11月に上演される
「ことばにない」は、
さらにこのたび、宮崎の新しいコメントが到着。宮崎は「日本語で、レズビアンの女性が主人公の物語を書きたい、という思いが長らくありました。単なる表象だけではなく、アイデンティティについてもきちんと描くということを行いたかったのです。描こうとしているのは、日本語の物語の中で、あまり描かれてこなかった人たちの姿や言葉です。前編では呪いの可視化(問題提起)、後編では呪いを解く(問題解決)を指針としています。女性であり、同性愛者であるアイデンティティについて、2023年の現在地としてのフィクションの力をもって聞き、語ることを目指します」と語った。
「ことばにない」後編は、11月9日から19日まで東京・こまばアゴラ劇場にて上演される。チケットの販売は8月1日12:00にスタート予定。またムニは、「ムニの発酵シアター2023」を7月13日から17日まで東京・元映画館にて開催。このイベントでは、「ことばにない」前編をはじめ、ムニの過去作品の映像が上映される。
宮崎玲奈コメント
「ことばにない」は2019年から約4年間執筆中の戯曲(演劇の脚本のことを戯曲と言います)です。上演時間は前後編を合わせると約8時間程度の作品となっています。
はじめに、なぜこの物語を書くことになったのか、長い作品になったのか、について書きます。日本語で、レズビアンの女性が主人公の物語を書きたい、という思いが長らくありました。単なる表象だけではなく、アイデンティティについてもきちんと描くということを行いたかったのです。描こうとしているのは、日本語の物語の中で、あまり描かれてこなかった人たちの姿や言葉です。省略して見やすい物語とするのではなく、一人一人の人物の内面まで丁寧に描きたかった。
演劇では内面は描けない、想像させるのだ、と言われています。演劇の持つ普遍性とアイデンティティを語ることとは対極にあることだとも思います。作家としての志向と変えられない個人のあり方の交差するところからこの作品ははじまりました。したがって、どなたかを取材して、本作に取り組んでいる訳ではありません。一人の生活者としての、差別的な発言を投げ掛けられ落ち込んだり、おしゃべりをして楽しく過ごしている日常が創作の背景にはあります。
前編では呪いの可視化(問題提起)、後編では呪いを解く(問題解決)を指針としています。女性であり、同性愛者であるアイデンティティについて、2023年の現在地としてのフィクションの力をもって聞き、語ることを目指します。
最後になりましたが、本作後編の上演時間4時間は、物語の中の一人一人を描くために必要な時間です。そのため、最初から最後まで4時間という時間を通して、作品を観ていただきたく思っています。作品内容に関しての事前のアナウンスの実施や、上演途中で気分が悪くなった場合等には、途中退場していただけるよう、導線も確保いたしますので、お声掛けください。腰が痛くならないようにクッションもご用意しています。途中休憩もございます。上演時間等に関しては詳細が決まりましたら、ムニホームページ、SNSにて細かくアナウンスしていきますので、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
これは、困難の多い時代を生き抜く人々の現在形の物語であり、物語からはじまるであろうそれぞれの日常へ向かう叙事詩です。ことばにない、ことばだけじゃない、それをわたしは演劇と呼んでいるのかもしれません。
ムニ「ことばにない」後編
2023年11月9日(木)~19日(日)
東京都 こまばアゴラ劇場
作・演出:
出演:石川朝日、浦田かもめ、黒澤多生、
「ムニの発酵シアター2023」
2023年7月13日(木)~17日(月・祝)
東京都 元映画館
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【舞台】ムニの計8時間におよぶ長編『ことばにない』後編のビジュアル公開、7月に前編の映像上映も|レズビアンの女性を中心にした、女性4人の人生描く──[11月9日~19日・東京(チケット8月1日発売)]
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