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ポルノ、快晴のハマスタで3万人と15周年祝福

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ポルノグラフィティ「神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~」の様子。

ポルノグラフィティ「神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~」の様子。

9月20日と21日、ポルノグラフィティがライブ「神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~」を神奈川・横浜スタジアムで開催した。

「神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~」は、今年2014年にポルノグラフィティがメジャーデビュー15周年、岡野昭仁(Vo)、新藤晴一(G)がそれぞれ40歳、“不惑”の年を迎えることを記念して行われたもの。9月13日には兵庫・ほっともっとフィールド神戸で同名の公演を実施しており、横浜公演はその第2弾となる。ここでは横浜2公演のうち21日公演の模様をレポートする。

前日のぐずついた空模様とは打って変わって、晴天に恵まれたこの日の横浜スタジアムに集まったファンは総勢3万人。定刻を少し回った頃、その3万人をまず出迎えたのは、晴一作話・作画のアニメーション映像「まどわずのもり」だ。その物語は、20年前、音楽の道を志した2人の若者が、心に迷いを抱えた者を永久に閉じ込める“まどわずのもり”から抜け出せなくなったというもの。この映像がバックスクリーン側メインステージ脇の巨大ディスプレイに映し出される中、サポートミュージシャンがステージに。続けて昭仁と晴一がステージにせり上がるや火薬が炸裂し、スモークが吹き上がるステージでオープニングナンバー「アポロ」をドロップ。勢いそのままに「今宵、月が見えずとも」「リンク」とタフな楽曲群でライブ序盤を構成していく。

これに3万人が大歓声とハンドクラップで応えると、その光景を目にした昭仁は「こりゃ気持ちええわ」と満面の笑み。また晴一が「ツアー最終日、どう考えてもやるしかないんじゃないでしょうか?」「やるしかない夜のことを専門用語で“やるっきゃナイト”と言います」と「やるっきゃ!」「ナイト!」のコール&レスポンスを要求するなど、2人は15周年記念ライブにふさわしい多幸感あふれる空気を作り上げていた。

以降2人はその雰囲気のまま、グルーヴィなステージを展開。サックス、トロンボーン、2本のトランペットからなる、その名も「惑ワ不ノホーン」を迎え入れ、セカンドラインのリズムが印象的な「グッバイサマー」や、メロウなソウルチューン「ラビュー・ラビュー」などを連投。さらには、まさに宵闇迫る頃「黄昏ロマンス」を披露して、ファンをときには踊らせ、ときには魅了してみせた。

続くMCで昭仁は、2008年に同地、横浜スタジアムでライブを行った際、豪雨に見舞われた上マイクトラブルまでもが発生したことに言及。しかし空に稲光が走るも席をあとにすることなく、またマイクトラブル時には代わりに大合唱してくれたあの日のハマスタのファンを観て「俺たち大丈夫じゃん」と感じたという。そして「今日の皆さんの気合いのほども聴いてみようかなと思うんじゃけど」と、ステージ下手に用意されたゴンドラ“惑ワ不ノ森カー”でスタジアム3塁側へと繰り出し、もう1台の“惑ワ不ノ森カー”で1塁側を走る晴一とともに四つ打ちのリズムに乗せて、3万人と「Everybody say!」「Fu! Fu!」とコール&レスポンス。バックネット正面のセンターステージへと辿り着くと「ポルノグラフィティとみんなの15年をセレブレーション!」と「俺たちのセレブレーション」をまたもド派手に投下した。

その後“惑ワ不ノ森カー”でメインステージに舞い戻った2人は、ライブが後半戦を迎えたことを告げるかのように「PRISON MANSION」のエンディングと同時にスタジアムのナイター照明をすべて消灯。妖しげなライトと、ファイヤーダンスチーム・かぐづちの面々の手にした炎の光のみが照らすステージで「アゲハ蝶」のトライバルなリズムを響かせると、「独りよがりの愛情は君に届かず彷徨った」と歌う「ROLL」や、晴一による長尺のギターインプロビゼーションで魅せる「デッサン#1」を続け、幻想的なムードを演出してみせる。

しかし、ライブ最終盤にはまたも一転。「デッサン#1」がバンドの最初期のナンバーであることに触れた晴一が「ポルノグラフィティの歴史を、今までのことを思い出してもらう意味でダイジェスト版を」と語り、「NaNaNa サマーガール」から「PRIME」まで陽性なナンバーをメドレー形式で7連発し、その後も昭仁の「ワシと一緒に歌ってもうひと山作ろうぜ!」のシャウトの通り「ワンモアタイム」「ミュージック・アワー」「ハネウマライダー」とアッパーチューンを連射する。「ミュージック・アワー」のサビではステージの2人と客席の3万人が、昭仁曰く「変な踊り」を繰り広げ、「ハネウマライダー」ではともにタオルを振り回し、ハマスタのボルテージをこの日何度目かのピークへと押し上げた。ライブ本編のラストナンバーは「青春花道」だ。ディスプレイに“まどわずのもり”を駆け抜けた子供がハマスタの客席に辿り着くアニメーション映像が流れると、昭仁はその客席を指さし「惑ワ不ノ森を抜けた先にいたのは君なんだ!」と連呼。客席目がけて発射された無数の銀テープが舞い散る中、この曲をプレイした2人は大歓声を背にステージをあとにした。

直後に巻き起こったアンコールに応えた昭仁と晴一は、バンドとともに11月リリースの新曲「ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~」を初披露。今年9月発表のシングル「俺たちのセレブレーション」が15周年を記念した“見んさい”をコンセプトにした楽曲だとするならば、この曲は来たる16年目のスタートを飾る“聞きんさい”な1曲だとする昭仁の言葉の通り、2人とバンドは“聴かせる”メロウなメロディをスタジアムいっぱいに響かせた。

そして2人は「宴を続けようか!」「リミットを外してまさしく“Mugen”といこうよ!」と「Mugen」を、さらにはまたも“惑ワ不ノ森カー”に乗り込みセンターステージを目指しながら「ジレンマ」を連発してアンコールのステージを駆け抜ける。アンコール最後の1曲「ジレンマ」ではメインステージのサポートメンバーとセンターステージの晴一がそれぞれソロを回し合い、何十発もの花火が打ち上がるド派手な演出がなされる。また昭仁は「あんたらあんたらあんたら最高よ!」「最高じゃけえ、自信持っていけ! がんばっていけ!」とあらん限りの声でシャウト。これに応えたオーディエンスがメンバーにはサプライズで、メインステージ脇のディスプレイに表示された「15周年おめでとう!」のメッセージを高らかに読み上げると、2人はバックネット裏のファンとアリーナのファンに向かって、オフマイクのまま「これからもよろしくお願いします!」「君たちのことが大好きだ」と感謝の気持ちを表した。その後、自らの足でメインステージまで走って戻り、3万人のウェーブ2連発を煽ったのち、ガッチリ握手を交わして15周年記念ライブを締めくくった。

ポルノグラフィティ「神戸・横浜ロマンスポルノ'14 ~惑ワ不ノ森~」
2014年9月21日(日)神奈川県 横浜スタジアム セットリスト

01. アポロ
02. 今宵、月が見えずとも
03. リンク
04. Please say yes, yes, yes
05. ダリア
06. 痛い立ち位置
07. グッバイサマー
08. ラビュー・ラビュー
09. 黄昏ロマンス
10. 俺たちのセレブレーション
11. PRISON MANSION
12. アゲハ蝶
13. ROLL
14. デッサン#1
15. NaNaNa サマーガール ~ Sheep~Song of teenage love soldier~ ~ この胸を、愛を射よ ~ サウダージ ~ メリッサ ~ Jazz up ~ PRIME
16. ワンモアタイム
17. ミュージック・アワー
18. ハネウマライダー
19. 青春花道
<アンコール>
20. ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~
21. Mugen
22. ジレンマ

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