30周年の彩の国さいたま芸術劇場よりカンパニー・グランデほか新企画が始動

2

44

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 9 13
  • 22 シェア

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」が本日3月19日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて開催された。

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より。(撮影:宮川舞子)

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より。(撮影:宮川舞子)

大きなサイズで見る(全5件)

彩の国さいたま芸術劇場は、約1年半にわたる大規模改修を終えて、3月1日にリニューアルオープンした。また10月に30周年を迎えることもあり、会見では2024年度のラインナップが、「新シアターグループ〈カンパニー・グランデ〉始動!」「“新”シェイクスピア・シリーズ」「世界の最前線をさいたまで」「幅広い世代に向けたプログラム」「次世代の表現者を育てる」という5つのポイントで紹介された。

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)[拡大]

新シアターグループの構想は、2022年に近藤良平が芸術監督に就任時から掲げていた構想の1つで、年齢や住んでいる地域、バックグラウンドが異なる人たちなどを100人規模で集める予定の表現集団。メンバー募集に関する詳細は、4月下旬に発表される。

吉田鋼太郎がシリーズ芸術監督を務める「“新”シェイクスピア・シリーズ」は、5月に開幕する「ハムレット」を「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」の皮切りに、シェイクスピア作品に新たな息を吹き込む。

ダンス、音楽における「世界の最前線をさいたまで」を意識したプログラムでは、クリスチャン・リゾーとラシッド・ウランダンという2人の振付家の代表作を招聘。音楽では巨匠サー・アンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタルと、バイオリニスト・パトリツィア・コパチンスカヤの公演が予定されている。

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)[拡大]

「幅広い世代に向けたプログラム」を象徴するのは、吉田演出「夏の夜の夢」。本公演では高校生を中心とした若い観客から大人までが楽しめるような作品作りを目指す。またノゾエ征爾脚色・演出で、下田昌克の絵本「死んだかいぞく」を舞台化するほか、近藤がプロデュースするオープンシアター「ダンスのある星に生まれて」が30周年特別バージョンとして上演される。

「次世代の表現者を育てる」取り組みとしては、近藤が発案するダンスの育成企画「ダンス・リダイレクション」が始動。思考力や多様なアプローチを担い、ダンスの新たな方向性を探ることを目指すもので、初年度はヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲がメイン講師を務める。音楽では若手アーティストが異なる2つのスタイルでプログラムを組む「エトワール・シリーズ プラス」、作曲家・坂東祐大と新しい音楽をつくるプログラムが展開する。さらに若手から中堅アーティストを対象とした「彩芸ブロッサム」も構想であることが明かされた。

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、近藤良平。(撮影:宮川舞子)[拡大]

カンパニー・グランデについて近藤は「芸術監督就任以来、“クロッシング”を掲げてきましたが、新シアターグループもまさにクロッシングするための企画です。ここから新しい劇場の使い方、楽しみ方ができると思うので楽しみにしています」と期待を述べ、「いろいろな人を受け入れられる場所を作ろうと思っているので、できるだけ選抜せず、大風呂敷を広げて募集したい。その中で、例えば『今回はこのメンバーで作ってみようか』『今回はこういうことをやってみようか』と考えていきたい。その結果、もしかしたらバレエ寄りの作品になるかもしれないし、セリフ劇になるかもしれないし……さまざまな舞台表現をカンパニー・グランデという枠から作っていきたいと思います」と意気込みを述べた。

またリニューアル工事を終えて3月1日に再オープンしたことについて「リニューアルオープンして、見えるところだけでなく見えないところも機能が動き出し、やっと通常運転し始めたなと。コロナ禍がありましたので、長く制限下の中で活動していましたが、それがひとつ取れた形で30周年を迎えることができるのではないかと思っています」と笑顔を見せた。

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、彩の国さいたま芸術劇場オリジナルグッズ第1弾の「席番プレートキーホルダー」と「舞台床材コースター」を手にする近藤良平。(撮影:宮川舞子)

「彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ発表会見」より、彩の国さいたま芸術劇場オリジナルグッズ第1弾の「席番プレートキーホルダー」と「舞台床材コースター」を手にする近藤良平。(撮影:宮川舞子)[拡大]

なお彩の国さいたま芸術劇場開館30周年を記念し、彩の国さいたま芸術劇場オリジナルグッズ第1弾として、大ホールの客席の席番プレートを革製のキーホルダーにした「席番プレートキーホルダー」、大ホールの舞台床をリメイクした「舞台床材コースター」が販売されることも決定。こちらは4月1日12:00から17日17:00まで、彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念特設サイトにて抽選にて申込が受け付けられる。

この記事の画像(全5件)

彩の国さいたま芸術劇場・埼玉会館 2024年度ラインナップ

彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1「ハムレット」

2024年5月7日(火)~26日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

エトワール・シリーズ プラス「佐藤晴真(チェロ) Part.1 無伴奏チェロ・リサイタル」

2024年5月25日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

コンドルズ埼玉公演2024新作「Here Comes The Sun」

2024年6月8日(土)・9日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

加藤訓子プロデュース スティーヴ・ライヒ プロジェクト「kuniko plays reich II / DRUMMING LIVE」

2024年6月28日(金)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

大塚直哉レクチャー・コンサート 第10回「オルガンとチェンバロで聴き比べるゴルトベルク」

2024年7月7日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

音楽劇「死んだかいぞく」

2024年7月20日(土)~28日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

Noism Company Niigata 20周年記念公演「Amomentof」

2024年7月26日(金)~28日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

ダンス・リダイレクション

2024年8月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場
講師:瀬山亜津咲

東京交響楽団&埼玉会館 東京交響楽団サマー・コンサート

2024年8月25日(日)
埼玉県 埼玉会館

※「0歳からの~金管五重奏コンサート」を同日開催。

バッハ・コレギウム・ジャパン「祝祭のオール・バッハ・プログラム」

2024年9月28日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

※9月22日に作品解説レクチャーあり。

彩の国さいたま芸術劇場30周年大感謝祭オープンシアター!「ダンスのある星に生まれて2024」

2024年10月12日(土)・13日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル クリスチャン・リゾー「D'apres une histoire vraie─本当にあった話から」

2024年10月19日(土)・20日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

※「D’apres une histoire vraie」の1つ目のeはアクサングラーブ付きが正式表記。

ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル ラシッド・ウランダン「Corps extremes─身体の極限で」

2024年10月26日(土)・27日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

※「Corps extremes」の2つ目のeはサーカムフレックス付きが正式表記。

NHK交響楽団

2024年11月4日(月・祝)
埼玉県 埼玉会館
指揮:キンボー・イシイ
演奏:福間洸太朗

「ジャパニーズ・ミニマル・ミュージック~オール・久石譲・プログラム~」

2024年11月10日(日)
埼玉県あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール

エトワール・シリーズ プラス「佐藤晴真(チェロ) Part.2 ピアノ四重奏」

2024年11月23日(土・祝)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画 吉田鋼太郎演出「夏の夜の夢」

2024年12月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

パトリツィア・コパチンスカヤ&カメラータ・ベルン

2024年12月8日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

「サー・アンドラーシュ・シフ ピアノ・リサイタル」

2024年12月15日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

松井周×菅原直樹「聖地(仮題)」

2025年1月11日(土)~13日(月・祝)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

Noism0 / Noism1 金森穣 / 近藤良平 新作公演

2025年2月7日(金)~9日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

大塚直哉レクチャー・コンサート 第11回「鍵盤の上で踊るバッハ!?」

2025年2月9日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

「坂東祐大 新作 ワーク・イン・プログレス ショーイング」

2025年2月22日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

新シアターグループ カンパニー・グランデ 成果発表

2025年3月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

シリーズ企画「埼玉回遊」

2024年4月~2025年3月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

パーキンソン病患者のためのダンス・プログラム オンライン・クラス

2024年4月~2025年3月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

彩の国シネマスタジオ

2024年4月~2025年3月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場、埼玉会館

彩の国さいたま寄席 四季彩亭

2024年5月11日(土)、7月、10月、2025年1月
埼玉県 埼玉会館

岩松了劇作塾

2024年8月~2025年3月
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場

光の庭プロムナード・コンサート

埼玉県 埼玉会館

第135回 4月20日(土)
大塚直哉(オルガン)&戸高美穂(フルート)

※戸高美穂の「高」ははしご高が正式表記。

第136回 6月15日(土)
徳田佑子(オルガン)&染谷熱子(ソプラノ)

第137回 9月21日(土)
早川幸子(オルガン、笙)、村田望(ソプラノ)&東金ミツキ(セルパン)

第138回 12月21日(土)
トワイライト・スペシャル
佐藤初音(オルガン)&高橋千草(ヴィオラ)

埼玉会館ランチタイム・コンサート

埼玉県 埼玉会館

第61回 6月21日(金)
NHK交響楽団メンバーによる木管五重奏

第62回 9月30日(月)
山下愛陽(ギター)

第63回 2025年1月9日(木)
邦楽四重奏団

第64回 2025年3月31日(月)
春休みスペシャル
東京交響楽団メンバーによるアンサンブル

全文を表示

読者の反応

  • 2

kinaco☆azukye @Tako51486550

カンパニー・グランデ
気になります🤔 https://t.co/gtsNVqrvuk

コメントを読む(2件)

関連記事

近藤良平のほかの記事

リンク

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 近藤良平 / 吉田鋼太郎 / ノゾエ征爾 / コンドルズ / Noism / 松井周 / 菅原直樹 / 金森穣 / 坂東祐大 / 岩松了 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします