「少々ぶっ壊れても大丈夫」VAMPS、暴れまくりのツアー千秋楽

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VAMPSのライブツアー「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」が、11月5日の千葉・幕張イベントホール公演をもってファイナルを迎えた。

HYDE(Vo, G)

HYDE(Vo, G)

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最新アルバム「UNDERWORLD」のレコ発ツアーとして6月に開幕し、海外公演や恒例の野外ライブ「BEAST PARTY」、夏フェス、ハロウィンライブ「HALLOWEEN PARTY 2017」を挟みながら行われた今回のツアー。その千秋楽は、大会場ならではのダイナミックな演出も取り入れつつ、ライブハウス公演などで鍛え上げたバンドサウンドを見せつける濃密な一夜となった。

K.A.Z(G)

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開演時刻の17:06が近付くと場内はの空気は徐々に高揚していく。ステージ後方の幕に「16:66」という数字が映し出されると、待ち焦がれた観客たちは地鳴りのような歓声を上げた。続けてサイレンと共に、ステージに設置された警告灯が一斉に回り始め、メンバーが順番にスタンバイ。最後に現れたHYDE(Vo, G)が「Are you BLOODSUCKERS? Let's go!」と叫び、アルバム「UNDERWORLD」の世界に誘うように表題曲へとなだれ込んだ。荒廃した洋館を投影したスクリーンをバックにHYDEは低く唸るような声でオーディエンスを挑発。K.A.Z(G)はノイジーで刺激的なフレーズを爆音で奏で、HYDEの激しいパフォーマンスを後押しした。「INSIDE OF ME」が始まるとHYDEは拡声器を手に不敵な笑みを浮かべ、K.A.ZとJu-ken(B)はステージ両脇に置かれた廃車の上で楽器を鳴らした。

VAMPS「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」千葉・幕張イベントホール公演の様子。

VAMPS「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」千葉・幕張イベントホール公演の様子。[拡大]

「LIPS」を歌い終えたあとHYDEは「『UNDERWORLD』へようこそ。最後に楽しませてもらうからな。悔いのないようにいこう」と自らに言い聞かせるように力強く口にした。そしてバンドは、JIN(Key)の弾くシンセの音色が不気味な空気を醸し出した「EVIL」、盛大なコール&レスポンスが熱狂的な一体感を生み出した「BREAK FREE」、HYDEが被っていたフードを脱ぎ、頭を振り乱しながら絶唱した「DON’T HOLD BACK」と息つく間もなく曲を畳み掛けていった。

「BLEED FOR ME」をプレイする際にHYDEは軍帽を被り、玉座のような重厚な椅子に座りひと言「Would you bleed for me?」と放つ。その言葉を合図に「BLEED FOR ME」がスタートした。悩ましげな歌声にK.A.Zはヘビーなギターを絡ませ、深い世界へとオーディエンスを誘った。シリアスなサウンドと切なげなHYDEの歌声が溶け合った「IN THIS HELL」を経ての「CALLING」では、青白い炎が立ち上りエモーショナルなナンバーを引き立てる。HYDEは鬼気迫るような声を響かせながら、曲のラストで「Come on!」とシンガロングを巻き起こし、オーディエンスの心を1つにした。

VAMPS「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」千葉・幕張イベントホール公演の様子。

VAMPS「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」千葉・幕張イベントホール公演の様子。[拡大]

後半に差し掛かる前にHYDEは「しばらくこのあとないから。少々ぶっ壊れても大丈夫だからね。一緒に暴れよう」「なんでアリーナがオールスタンディングなのかわかってんのかよ。有効に使おうぜ! 本性見せろ!」とすでに沸騰状態の会場をさらに煽り、オーディエンスに捧げるように「BLOODSUCKERS」を絶唱した。開演時よりダークなムードで満たされていた場内だが、ライブの定番曲「DEVIL SIDE」で始まったブロックで一転。ARIMATSU(Dr)のドラムソロから流れた「AHEAD」では、HYDEの伸びやかなシャウトに合わせてカラフルなカラーテープが舞い、祝祭的な空気が漂った。「B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)」の演奏中には、HYDEがK.A.Zの足元から顔を出し歌うなど、茶目っ気のあるパフォーマンスで観客を和ませる。しかし「MIDNIGHT CELEBRATION」で再びメンバーは攻撃的なモードに。HYDEはアリーナエリアに足を踏み入れると、CO2を観客に吹きかけながら熱唱。K.A.Zは軽やかにステップを踏みつつ、うねるようなギターの音色を奏で本編のクライマックスを彩った。

「SWEET DREAMS」披露中の様子。

「SWEET DREAMS」披露中の様子。[拡大]

インターバルを挟んで現れたメンバーは、深淵な「SIN IN JUSTICE」をプレイ。HYDEはフラッグを付けたマイクスタンドを肩にかけ、ステージを練り歩き、吐息交じりの艶かしい歌声を聴かせた。

最後のMCではまずK.A.Zが口を開き、「みんながいてくれるから、こんなに盛り上がってこれたと思います」とツアーを回顧。また「今年はこれでVAMPSの活動は最後になるんですけど……最後まで暴れてください。ではよいお年を」と早々に年末の挨拶を口にして観客を笑わせた。一方のHYDEは「長いような、短いような感じでした。みんなの顔が見れてうれしいです。今日はすごく楽しかったです」と手短にファンへの感謝の思いを口にした。そして観客にスマートフォンのライトを点けるように促し、K.A.Zが弾くギターの旋律に乗せて「SWEET DREAMS」を歌い始めた。HYDEはステージ前の星空のような景色に目を細め、甘く穏やかな歌声で会場を包み込んだ。

ヘビーなギターリフが炸裂する「RISE UP」で再びオーディエンスの心に火を点けたHYDEとK.A.Zは、ツアーを締めくくるナンバーとして「SEX BLOOD ROCK N'ROLL」を投下。ステージ上のメンバーも、会場のオーディエンスも暴れ狂い、幕張イベントホールが激しく揺れた。この日一番の盛り上がりの中で曲が終わると、HYDEとK.A.Zはステージ上で自撮りをしたり、ステージを歩き回ったりしてオーディエンスとの別れを惜しむ。HYDEが去り際に言い放ったのは、おなじみの「また会おう! 首洗って待ってろ!」というセリフ。いつものようにファンとの再会を約束する言葉で、約5カ月におよんだツアーは閉幕した。

なおVAMPSは12月6日に、「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」より大阪・Zepp Osaka Bayside公演の模様を収めたライブBlu-ray / DVDをリリースする。

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VAMPS「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」2017年11月5日 幕張イベントホール セットリスト

01. UNDERWORLD
02. INSIDE OF ME
03. LIPS
04. EVIL
05. BREAK FREE
06. DON'T HOLD BACK
07. BLEED FOR ME
08. IN THIS HELL
09. CALLING
10. BLOODSUCKERS
11. DEVIL SIDE
12. RISE OR DIE
13. AHEAD
14. B.Y.O.B. (BRING YOUR OWN BLOOD)
15. MIDNIGHT CELEBRATION
16. SIN IN JUSTICE
17. SWEET DREAMS
18. RISE UP
19. SEX BLOOD ROCK N'ROLL

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撮影:岡田貴之、田中和子

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