宝塚歌劇星組「1789」東京公演間もなく、礼真琴は「立ち上がって前に進め」と己を奮い立たせる

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宝塚歌劇星組「スペクタクル・ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』」の東京・東京宝塚劇場公演が、明日7月22日に開幕。それに先駆け、本日21日に通し舞台稽古が行われた。

左から礼真琴、舞空瞳。

左から礼真琴、舞空瞳。

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ドーヴ・アチアとアルベール・コーエンが手がけたミュージカル「1789」は、2012年にフランスで初演され、日本では2015年に宝塚歌劇団月組で初演された。潤色・演出を小池修一郎が担う。劇中では18世紀、革命前夜のフランスを舞台に、青年ロナン・マズリエ(礼真琴)を中心に、運命に翻弄されながらも、愛やそれぞれの生き方を追い求めた若者たちの姿が描かれる。

礼は、農村出身で、官憲に父親を殺された怒りから自ら革命に身を投じる青年を演じる。“農民の出”というコンプレックス、さらには、舞空瞳演じるオランプ・デュ・ピュジェとの道ならぬ恋に葛藤する様子を、礼は情感たっぷりに表現した。民衆が王政に不満を募らせ、革命がいよいよ熱を帯びてくると、持ち前の吸引力でロナンを熱演し、物語を先導する礼。“生きる意味”を見いだし、人生が変わったロナンの輝きを、歌・芝居・踊りを通して放った。

また、舞空は王太子の養育係であるオランプを、強い責任感とチャーミングさを両立させて好演。本作をもって専科に異動となる瀬央ゆりあは、ルイ16世の弟で、マリー・アントワネットのスキャンダルを暴いて王位を手に入れようとするシャルル・アルトワを、色気ある演技で立ち上げ、悪の華を咲かせた。8年前の月組公演ではトップ娘役が演じたマリー・アントワネット役に挑んだ有沙瞳は、物語の前半と後半で役の表情をガラリと変える。有沙は、華美な暮らしの中での明るさが、息子の喪失、革命の混乱と共に陰り、自らの立場と運命を受け入れるマリー・アントワネットの覚悟を丁寧に演じ、娘役としての集大成を見せた。暁千星極美慎天華えまも、革命に燃える若者を熱量高く演じ、物語を底上げした。

囲み取材で礼は「梅雨だった宝塚とは違い、東京の暑さに驚いていますが、暑さに負けないくらい、もっと熱い、“暑苦しい舞台”になるようにがんばります」とあいさつ。見どころについて「1曲1曲が壮大で、耳に残るような素敵な音楽ばかり。役については(さまざまな葛藤を抱える)ロナンと同様、私自身もいろいろ葛藤しながら作ってまいりました。落ち込んで、悩んでいる暇があったら、とっとと立ち上がって前に進めよ、という農民パワーが(自分を)奮い立たせてくれているのかなと。最後のデュエットダンスでは、2人の身分の違いでできた壁をぶち破って結ばれていくような、ストーリー性のある場面にできたらと思っています」とコメント。

舞空は「オランプは突拍子もない行動をするときがあって、そこに自分を乗せていくのが難しく感じました。礼さんが作られるロナンの生きるエネルギーを間近に感じながら、オランプの中にある燃えたぎるようなパワーを、日々新鮮に、大切に演じていきたい」と意気込んだ。

最後に礼は「ラストの『悲しみの報い』という曲には、それぞれが激動のフランスを生き、さらに先に進んでいくという魂の叫びが込められているのですが、それには貴族も民衆も分け隔てない。全員が1つのもの向かって歌って踊っているというシーンを、集大成としてかみ締めていただければ」と語った。公演は8月27日まで。

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宝塚歌劇星組「スペクタクル・ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』」

2023年6月2日(金)~7月2日(日)※公演終了
兵庫県 宝塚大劇場

2023年7月22日(土)~8月27日(日)
東京都 東京宝塚劇場

潤色・演出:小池修一郎
出演:礼真琴舞空瞳 ほか

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