本公演は、Music Program TOKYO シアター・デビュー・プログラムとして、森絵都の短編集「アーモンド入りチョコレートのワルツ」(KADOKAWA)に収録された「彼女のアリア J・S・バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>より」を、中学・高校生向けに舞台化するもの。脚本を鎌田エリカ、作編曲を根本卓也、演出を文学座の
舞台上には、旧校舎の音楽室と、それを囲むようにぐるりと敷かれた廊下、舞台奥には天井へと伸びる階段が設えられていた。本作では、不眠症に悩まされる中学3年生の“僕”が、旧校舎で出会った明るい藤谷とのやりとりを通じて、少し大人になる様子が描かれる。“不眠症”という共通点を持つ2人は、互いの悩みを話しながら打ち解けていくが、“僕”は藤谷に惹かれつつも不信感を抱くようになり……。
主に2人の会話から成る本作では、中村が手がける、スローモーションを交えた緩急あるダンスシーンが、思春期特有のジェットコースターのように乱高下する感情や藤谷の荒唐無稽なうその数々を表現し、物語に色を添えた。さらには、“シェイクスピア”や“LINEの既読スルー”といった単語が織り交ぜられ、ヒット作の短編が生田の演出によって今、中高生向けに舞台化される醍醐味を感じさせる。
“僕”を演じる久米俊輔は、藤谷に振り回される男子生徒の無垢な部分を清潔感あふれる演技で好演。一方、藤谷役の
上演時間は約1時間35分。公演は明日10月25日まで。
Music Program TOKYO シアター・デビュー・プログラム「彼女のアリア」
開催日程・会場
2025年10月24日(金)・25日(土)
東京都 東京文化会館 小ホール
スタッフ
原作:森絵都(「アーモンド入りチョコレートのワルツ」(角川文庫)収録「彼女のアリア J・S・バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>より」)
脚本:鎌田エリカ
作編曲:根本卓也
演出:
振付:
出演
藤谷:
ぼく:久米俊輔
ダンス:中村蓉 /
ピアノ:森下唯
※25歳以下・18歳以下料金あり。
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思春期の“心の暴走”がダンス×ピアノ×演劇で駆け巡る、「彼女のアリア」開幕(舞台写真あり)
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