X JAPAN 4年ぶり国内単独「7人で飛び立つ」

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X JAPANが2010年の神奈川・日産スタジアム公演以来4年ぶりとなる国内ワンマンライブを、9月30日と10月1日に神奈川・横浜アリーナで開催した。

X JAPANとは?

1982年にYOSHIKI(Dr, Piano)とToshl(Vo)を中心に結成される。インディーズで絶大な人気を誇り、1989年にアルバム「BLUE BLOOD」でメジャーシーンに進出する。派手なメイクと衣装に代表される独特のスタイルが大きく注目される一方で、ハイクオリティなヘヴィメタルサウンドと確かな演奏力が高評価を獲得。攻撃的なメタルナンバーとドラマチックなバラードの双方に定評があり、ヴィジュアル系バンドの先駆者的存在としても認知されている。人気絶頂の1997年、ToshIの脱退宣言を機に解散。再結成が熱望されるも翌1998年にHIDEが急逝し復活は絶望視される。しかし2007年10月に突然活動再開を宣言し、復活第1弾となった新曲「I.V.」はハリウッド映画「SAW4」のメインテーマソングに採用された。2008年3月には復活の東京ドームライブを3日間にわたり開催。2009年5月にはSUGIZO(G)が新メンバーとして正式加入した。2010年8月には米の大型ロックフェス「ロラパルーザ」に出演し初の全米ツアーを行ったほか、日産スタジアムでの2DAYSライブも開催。2011年にはヨーロッパ、日本、南米、アジアを回るワールドツアーを、2014年10月にはアメリカ・ニューヨークのMadison Square Gardenでのワンマンライブを成功に収めた。2015年には宮城・石巻 BLUE RESISTANCEで東日本大震災の復興支援チャリティライブを行い、2800万円を超える寄付金を集めた。2017年3月にイギリス・The SSE Arena, Wembley公演を開催し、それと同時にドキュメンタリー映画「We Are X」を公開。5月にYOSHIKIが人工椎間板置換手術を受けたため、7月の日本国内ツアーを急遽アコースティック編成で行った。2018年9月に千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールでワンマンライブ「X JAPAN Live 日本公演 2018~紅に染まった夜~ Makuhari Messe 3Days」を開催。3日目公演では台風の影響により“無観客ライブ”を敢行し、世界に向けてその模様を生中継した。

写真は9月30日の横浜アリーナ公演の様子。

写真は9月30日の横浜アリーナ公演の様子。

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10月11日にアメリカ・ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで予定されているライブの前哨戦と位置付けられたこの公演。2日目である10月1日の会場の様子は、全国の映画館でライブビューイングが実施され、さらにWOWOWプライムでも生中継された。この記事ではその2日目の様子をレポートする。

写真は9月30日の横浜アリーナ公演の様子。

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開演を待ちわびるファンの「We are X!」というコールが会場のあちこちでこだまする中、聖歌を思わせる荘厳で神秘的なインスト「MIRACLE」が流れだし、ステージにYOSHIKI(Dr, Piano)が登場。耳をつんざくような大歓声に迎えられてさらにX JAPANのメンバーが次々登場し、1曲目「JADE」でニューヨーク公演前哨戦の火蓋は切って落とされた。ドラムセット後方からは大量の火花が吹き上がり、メンバーと観客は早くもヒートアップ。「会いたかったぜ日本!」というToshl(Vo)のシャウトに会場が沸いた。

その後も彼らは「Rusty Nail」「Silent Jealousy」とキラーチューンを連発。Toshlが客席にマイクを向けるたびに大合唱が沸き起こる。この日はそのほか、S.K.I.N.でも演奏されたSUGIZO(G, Violin)作曲の「Beneath the Skin」や、インダストリアル風の打ち込みをバックにToshl、PATA(G)、HEATH(B)が3人でパフォーマンスするHIDE作曲の「DRAIN」なども披露。8月に新宿駅前で突然PV撮影が行われて話題になった新曲「HERO」を演奏する前には、ステージ上のスクリーンに歌詞を出して、YOSHIKIのピアノに合わせてToshlが観客に歌を教える一幕もあった。

写真は9月30日の横浜アリーナ公演の様子。

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最初のアンコールではYOSHIKIが客席にバラの花を投げながら登場。ピアノの椅子に座った彼は祈るように両手を組み、そっとピアノを奏で始めた。「白鳥の湖」をベースにした美しくも力強いピアノソロで観客を魅了したのち、彼はドラムセットに移動して、激情を叩きつけるような怒涛のドラムプレイを繰り広げる。YOSHIKIがドラムを叩くと、入場時に観客に配布されたザイロバンドが点滅。高速で渦巻く打撃音とともに、カラフルな光が会場を包んでいく。

「Forever Love」では在りし日のHIDE(G)とTAIJI(B)の思い出を振り返るように、彼らの姿をとらえたスナップ写真や映像がステージ上のスクリーンに流れ、会場からは2人の名を呼ぶ悲鳴にも似た声が。「I.V.」ではドラムをToshlに任せてマイクを受け取ったYOSHIKIが、上半身裸でふらつきながら花道を歩き、叫びすぎて完全に枯れていた声を精一杯張り上げながら「We are X!」とコール&レスポンスを行った。50分にも及んだ最初のアンコールのラストは「X」。満員の観客が一斉にXジャンプをし、ライブの盛り上がりは最高潮を迎えた。曲中でToshlはメンバー紹介をし、HEATH、PATA、SUGIZO、YOSHIKIの名前を叫んだあとに「オン ベース TAIJI!」「オン ギター HIDE!」と亡くなった2人のメンバーの名を絶叫した。

写真は9月30日の横浜アリーナ公演の様子。

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2度目のアンコールではYOSHIKIとToshlが「仲良しこよしの時間」と言って、2人きりでステージ上の階段に座ってトーク。バンド復活後に世界各国を巡ったライブを振り返ったあとで、YOSHIKIが「東京ドームでやりたいね。ファンのみんなで署名運動やってよ」と話すと、会場からは歓喜の声が上がった。さらにYOSHIKIは涙で声をつまらせながら「俺たちの翼はボロボロで傷だらけだけど、みんながこうやって応援してくれる限り前に進みます」と感謝の言葉を述べ、「僕らX JAPANはマディソンスクエアガーデンに向かって飛び立ちます。Toshlも、PATAも、HEATHも、SUGIZOも、HIDEも、TAIJIも、世界に向けてがんばります」と宣言。アリーナを感動が包む中で「ENDLESS RAIN」がスタートし、Toshlとともに歌うファンの声が会場中に響き渡った。そしてラストに演奏されたのは、SUGIZOのバイオリンソロからスタートした大作ナンバー「ART OF LIFE」。演奏を終えた5人はステージ上で観客を背にして記念撮影をし、3時間を超えるワンマンライブに幕を下ろした。

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X JAPANワンマンライブ 2014年10月1日(水)神奈川県 横浜アリーナ セットリスト

01. Miracle(INTRO)
02. JADE
03. Rusty Nail
04. Silent Jealousy
05. Beneath the Skin
06. PATA+HEATH SOLO
07. DRAIN
08. SUGIZO VIOLIN SOLO
09. 紅
10. HERO
11. Born To Be Free

<アンコール>
12. YOSHIKI PIANO SOLO
13. YOSHIKI DRUM SOLO
14. Forever Love
15. I.V.
16. X

<ダブルアンコール>
17. ENDLESS RAIN
18. ART OF LIFE(PIANO)
19. ART OF LIFE(BAND)

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齋藤 @saito_d

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