに!」と言いたげに大きなため息をついていて面白かったです(笑)。
輝馬 ははは! そんなこともあったねえ(笑)。自分があまりみんなと出かけないことには理由があるんですよ。たとえば自分が座長をやらせていただいた公演は特に、覚えるセリフや動きが多かったり、精神的・体力的に追い込まれていたりするから。でも「HAKU-MYU LIVE」はキャスト1人ひとりが主役なので、良い意味ですごく気が楽だなと思います。
──輝馬さんは2023年上演の「ミュージカル『薄桜鬼 真改』山南敬助 篇」、久保田さんは2024年上演の「ミュージカル『薄桜鬼 真改』土方歳三 篇」、樋口さんは2025年上演の「ミュージカル『薄桜鬼 真改』藤堂平助 篇」でタイトルロールを務めました。やはり座長が背負うものは大きいのでしょうか。
輝馬 初めての現場で初めて座長を務めるわけではないし、勝手知ったる仲間たちがいてくれたので、安心感がありました。反面、「ミュージカル『薄桜鬼』黎明録」(2015年)から参加させていただいているからこそ、昔からお世話になっているキャストのみんなやスタッフさんの期待を裏切ってはいけない、座長に選んでいただいたからにはしっかりやり切らなければいけないというプレッシャーもありましたね。
久保田 薄ミュシリーズで土方歳三役を演じたのは僕で6人目。過去公演に出演したキャストの方々が作ってきたものをベースに、自分の中で土方歳三像を作っていっただけなので、ひたすら皆さんに感謝するばかりです。“真ん中”に立たせていただいた「真改 土方歳三 篇」では、どんなことがあっても這い上がって、何度も立ち上がる土方歳三の姿を通じて、お客さんに「土方歳三から勇気をもらえた。明日からもがんばってみようかな」と思ってもらえたら良いな、自分が演じる土方歳三が誰かの希望になったら良いなと思いながら演じていたところがあります。
樋口 「ミュージカル『薄桜鬼 志譚』土方歳三 篇」(2018年)から薄ミュに参加させていただいて、毛利(亘宏)さん、西田(大輔)さんお二人の演出を受けられたことが自分にとって大きな財産になりました。西田さんは人間の強い部分を引き出すのが得意で、毛利さんは弱い部分を描くのが上手。毛利さん演出版、西田さん演出版、両方の要素を掛け合わせた藤堂平助を、「真改 藤堂平助 篇」で演じられたことがすごくうれしかったですね。座長を務めて感じたのは、やっぱり薄ミュはすごい作品だなということ。1公演1公演に魂を込めて演じたので、「くぼひでさん(久保田)や輝馬くんもこれをやっていたんだ……」と、改めてこれまで座長を務めた方々に尊敬の念を抱きました。
大変だけど楽しい、薄ミュダイエット!?
──3年ぶりの開催となる今回の「HAKU-MYU LIVE」では、「真改 山南敬助 篇」「真改 土方歳三 篇」「真改 藤堂平助 篇」の3作品の楽曲を中心としたステージが繰り広げられます。お気に入りのナンバーや、楽しみにしているコーナーがあれば教えてください。
樋口 「真改 山南敬助 篇」「真改 土方歳三 篇」「真改 藤堂平助 篇」の公演が軸になるということで、僕たち3人で負担を分け合えることがありがたいですね。本当に気が楽です(笑)。楽しみにしているのは山南さんのパートかな。輝馬くんにめちゃくちゃ汗をかかせたい!
久保田 毛穴という毛穴から、前日に摂取したアルコールを出してもらおう(笑)。
輝馬 いやいや! たくさん動きがある大変そうなパートは「(同じく山南敬助役を務める丸山)龍星担当でお願いします」ってロッポンさん(殺陣を担当する六本木康弘)に根回しするから!(笑) 暫定的なセットリストを見る感じ、「真改 山南敬助 篇」「真改 土方歳三 篇」「真改 藤堂平助 篇」の楽曲がうまくミックスされていて、誰々篇のくくり関係なく、いろいろな楽曲が連なっているのが、「HAKU-MYU LIVE 4」ならではの面白さなんじゃないかなと思います。
樋口 個人的に、オープニングからMCまでの流れがアツいですね! 「MC前にこの曲来ちゃう!?」って感じ。観てのお楽しみです(笑)。
久保田 僕個人としては、最新公演の「真改 藤堂平助 篇」で殺陣が20手ぐらいしかなかったので、ちょっとだけ体力を持て余しちゃってたんです。だから「HAKU-MYU LIVE 4」では21手以上あるとうれしいですね。
輝馬 動けよ! 土方歳三!(笑)
久保田 動くよ!(笑) 「HAKU-MYU LIVE 4」に向けて改めてトレーニングを積んだので、もうバチバチに動けます。
──今回の「HAKU-MYU LIVE 4」では、「真改 土方歳三 篇」「真改 藤堂平助 篇」の演出・脚本を手がけた毛利さんと、「真改 山南敬助 篇」の演出・脚本・作詞を担った西田さんが、構成・作詞を担当します。
樋口 この前、西田さんにお会いしたんですけど、「HAKU-MYU LIVE 4」をすごく楽しみにしていましたよ。あと、寂しがってました(笑)。
輝馬 マジで!? 今でも薄ミュのことを気にかけていてくれてうれしいなあ。
樋口 ちょっと心配なのは、過去公演の歌詞や振付を覚え直すことだなあ。“座長あるある”なんですけど、ソロ曲のリプライズを公演の中で何度も歌うので、どれが原曲の歌詞なのかわからなくなっちゃうことがあるんです。
久保田 確かに。あと、「真改 山南敬助 篇」の振付はMAMORUさんだったよね? ということは今回、振付が変わる可能性もあるから、やることが多くて痩せちゃうかも(笑)。
樋口 出ました、薄ミュダイエット!(笑)
久保田 毎公演必ず4キロぐらい痩せるんだよね。「真改 土方歳三 篇」のときは5キロ以上痩せたかも。
樋口 やっぱり座長公演のときが一番痩せますよね。輝馬くんは逆に「真改 山南敬助 篇」のときに体重が増えたんじゃないですか?
輝馬 増えてないよ!……そんなに変わらなかったけど(笑)。
久保田 動けよ! 山南敬助!(笑)
輝馬・樋口 ははは!
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薄ミュに欠かせないモノは…

 
 
 
 
 
 
                         
             
             
             
             
             
             
            




 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                    