Curly Giraffe豪華コラボライブで歌姫7人が美声競艶

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10月21日に東京・SHIBUYA-AXにてCurly Giraffeの企画アルバム「Thank You For Being A Friend」の発売を記念したスペシャルライブが開催された。

一列に並びオーディエンスに挨拶する出演者たち。出演者がステージを去った後も、拍手はしばらく止むことがなかった。

一列に並びオーディエンスに挨拶する出演者たち。出演者がステージを去った後も、拍手はしばらく止むことがなかった。

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二度ほど「(緊張で)ドキがムネムネなんで……」とオヤジギャグを飛ばしていたCurly Giraffe。しかしその緊張感を感じさせない、キャリアに裏打ちされた貫禄たっぷりのパフォーマンスを披露した。

二度ほど「(緊張で)ドキがムネムネなんで……」とオヤジギャグを飛ばしていたCurly Giraffe。しかしその緊張感を感じさせない、キャリアに裏打ちされた貫禄たっぷりのパフォーマンスを披露した。

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「Thank You For Being A Friend」は、Curly Giraffeの楽曲を彼と縁のある計8組の女性アーティストたちがカバーした豪華な1枚。この日のライブにはアルバムにも参加している新居昭乃、CoccoBONNIE PINKCharaLOVE PSYCHEDELICO安藤裕子平岡恵子という7組のアーティストがゲスト出演。さらにバンドメンバーには白根賢一(Dr)、名越由貴夫(G)、堀江博久(Key)、奥野真哉(Key)というCurly Giraffeのライブではおなじみの強力布陣が集い、一夜限りの豪華共演をサポートした。

アルバムの内容および出演アーティストの注目度の高さを反映するように、チケットは完売。ハートウォーミングな音楽性とは相反するような熱気が漂う中で、ライブは定刻どおりにスタートした。静かに客電が落ち、白いスーツに身を包んだCurly Giraffeを筆頭に正装したメンバーが姿を現すと、フロアからは歓声とともにため息が漏れる。

Curly Giraffeは「Hello, this is Curly Giraffe. Please enjoy.」と流暢な英語で挨拶をすると、色とりどりのライトを浴びながら1曲目の「Forbidden Fruits」をパフォーマンス。その低くセクシーな歌声とリズミカルなベースプレイ、らつ腕アーティストたちとのアンサンブルで会場をCurly Giraffeの世界へと誘った。

1曲目を演奏し終えたところでCurly Giraffeは「ようこそ。今日はパーティなので、最後まで楽しんでいってください」とホストらしく語り、最初のゲストであるBONNIE PINKを招き入れる。チェックのワンピース姿のBONNIE PINKが軽やかな足取りでステージに登場すると、会場は一気に華やかなムードに包まれた。

BONNIE PINKは「こんばんは。楽しんでください」と挨拶すると、「Thank You For Being A Friend」にも収録されている「Spilt Milk」をCurly Giraffeとデュエット。BONNIE PINKの透明感ある歌声とCurly Giraffeの低音ボーカルの絡み合いが、得も言われぬ幸福感を作り出し観客を酔わせていく。さらに「Run Run Run」では軽やかなタンバリンを響かせ、会場に漂うハッピーなムードに拍車をかけた。

BONNIE PINKが颯爽とステージを去った後は、ライブでは初めて演奏するという「The Queen Of The Night」が披露され、ゆるやかなグルーヴが心地良い空間を作り出す。そのゆったりした雰囲気を引き継ぐようにステージに現れたのは、2人目のゲスト新居昭乃。甘くやわらかな新居の歌声に、Curly Giraffeの優しいコーラスが寄り添い優しい空気が紡ぎ出される。MCでCurly Giraffeが「昭乃ちゃんは声がカワイイよね。ひさしぶりにステージに一緒に上がれてとても光栄です」とコメントすると、新居は少し照れくさそうにしながらその賛辞を受け取っていた。

新居のパフォーマンスが終わると、3番目のゲスト平岡恵子の出番に。アコースティックギターを抱えながらステージに現れた彼女は、情感豊かな声で「You Just Swept Me Off My Feet」を熱唱。曲の終盤ではCurly Giraffeとバンドメンバーたちとのセッションが展開され、平岡を含めそれぞれのプレイヤーとしての表情が露になる瞬間も。分厚い音像が会場を飲み込み、オーディエンスはその音を噛みしめるように聴き入る様子が見られた。

平岡が去った後は、Curly Giraffeが“日本一のバンド”だというバンドメンバーとともに「Sunshine Baby」「ROCKETMAN」の2曲を演奏。スローテンポのナンバーでフロアのテンションを落ち着かせた。4人目のゲスト安藤裕子は、幻想的なムードを醸し出す中でCurly Giraffeと「Fountain Of Youth」をデュエット。儚げな安藤の歌声と太くグルーヴ感のあるCurly Giraffeのコーラスが重なり合い、シリアスな匂いを持つ楽曲を彩っていく。さらにCurly Giraffeがメインボーカルをとり、安藤がコーラスを務める形で「Adolescent Love」が披露され、このイベントでしか実現し得ないコラボレーションで会場を魅せた。

安藤を送り出すとCurly Giraffeは「まだまだ続きますが大丈夫ですか?」と観客を気遣いながらも、「今日はいわゆるメガ盛りライブですよ。今日の組み合わせは二度とないと思います」と会場を静かに煽る。その言葉に導かれるようにCharaが登場。ステージに現れたCharaは開口一番「アルバムは2枚買ってね。1枚は自分に、1枚は大好きな人に」と「Thank You For Being A Friend」をキュートにアピール。ミラーボールのキラキラとした光がフロアに落ちる中、アルバムでもカバーしている「Chaos」を甘くしゃがれた声で熱唱した。「Hana」では、Charaがキーボードで参加するというサプライズ演出も。Chara、堀江、奥野という異色かつ豪華なトリプルキーボードをバックに、Curly Giraffeは心地良い旋律を低めのボーカルでなぞった。

「お腹いっぱいになってませんか? これからですよ。覚悟はいいですか?」という言葉でライブは後半戦に突入。6組目のゲストであるLOVE PSYCHEDELICOは、ゴキゲンなロックチューン「Mood」で会場の空気を加熱させていく。Curly Giraffeがメインボーカルをとった「The Flying Dutchman」にはNAOKI(G)が引き続きギターで参加。終盤ではCurly GiraffeとNAOKIが向かい合いながらスリリングなセッションを繰り広げ、観客の耳と目を釘付けにした。

そしていよいよ最後のゲストの出番に。「My Dear Friend」のイントロがリピートされる中、Curly GiraffeのアナウンスでCoccoがステージに姿を見せる。Coccoはマイクの前に立つと、子供に語りかけるような優しい声で「My Dear Friend」を歌い上げた。1曲目を歌い終えたCoccoは、最近大きなものをなくして途方に暮れかけたときにCurly Giraffeの音楽によって支えられたことをとつとつと語る。「Curly Giraffeの音楽が側にいてくれてうれしいです。ありがとう……」と横にいるCurly Giraffeに感謝の思いを伝えた。

会場が静寂に包まれた瞬間、Coccoがおもむろに「今日誕生日の人いる? 今月は? 今年は?」と矢継ぎ早に観客に質問。手を上げる観客の様子をうかがいつつ、「今日は特別にCurly Giraffeが『Happy Birthday』を歌います!」と宣言する。それを受けたCurly Giraffeは、ベースをつま弾きながら「Happy Birthday」を歌唱。Curly Giraffeの歌が終わるとCoccoは「みんなお誕生日ありがとう。立派な大人になろうや」と口にし、本編ラストの「Tricky Adult」を歌い始めた。曲が進む中で厚みを増す歌声、それに重なり合う少しドライなCurly Giraffeのコーラス。2人が紡ぎ出す絶妙なハーモニーは会場をすっぽりと飲み込み、オーディエンスは体をゆっくりと揺らしながら受け止めていた。そしてCoccoの「Curly Giraffeでした!」という挨拶とともに、本編は終了した。

アンコールでCurly Giraffeはジャケットを脱ぎ、Tシャツ姿のラフな装いで登場。ゲスト満載の本編を無事終え饒舌ぶりが戻ってきたのか「楽屋には(ゲストが)みんな揃ってて、すごい絵面ですよ。『私の靴は?』とかね。Coccoが張り紙で『みんな仲良く』って書いてましたけど(笑)」と楽屋の様子を大暴露。茶目っ気たっぷりのトークで観客を笑わせた。

和やかなトークに続いてアンコール1曲目を飾ったのはリラックスムードたっぷりの「Stand」。やわらかなギターがドリーミーな空気を誘い、ファニーなキーボードと軽やかなマラカスの音色がそれに華を添える。それに続いた「96708」で、会場はさらにリラックスした空気に満たされる。曲の途中では改めてメンバー紹介が行われ、バンドメンバーたちがそれぞれ卓越したパフォーマンスを披露した。

演奏終了後は「楽屋の様子を再現します」というCurly Giraffeのアナウンスで、ゲストアーティストがステージに再登場。抱擁を交わす人、握手をする人。それぞれがCurly Giraffeへの感謝を表現する。最後は全員が一列になって手をつなぎ、観客に向かってお辞儀をひとつ。そのまま一列に並んで退場するというなんとも微笑ましい形で、一夜限りのスペシャルライブはフィナーレを迎えた。

「Curly Giraffe presents "Super Session vol.3/Thank You For Being A Friend"」セットリスト

01. Forbidden Fruits
02. Spilt Milk feat.BONNIE PINK
03. Run Run Run feat.BONNIE PINK
04. The Queen Of The Night
05. Gentle Tree feat. Akino Arai
06. Water On feat. Akino Arai
07. You Just Swept Me Off My Feet feat. Keiko Hiraoka
08. Sunshine Baby
09. ROCKETMAN
10. Fountain Of Youth feat. Yuko Ando
11. Adolescent Love
12.Chaos feat. Chara
13. Hana
14. Mood feat. LOVE PSYCHEDELICO
15. The Flying Dutchman
16. My Dear Friend feat. Cocco
17. Tricky Adult feat. Cocco
EN1. Stand
EN2. 96708

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音楽ナタリー @natalie_mu

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