第48回菊田一夫演劇賞の授賞式が本日6月7日に東京都内で行われた。
一般社団法人映画演劇文化協会が主催する菊田一夫演劇賞は、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる賞。第48回菊田一夫演劇賞では、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞を受賞し、
授賞式では、選考委員から各受賞者へ、正賞の盾と副賞の賞金目録が授与された。スケジュールの都合により欠席した坂本と、体調不良のため会場へ来ることがかなわなかった望海に代わり、パルコ エンタテインメント事業 演劇事業担当 ゼネラルプロデューサーの佐藤玄、ワタナベエンターテインメントの渡辺ミキ代表取締役社長が正賞と副賞を受け取った。
「広島ジャンゴ2022」の山本 / ジャンゴ役、劇団☆新感線「薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還」のアンヌ役の演技が評価された天海は「演劇とは生の人間が演じ、生の人間が客席で観るものです。演劇を上演することが大変な時期において、何もできない自分に対して絶望を感じることがありました。しかし、人間の可能性、そして舞台の可能性を感じることもできました。これからもまだまだ精進していきたいと思いますし、たくさんの方に楽しんでもらえるような舞台を作っていきたいと心から思います。このたびは本当にありがとうございました」と思いを明かす。
「スラムドッグ$ミリオネア」「ザ・ビューティフル・ゲーム」の上演台本と演出の成果により受賞した瀬戸山は「これまで、主にストレートプレイの作品を作る劇作家として活動してまいりました。音楽劇の経験もわずかで、ミュージカルに至っては今回が初めての挑戦でしたが、このような賞をいただき、身の引き締まる思いです。これからも、“今書くべきこと”を描いた、力強く面白い作品を作ることで、お世話になった皆様に恩返しができればと思っております」と気持ちを新たにする。
永年の舞台におけるアクション指導の功績が評価された渥美は「私はおしゃべりの担当ではないので、短めで(笑)」と冗談めかしつつ、「諸先輩方から教えていただいた『アクションも芝居の一つだ』ということを信じて、ここまでやってきました。今回、それを誰かが見てくださっていることを証明できたと思います。ありがとうございました」と謝辞を述べた。
舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」の上演関係者一同からは、カンパニーを代表して、TBSテレビの佐々木卓代表取締役社長とホリプログループの堀義貴会長が出席。堀は、第43回菊田一夫演劇賞で菊田一夫演劇大賞を受賞した「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」に触れ、「『ビリー・エリオット』を上演するとき、実は『人生最大の大博打だ』と話していたんです。そういった機会は群れをなして訪れるもので、その後、ミュージカル『メリー・ポピンズ』をやることになり、イギリス・ロンドンのカンパニーから舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』のお話をもらい……。『ビリー・エリオット』で賞をいただいたときは博打に勝っていたのですが、『ハリー・ポッターと呪いの子』はロングラン上演中ですので、現在まだ勝ち負けが決まっていない状況(笑)。その代わり、初めて演劇を観る方々にも多く足を運んでいただいております」と笑顔を見せる。そして、「菊田先生の名に恥じぬよう、皆様が喜ぶ作品を作ってまいりたいと思います。このたびはどうもありがとうございました」と締めくくった。続けて佐々木は「菊田一夫先生は『風と共に去りぬ』を舞台化し、ロンドンのウエストエンドで上演した方。このような栄えある賞をいただいたことを励みに、『本家であるロンドンをしのぐような作品になったね』と言われるぐらいまで努力したいと思っています」と展望を語った。
また本日の授賞式では、欠席した坂本と望海のコメントがMCにより代読された。坂本は「このたびは名誉ある賞をいただき、喜びと驚きで胸がいっぱいです。大先輩の東山(紀之)さんからいただいた、『がんばっていれば必ず人は見てくれている』という言葉を胸に作品作りをしてきましたが、それがまさに現実となりました。これからもお客様により良い作品をお届けできるよう前進してまいります」と誓いを立てる。
望海は受賞の喜びと関係者への感謝を述べると共に、「個人的なことになりますが、小学生の頃に初めて宝塚歌劇を観に行ったとき、天海祐希さんに一瞬で恋に落ちました。天海祐希さんのような男役になりたいと夢見て、今から約20年前に宝塚歌劇団で初舞台を踏みました。私をこの世界に導いてくださった憧れの方と、同じ場所に立たせていただけるなんて信じられないという思いが強すぎたのかもしれません。大事なときに健康管理のできない自分が情けないのですが、この悔しさをバネに、いただいた賞を支えに、これからも1つひとつの作品・役と真摯に向き合い続けたいです」とコメント。これを受け、天海は照れたように微笑みながら、拍手を送った。
第48回菊田一夫演劇賞
菊田一夫演劇大賞
- 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」上演関係者一同(舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」の高い舞台成果に対して)
菊田一夫演劇賞
天海祐希(「広島ジャンゴ2022」の山本 / ジャンゴ役、劇団☆新感線「薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還」のアンヌ役の演技に対して) 坂本昌行(「THE BOY FROM OZ」のピーター・アレン役、「凍える FROZEN」のラルフ役の演技に対して) 望海風斗(「ネクスト・トゥ・ノーマル」のダイアナ役、「ガイズ&ドールズ」のミス・アデレイド役、「ドリームガールズ」のディーナ・ジョーンズ役の演技に対して) 瀬戸山美咲(「スラムドッグ$ミリオネア」「ザ・ビューティフル・ゲーム」の上演台本と演出の成果に対して)
菊田一夫演劇賞特別賞
- 渥美博(永年の舞台におけるアクション指導の功績に対して)
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