チェルフィッチュ×藤倉大「リビングルームのメタモルフォーシス」神戸で開幕

チェルフィッチュ×藤倉大 with 神戸市室内管弦楽団アンサンブル「リビングルームのメタモルフォーシス」が、本日2月1日に兵庫・神戸文化ホール 中ホールで開幕した。

「リビングルームのメタモルフォーシス」は、ウィーン芸術週間の委嘱を受け、昨年5月にオーストリア・ウィーンのHalle G im MuseumsQuartierで初演された音楽劇。賃貸契約の一方的な破棄により、住む家を追い出されそうになる家族の物語から、人智の及ばない強大な力がその問題自体を舞台上から消すという劇世界が展開する。

神戸文化ホール 開館50周年記念事業の一環として行われる今公演では、神戸文化ホールを拠点に活動するオーケストラ、神戸市室内管弦楽団のメンバー7名からなるアンサンブルが出演するほか、青柳いづみ、朝倉千恵子、石倉来輝、川崎麻里子、矢澤誠、渡邊まな実が登場する。

開幕に際し、作・演出の岡田利規は「神戸文化ホールの空間がこの作品に驚くほどフィットしていて、感激しています。俳優の演技が一昨年のウィーンでの初演以降のここまでの上演の積み重ねによって実にたくましいものに、明確なものに、そして、説明的とか記号的というのとは全く違う仕方でわかりやすいものに、変化しています。神戸市室内管弦楽団のアンサンブルのみなさんの演奏が、一昨年の初演のクラングフォルム・ウィーンのそれとも去年の東京でのアンサンブル・ノマドのそれとも違う独特の質感で演劇と、溶け合っているとも並行関係を保っているともどちらとも言えるような独特の仕方で共存しています。その姿をみて、自分が『リビングルームのメタモルフォーシス』という作品でやりたかったことはこれだったんだ、とおもいました」とコメント。

また神戸市室内管弦楽団の首席コンサートマスター・高木和弘は「この舞台を作られた時の着眼点がとても興味深いです。一つのリビングルームに登場する人物の様々な思い、それを表現する言葉の一つ一つが持つ特異な感情が音楽と相まって鮮烈に表現されていく様を、ご来場くださるお客様の心に刻まれていくことを願ってやみません」と語った。

公演は明日2月2日まで行われる。