アロハにJK！NICO Touches the Walls個性さく裂の4部制ライブ

NICO Touches the Wallsが、9月3日に東京・代官山UNITにて「UZU-TO-UZU-TO-UZU-TO-UZU」と題したライブイベントを開催した。

9月2日にリリースされたニューシングル「渦と渦」の購入者を対象に実施されたこのイベントは、メンバーが個々にプロデュースする企画ライブを計4回にわたって実施。昨年2月に行われた日替わりでメンバーがプロデュースを手がけるライブシリーズ「カベ ニ ミミ」の復活版とも言える内容となり、それぞれのこだわりと個性が発揮された1日となった。

15:00に開演した1stステージは、フロントマンである光村龍哉（Vo, G）がプロデュースする「僕だけまだ29だから」。影アナも光村本人が担当し、集まった観客を喜ばせる。4人は白シャツにジーンズというさわやかな格好で登場すると、「UZU-TO-UZU-TO-UZU-TO-UZU」のオープニングナンバーとして新曲「渦と渦」を爆音でプレイ。アグレッシブな演奏でイベントの幕開けを飾るが、一転して2曲目の「芽」ではしっとりした空気をフロアに紡ぎ出した。また光村はMCでは間もなく30歳を迎える心境と、音楽に対する思いを吐露。「（年齢を重ねる中で）みんなと音楽を通してコミュニケーションをとるために音楽を作りたいと思うようになった」「30代になっても音楽を通して楽しいコミュニケーションをいっぱい取れたらいいなと思います」と述べ、「今だから届けたい曲」として「Heim」と「僕は30になるけれど」の2曲を丁寧に披露した。

2ndステージは古村大介（G）プロデュースの「まだまだくたばれない夏」。ハワイアンのSEに乗せてアロハシャツを着たサングラス姿の4人が現れると、オーディエンスは大笑い。このステージではそのファッションにあわせるように、カリビアンな雰囲気を取り入れた「まっすぐなうた」や「夏の大三角形」のアコースティックバージョンが披露された。なお古村は、ライブの中盤で慣れないMCをカンペ頼りになんとかやり遂げ「俺のキャパシティで伝えられるのはここまで！」と開き直り、メンバーや観客を笑わせていた。

「先生！ラーメンはおやつに入りますか？」と銘打たれた3rdステージのプロデュースは坂倉心悟（B）が担当。彼は新曲「渦と渦」から勢いよくライブをスタートさせた。坂倉は「渦と渦」が、アニメ「アルスラーン戦記」のオープニングテーマとしてオンエアされていることやアニメの原作が敬愛する荒川弘によるコミカライズ作品であることを喜び、荒川作品の1つでもあった「鋼の錬金術師」のアニメ版のオープニングテーマとして提供した「ホログラム」へとつなげた。ラストは、観客の前では初披露となる矢野顕子「ラーメンたべたい」のカバー。スカのリズムにあわせてフロアが揺れ、ラストではメンバー4人の雄々しいコーラスが響く。そして陽気なムードの中で3rdステージは終了した。

イベントの最後の公演となったのは、「THE しょうたろう子 SHOW」なるタイトルが付けられた対馬祥太郎（Dr）のステージ。暗転と同時にコンチータの楽曲に乗せて、恭しく幕を持った光村、坂倉、古村が登場しフロアをざわつかせる。ステージに熱い視線が集まる中で現れたのは、金髪に黒ブチめがね、白いハイソックスにプリーツスカートを着た対馬扮する女子高校生“しょうたろう子”。かつてスペースシャワーTV番組「爆裂★エレキングダム!!」で話題を呼んだキャラクターの登場に、会場は大爆笑となった。彼がこのステージで披露したのは「紅い爪」「いいこになっちゃいけないの」という女性言葉で綴られた歌詞が魅力のナンバー。対馬は「今日は来てくれてありがとうね。素敵な日にしましょう」と艶っぽく語り、会場を酔わせていく。

「UZU-TO-UZU-TO-UZU-TO-UZU」を締めくくったのは「渦と渦」。光村の「城ホール、武道館で待ってます！ 30代のNICO Touches the Wallsとも末長く楽しく遊んでやってくれたらうれしいです。夏はもう終わりかけって感じですけど、この曲とともに年末年始まで、俺らと一緒にくたばらずにいられたらうれしいです！」というシャウトに続き、4人の全身全霊のプレイがフロアに熱狂の渦を作り出す。そして熱気がフロアに充満する中、1日4ステージ制というキャリア初のイベントを無事完遂した。