「サムシング・ロッテン!」は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲やミュージカル作品へのオマージュが随所にちりばめられたコメディミュージカル。本作は2015年にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイで初演された。2018年には
楽曲披露取材会では、4つのナンバーが披露された。まずは、ノストラダムスが“次のブームはミュージカル”と宣言することから始まるナンバー「ミュージカル」。ここでは「RENT」「アニー」「ムーラン・ルージュ」など多岐にわたるミュージカルの印象的なシーンを、石川とアンサンブルキャストが次々に再現して場を盛り上げる。続く「ボトムがトップに立つ」は、ニックが自分の明るい将来を確信する曲。中川を筆頭に、カンパニー全員が軽やかにタップを繰り広げた。互いに惹かれ合うナイジェルとポーシャ、そしてポーシャの厳格な父親を巡る「希望がみえた」では、ゴスペル調のメロディに乗せて、大東と矢吹が息のあった歌の掛け合いとペアダンスを披露。最後は、シェイクスピアがロックスターさながらに歌い上げる「ウィルパワー」。加藤は高い台の上に現れ、彼を囲むアンサンブルたちと熱いコールアンドレスポンスを繰り広げた。
その後、囲み取材が行われた。初演にも出演した中川は「初演は7年前でしたが、それ以来、福田さんにお会いするたびに『またサムシング・ロッテン!をやりたいです』と言っていたので、ようやく動き始めたなという気持ち」と喜びを語る。初参加の加藤は、一言目から「ご覧いただいた通り完璧です」と自信たっぷりにコメントし、その場を笑いで包む。しかし中川には「言っておきながら照れるのはやめてください」とツッコまれ、仲の良さを見せつけていた。石川は「楽しくて素敵なナンバーがそろっている」と本作の魅力をアピールし、「『ミュージカル』というナンバーを耳で聞いたときは涙腺が緩むくらい感動的だと思いましたが、実際に自分でやってみたら死にそうになるくらい大変でした(笑)」と、観客視点と演者視点では大きなギャップがあったことも明かした。
大東と矢吹には記者から「本作の好きなキャラクターは?」という質問が投げかけられたが、福田が「アンサンブルキャストでもいいんですよ」と2人にささやく。大東は「(ボーカルキャプテンも兼任するキャストの)横山達夫さん! いつも優しく話してくださる」と信頼を寄せ、矢吹は「(ポーシャの)お父さん。アドリブがいつも面白い」とキャストの岡田誠を紹介した。また福田は、大東と矢吹それぞれのことを10年以上前から知っていると語り出し、「リッキー(大東)は、ミュージカル『ピーターパン』で(本作の翻訳・訳詞を担当している自身の息子である福田)響志が演じたジョンの弟マイケル役だった。今回会うときにどんなふうに成長したのかなと期待していたら、当時のまますごくかわいい! アッキー(中川)やあさこさん(瀬奈)も親目線で見つめているよね」と話す。矢吹については「以前、(HKT48劇場支配人だった頃の)指原莉乃から、毎日のように『奈子を使ってください』という売り込みの連絡を受けていたので、実はずっと活動は追っていて。12年越しに一緒に仕事をすることができました」と裏話を披露した。
最後に観客へのメッセージを求められた中川は、「1年の締めくくりにはやっぱり笑いが必要ではないでしょうか。初演をご覧になった方も今回初めてご覧になる方も、ミュージカルを知っている人も知らない人も、すべての人が『なんだろうこの世界!?』と、どんどん引き込まれていく作品です。福田さんのマジックにかかりに来てください。お待ちしております!」と綺麗に締めた。と思いきや、中川は突然「せーの!」と声を張り、1人で手を広げてポーズ。事前打ち合わせなしの掛け声に、ほかのメンバーは「何!?」「何の“せーの”かわからない!」と混乱しつつ爆笑。中川の自由人っぷりに、福田も思わず「普段のアッキーだったらこんなことやらないんじゃない? 『フランケンシュタイン』のときもやってた?」と加藤に質問。すると加藤は「たまにやっていました」と冷静に肯定し、さらなる笑いを呼んでいた。
本作は12月19日から来年1月2日まで東京・東京国際フォーラム ホールC、8日から12日まで大阪・オリックス劇場で上演される。
ミュージカル「サムシング・ロッテン!」
開催日程・会場
2025年12月19日(金)〜2026年1月2日(金)
東京都 東京国際フォーラム ホールC
2026年1月8日(木)〜12日(月・祝)
大阪府 オリックス劇場
スタッフ
作詞・作曲:ウェイン・カークパトリック / ケイリー・カークパトリック
脚本:ケイリー・カークパトリック / ジョン・オファレル
演出:
翻訳・訳詞:
出演
スウィング
小林良輔 / 七理ひなの
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