これは、新国立劇場によるフルオーディション企画の第7弾。今回は、2018年に蓬莱が新国立劇場に書き下ろし、第6回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞した「消えていくなら朝」が、蓬莱自身の演出で立ち上げられる。作家として成功を収める定男は5年ぶりに帰省すると、「今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」と家族に切り出し……。オーディションへの応募は明日1月12日より受け付けられる。
新国立劇場の演劇芸術監督・
作・演出の蓬莱は、本作を執筆した当時のことを「僕自身は演出をしないという大前提があったからこそ書けた作品でもありました」と振り返りつつ、「今回この作品で演出をしませんか、フルオーディションでやりませんか、という依頼をいただいた際には、そう来たかと、色々な意味で震える思いをしました。応募してくださる方も挑戦ですが、間違いなく僕にとっても挑戦になります」と思いを語った。
小川絵梨子コメント
「かもめ」、「反応工程」、「斬られの仙太」、「イロアセル」、「エンジェルス・イン・アメリカ」、「東京ローズ」と続き、フルオーディションでの公演は今回で7作品目となります。
本作「消えていくなら朝」は、蓬莱竜太さんが以前、新国立劇場に書き下ろしてくださった、ある家族の物語です。安心や帰属の基盤となる一方、背負わざるを得ない宿命ともなり得る、最も原初的な人間の関係性。自らの根幹の一部として向き合わざるを得ない家族の現実、そして、繋がりの裂け目から溢れるように表出してくる確執や葛藤、悲しみや罪悪感の感情、そして受容への希求が鮮烈に浮き彫りされていきます。普遍的な家族の物語であると同時に、宗教二世の問題にも踏み込んだ本作は、今の社会においてより切実に響き渡る物語であると思います。
「消えていくなら朝」へのオーディションへ是非ご参加いただけましたら幸いです。オーディションにて、たくさんの新しい方々との出会いとたくさんの嬉しい再会がありますことを祈っております。ご応募をお待ちしております。何卒、よろしくお願い申し上げます。
蓬莱竜太コメント
この作品は2018年に新国立劇場に書き下ろした作品です。当時の芸術監督であった宮田慶子さんから執筆のオファーをいただき、僕自身は演出をしないという大前提があったからこそ書けた作品でもありました。僕の中では結構思い切った作品でした。自分のコアのような部分に触れたり、時には叩いてみたり、踏んづけたりするような感じがありました。
今回この作品で演出をしませんか、フルオーディションでやりませんか、という依頼をいただいた際には、そう来たかと、色々な意味で震える思いをしました。応募してくださる方も挑戦ですが、間違いなく僕にとっても挑戦になります。
戯曲執筆時に想定していた、役それぞれの年齢設定を書きましたが、その設定にこだわらずに、どんどん応募してくださったら嬉しいです。
共に模索しながら、共に悩みながら、新たな作品を生み出せたらと思っています。
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twinkleocean @twinkleocean
ものすごくヒリヒリする作品。
演者の吐くセリフは、そのまま演者自身に返ってくる。
宗教の話も出てくるので時代性もある。
今回は蓬莱さんが演出するのか。
新国立劇場演劇『消えていくなら朝』稽古場&コメント動画
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