永作博美、井上ひさしの選んだ浴衣に「背筋が伸びます」樋口一葉役の熱演誓う

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「頭痛肩こり樋口一葉」が、明日8月5日に東京・シアタークリエにて開幕。初日に先がけ、本日8月4日には劇場で記者会見が行われ、出演者の永作博美若村麻由美熊谷真実愛華みれ深谷美歩三田和代が登壇した。

「頭痛肩こり樋口一葉」フォトセッションの様子。左から深谷美歩、熊谷真実、若村麻由美、永作博美、三田和代、愛華みれ。

「頭痛肩こり樋口一葉」フォトセッションの様子。左から深谷美歩、熊谷真実、若村麻由美、永作博美、三田和代、愛華みれ。

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「頭痛肩こり樋口一葉」出演者がシアタークリエの正面玄関で打ち水を行う。

「頭痛肩こり樋口一葉」出演者がシアタークリエの正面玄関で打ち水を行う。[拡大]

本作は、男性中心の時代に、恋を捨て、貧しさに苦しみながらも筆1本で身を立てようとした樋口一葉の半生を、19歳から死後2年までの盆に焦点をあてて描いた作品。主人公・一葉を永作が、一葉を取り巻く女性たちを、若村、熊谷、愛華、深谷、三田が演じる。

永作博美

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6人は浴衣姿で報道陣の前に現れ、涼を求めて劇場の前で打ち水を行った。それぞれが身に着けている浴衣は、本戯曲の作者・井上ひさしが大切にしていたアンティーク品。井上の三女で、こまつ座代表の井上麻矢は「父はこの戯曲を書くにあたって、構想前にもかかわらず呉服屋を呼び、浴衣だけ頼んでしまったという逸話を持っています」と語る。その後、浴衣は舞台衣装としてはお蔵入りになったものの、井上ひさしの母から井上麻矢に至るまで、3代にわたって慈しまれてきた。

若村麻由美

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絞りの浴衣に身を包んだ永作はその逸話を聞いて「背筋が伸びます」と笑顔を見せる。続けて「今この時代に、こんなに切なくて、こんなに力強い作品を観られる機会ってそんなにないと思うんです。必ず明日の活力になりますので、ぜひご覧いただければ」とコメント。また永作以外は2013年上演版からの続投キャストだったことを受け、「みなさん一度演じられていることもあって、それぞれの指針が柱となって私の周りを囲んでくださいました。そこに向かってとにかく必死に取り組みましたね」と稽古を振り返った。

熊谷真実

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幽霊となった女郎・花蛍役を演じる若村は「とにかくこれを観ないと死ねない、っていうくらい面白い作品に仕上がりました。劇場に足を運んでくださらない方のもとに化けて出ますよ!」と役に絡めて作品をアピールし、報道陣の笑いを誘う。また、一葉の肖像があしらわれた5000円札が「5枚貯まったところです」と若村が発言すると、共演者から「あと1枚貯めて、みんなでごはんに行きましょう」「今の時期ならウナギですかねー」と声が上がった。

愛華みれ

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「5000円札になぜ一葉さんの肖像が使われるようになったか、舞台を観れば少しだけわかるかもしれません」と続けたのは、シアタークリエ初出演となる中野八重役の熊谷。「森光子さんが芸術座に出ていらしたときから、しょっちゅう観には来ていた劇場なので、出られてとてもうれしいです」と劇場への思いを語った。

女性6人の姦しい座組の中で「一番賑やかなのは?」と記者から質問されると、永作は愛華をチラリ。元旗本のお姫様・稲葉鑛役の愛華は、井上ゆかりの浴衣を身に着けた印象を問われると「より一層、女性のパワーが倍増しております」と笑顔で即答。「6人で力を合わせ、この暑さに負けないように演じますのでぜひぜひお待ちしています」と来場を呼びかけた。

また、一葉の母・樋口多喜役の三田は、6人がいつも円陣を組み気合い入れを行っていると語り、「日本一の劇作家の本だから難しいのはわかりきっていんですけど、初日は胃がキリキリしますね」と意気込みを述べる。

そんな先輩たちの奮闘ぶりを見た最年少の深谷は「先輩たちについていきたいと思います。がんばります!」と元気よく語った。

東京・シアタークリエでの公演は、8月5日から25日まで。その後、兵庫、新潟、宮城、山形、滋賀、長崎、愛知と全国ツアーが実施される。なお、8月11日には「夏の夜、一葉と井上ひさしを語る」と題して編集者の松岡正剛が、13日には「一葉は薄倖か、幸福か?井上ひさしの一葉論」と題して台東区立一葉記念館の近藤直子が、15日には「“女が書く”ということ」と題して俳人の黛まどかが、こまつ座の井上麻矢と対談するトークショーも開催される。

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「頭痛肩こり樋口一葉」

2016年8月5日(金)~25日(木)
東京都 シアタークリエ

2016年9月3日(土)・4日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2016年9月7日(水)
新潟県 新潟県民会館

2016年9月15日(木)
宮城県 電力ホール

2016年9月17日(土)
山形県 南陽市文化会館

2016年9月22日(木)
滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール

2016年9月25日(日)
長崎県 アルカスSASEBO 大ホール

2016年9月28日(水)~30日(金)
愛知県 中日劇場

作:井上ひさし
演出:栗山民也
音楽:宇野誠一郎
出演:永作博美三田和代熊谷真実愛華みれ深谷美歩若村麻由美
※初出時、会場名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

井上「父はこの戯曲を書くにあたって、構想前にもかかわらず呉服屋を呼び、浴衣だけ頼んでしまったという逸話を持っています」/永作博美、井上ひさしの選んだ浴衣に「背筋が伸びます」樋口一葉役の熱演誓う - ステージナタリー https://t.co/PRO4BUQfK6

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