坂本昌行・長野里美・鈴木杏が人間の闇と痛みを表現、栗山民也演出「凍える」スタート

パルコ・プロデュース2022「凍える」が、本日10月2日に東京・PARCO劇場で開幕した。

ブライオニー・レイヴァリーの戯曲「凍える」は、1998年にイギリスで初演された作品。2004年にアメリカ・ニューヨークで上演された公演は、同年のトニー賞演劇作品賞にノミネートされた。劇中では20年前に行方不明になった少女ローナを巡り、連続児童殺人犯のラルフ、ローナの母ナンシー、精神科医のアニータがそれぞれに向き合う様子が、ヒューマンサスペンスとして描かれる。

今回の上演版では栗山民也が演出を手がけ、ラルフ役を坂本昌行、ナンシー役を長野里美、アニータ役を鈴木杏が務める。坂本は「演出の栗山さんからは『芝居ではなく、リアルに、ドキュメンタリーで生きてくれ』という言葉があり、30年ぶりの栗山さんの演出に、改めて作品・役作りの難しさを感じながら勉強させていただきました」と稽古を振り返り、「人の抱える“闇”や“痛み”がリアルに表現されています。お客様にもそれぞれ何を感じていただけるか非常に楽しみにしております」とコメント。

長野は「“人間を見せていく”ということが初日を迎えるにあたってどこまでできるか、また、お客様にどのように受け入れていただけるかが楽しみです」と期待を口にし、「お越しいただいた皆様にはそれぞれに『ああ……』という、言葉にならないけど、大事なものを感じて持ち帰っていただければ」とメッセージを送る。

また鈴木は「『楽しんでいただく』という戯曲ではありませんが、現代社会に多くの問いを投げかける内容となっていて、日本ではなかなか見られないタイプのお芝居だと思います。お客様の心に観劇後何日かたっても、残り続けるものになればうれしいです」と思いを述べた。

東京公演は10月24日まで。本作はその後12月11日まで、福島、兵庫、愛知、長野、新潟、福岡、沖縄で上演される。