本作は、雲田はるこのマンガ「昭和元禄落語心中」(講談社)を、小池修一郎の脚本・演出、小澤時史の作曲・音楽監督でミュージカル化するもの。山崎、明日海、古川は本作で初共演となり、作中では戦前から平成に至る落語界で、芸に打ち込む者たちの業や愛憎、因縁が浮き彫りにされる。
制作発表ではステージ上に高座が設られた。3人が高座に上がると、山崎が自身のあいさつ終わりに、予定になかった落語を一席披露し、「皆さんに楽しんでいただきたい」と作品にかける思いを伝える。続く2人も山崎に促される形で、明日海は日本舞踊、古川は落語「死神」の一部をアドリブで見せ、会場を湧かせた。
山崎は、自身のミュージカルデビュー作でオリジナルミュージカルの創作に触れたこと、二十代の頃に韓国発ミュージカル「サ・ビ・タ」で“自分たちの作品を世界に発信する”現場の思いに衝撃を受けたことを語り、「いつか自分がオリジナルミュージカルを作りたいと思ったときに、人が集まってくれるよう、自分を高めていくんだという意識でこれまでやってきました」と明かした。
「昭和元禄落語心中」はマンガ、テレビドラマ、アニメで展開されてきたが、山崎は7年前にNHKで放送されたテレビドラマ版に出演。「つらい思い出のほうが多いのですが、『レ・ミゼラブル』のように、“作品が自分をその役にしてくれる”感覚になれる作品だった」と振り返り、落語と歌の共通点を「音楽が流れて歌い出すと、 細い糸がつながるかのように感情が途切れない。落語も、一度しゃべり始めたら声が大きくなったり、早口になったりと、歌っているときと感覚が同じ」と説明し、稽古場での作品の仕上がりに自信をのぞかせた。
それぞれの役について質問されると、天才落語家・初太郎(助六)を演じる山崎は「これまで出会った役の中で一番、本来の自分に近い役。前向きで、観客のために落語をし、時代と共に変化しなければならないという意識があって、助六の言葉に救われます。パワフルに泥臭く、演じたい。ただ、僕は不潔ではないです」と言うと、会場から笑いが起きた。
明日海は助六と、古川扮する八雲の2人を支える芸者・みよ吉を演じる。「みよ吉はかわいらしい面や一途な面がある、腹が据わった女性です。ただし、女の“もろい部分”が味になっています。今回の舞台版では、みよ吉が辰巳芸者風情と言いますか、きっぷがいい女性として描かれています。2幕で3人の関係性が動いていくときにどう演じるか、試行錯誤をしているところです」と明かした。
古川は「いっくん(山崎)から新しいものを作りたいと聞いていたので、やっと実現するんだなという思いです」とコメントし、自身演じる菊比古(八雲)について、「葛藤しながら落語に魅了されていく人。まじめでプライドが高いのですが、彼独特の色気を助六に気付いてもらい、みよ吉と恋愛する中で、自分にしかできない落語を見つけていきます。周りの人に動かされ、影響を受けて落語を背負っていく人物なので、皆様のお力をお借りして演じられたら」と語った。
公演は東京・東急シアターオーブで2月28日から3月22日まで、大阪・フェスティバルホールで29日から4月7日まで、福岡・福岡市民ホール 大ホールで4月14日から23日まで行われる。東京・大阪公演のチケットは販売中。福岡公演のチケット一般販売は3月1日10:00に開始される。
ミュージカル「昭和元禄落語心中」
2025年2月28日(金)〜3月22日(土)
東京都 東急シアターオーブ
2025年3月29日(土)〜4月7日(月)
大阪府 フェスティバルホール
2025年4月14日(月)〜23日(水)
福岡県 福岡市民ホール
スタッフ
原作:雲田はるこ「昭和元禄落語心中」(講談社「BE・LOVE」)
脚本・演出:小池修一郎
企画:
作曲・音楽監督:小澤時史
出演
山崎育三郎 /
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山崎育三郎「“いつか”のために自分を高める」思いが結実、ミュージカル「昭和元禄落語心中」制作会見 https://t.co/ULFej4nbFV