ギターウルフ新春ライブで時雨、雅、シスジェら熱演

ギターウルフが、1月10日に東京・新木場STUDIO COASTにて最新作「宇宙戦艦ラブ」の発売を記念したライブイベント「新木場ニューイヤージェット ～10代無料ライブ～」を開催した。

ゲストアーティストは事前に公にされず、ネット上でさまざまな憶測が飛び交っていたこのイベント。当日はゲストにSISTER JET、HAPPY BIRTHDAY、雅-MIYAVI-、凛として時雨のほか、公募で選ばれた千葉県の高校生3ピースバンド・赤い猫が登場し、ギターウルフのレコ発ライブを盛大に祝福した。

イベントの幕開けを飾ったのは赤い猫。客席ステージに現れた彼らは、10代ならではのフレッシュなパフォーマンスでオーディエンスを出迎える。合間のMCでは「このステージに立てるなんてすごいことで、正直ビビってます」と緊張した笑顔を見せていた。

定刻の17:00を迎えるとメインステージのカーテンが開き、SISTER JETのライブがスタート。ワタルS（Vo, G）は「『宇宙戦艦ラブ』の出航を記念して、THE BEATLESの曲をやらせていただきます！」と宣言すると「Helter Skelter」をカバー。攻撃的でサイケデリックなアンサンブルをフロアじゅうに響かせた。

「恋してクレイジー」「LaLa Dance」でオーディエンスを踊らせた後、再び口を開いたワタルSは「こんなイベントが10代のときにあったらいいなと思いました」と若いオーディエンスをうらやましそうに見つめる。そして「10代のときにTHE BEATLESの『悲しみはぶっとばせ（You've Got to Hide Your Love Away）』っていう曲と出会ったことがきっかけで前向きにYESと言える自分になれた曲」とエピソードを明かし、10代の時に感じた思いを込めた新曲「SAY YES」を届けた。

メインステージ転換中には、客席ステージでHAPPY BIRTHDAYが乙女心全開のナンバーを連発。オープニングの「K」で切なげな歌声を響かせたかと思えば、「デリケイトゾーン」「PMS」とパンキッシュな側面を露にする。ミラーボールが回る中で演奏された「初恋」では、甘いボーカルとエキセントリックなリズムを絡ませ、バンドの個性をオーディエンスに印象づけた。

その後は、トリのギターウルフまでメインステージでのライブが続く展開に。1人でステージに現れた雅-MIYAVI-は、新曲2曲を織り交ぜたセットリストを用意。サンプリングマシンを駆使し、ギターやボイスパーカッションを重ねながらサウンドを作り上げていく。その鮮やかな手つきや超絶プレイを、観客は食い入るように見つめていた。

合間にはこのイベントならではの特別なセッションも。雅-MIYAVI-は「いつもはドラマのBOBOとロックしてるんですが、今日はスペシャルゲストを。今夜限りのエクスルーシブセッションをやります！」と高らかに宣言し、ピエール中野（Dr/凛として時雨）を呼び込み「WHAT'S MY NAME?」をセッション。まさかのコラボレーションに沸き立つ観客を前に、2人は初めてとは思えない息の合ったプレイを展開。演奏を終えると雅-MIYAVI-とピエール中野は握手と抱擁を交わし、互いの熱演を讃えた。

続いて登場した凛として時雨は、攻撃的なパフォーマンスとセットリストでオーディエンスを圧倒。序盤はTK（Vo, G）のハイトーンボイスが映える「鮮やかな殺人」を皮切りに、ヒステリックなイントロから幕を開ける「想像のSecurity」などライブの定番曲が続く。キラーチューン「DISCO FLIGHT」が投下されると、フロアのボルテージはさらに上昇。ラストの「Telecastic fake show」の演奏中には、続々とダイバーが宙を舞い、前方ではモッシュが巻き起こるなど壮絶な盛り上がりをみせた。

トリを務めたギターウルフは、いつものように序盤からエンジン全開。ステージの幕が上がると、待ちかねたファンは歓声を上げた。セイジ（Vo, G）は「成人の日おめでとう！」と叫び、続けてビールを一気に飲み干すとライブを本格的にスタート。「オオカミ惑星」「ボルテージセパハン」と爆音チューンを次々と繰り出し、フロアをギターウルフ色に染め上げていく。

U.G（B）がメインボーカルを務める「ドーベルマンナイト」に続いては、ファンの威勢の良い掛け声が響く「ファイヤーエイティーン」や、スケール感たっぷりのタイトル曲「宇宙戦艦ラブ」を披露。オーディエンスは拳を突き上げ、もみくちゃになりながら3人のロックンロールチューンを浴び続けた。「ハカタ大作戦」ではセイジが観客の1人をステージに上げ、ツイストの踊り方をレクチャー。ダンサブルなステージで本編を締めくくった。

熱烈な拍手に応え再び登場したメンバーは、このイベントにぴったりな「高校生アクション」でアンコールの幕開けをを飾る。間奏ではセイジが「出てこい高校生！」と男子高校生をステージに呼び込み、叱咤激励しながら人間ピラミッドを建立。そして頂点に立つと「高校生アクション！」と絶叫し、オーディエンスとの一体感を楽しんだ。

「オールナイトでぶっとばせ!!」でギターウルフのパフォーマンスが終了した後もイベントは続き、クロージングDJとして増子直純（怒髪天）がアルコール片手に登場。お気に入りのアニメソングを爆音で流しながら、しばしば茶々を入れたり、観客にコール＆レスポンスを煽ったりと見事な暴走DJでイベントのフィナーレを飾った。

「新木場ニューイヤージェット ～10代無料ライブ～」セットリスト

赤い猫
01. Liberate
02. blue
03. a world view

SISTER JET
01. Helter Skelter
02. 恋してクレイジー
03. LaLa Dance
04. SAY YES
05. MR.LONELY

HAPPY BIRTHDAY
01. K
02. デリケイトゾーン
03. PMS
04. 初恋

雅-MIYAVI-
01. 新曲
02. MOON
03. WHAT'S MY NAME?
04. 新曲

凛として時雨
01. 鮮やかな殺人
02. 想像のSecurity
03. I was music
04. DISCO FLIGHT
05. illusion is mine
06. Telecastic fake show

ギターウルフ
01. オオカミ惑星
02. ボルテージセパハン
03. ドーベルマンナイト
04. ファイヤーエイティーン
05. ナミダバイオレンス
06. 宇宙戦艦ラブ
07. ブラックホールママ
08. フーチークーチスペースマン
09. ハカタ大作戦
＜アンコール＞
10. 高校生アクション
11. オールナイトでぶっとばせ!!

（写真撮影：三島タカユキ / 西槙太一）