「ザ・ビューティフル・ゲーム」は、作曲を
舞台はイギリス領北アイルランドの首都ベルファスト。街では北アイルランドの独立を訴える組織にしてカトリック派であるIRAの活動が盛んになり、宗派の争いは街を分断している。それでもここで暮らしサッカーを愛する人々は、試合を“ザ・ビューティフル・ゲーム”と呼んで大切にしていた。ジョンはそんなサッカーチームのエース選手であり、将来の夢はプロサッカー選手になること。彼は国内リーグでの優勝を目指して日々汗を流していたが、街ではカトリック派とプロテスタント派の争いが日増しに激しくなり……。
フォトコールではまず第1幕の冒頭約20分間が上演され、アイリッシュ音楽を思わせるオーバーチュアをバックに若者たちがけんかをしたり、小瀧演じるジョンたちがサッカーにかける情熱を歌い上げたりする様子が描かれた。ロッカールームの場面では、小瀧演じるジョンと
フォトコール後半では第2幕冒頭の、ジョニーとメアリーの結婚式のシーンも披露された。ここでは舞台後方に美しいステンドグラスと十字架が設置され、ステージは荘厳な雰囲気に。着飾った参列者役のキャストたちが見守る中、小瀧と木下は伸びやかな歌声を響かせ、幸せいっぱいの新婚夫婦の姿を舞台に立ち上げた。
フォトコール後の取材会には小瀧、木下、益岡、瀬戸山が登壇。小瀧は「歌を通した表現に興味があり、いつかミュージカルに挑戦したかった」とミュージカル初出演の喜びをのぞかせ、「みんなにおんぶにだっこで(笑)助けられています」「本当に人に恵まれている」とカンパニーに厚い信頼を寄せる。さらに小瀧は作品について「登場人物全員、エネルギーがすごい。この時代の人たちは、死と隣り合わせで生きていたのだと思う。120%の全力で1日1日を生きているところを観てほしい」と語り、「この物語に描かれているようなことが、海の向こうで今も起きている。戦争や紛争、分断がいかに無意味か伝えられると思う」と言葉に力を込めた。
木下は「これほど大勢の同世代の方とご一緒した経験がほぼなく、稽古場で敬語を使わず会話するのが不思議な感じ。『青春だな』と感じますし、大好きな皆さんと作品を作れて幸せ」と微笑む。また木下は本作の見どころとして「音楽」を挙げ、「同じメロディが違う状況で歌われるシーンが多く、時代や登場人物の変化を感じてもらえると思う」と述べた。
木下は小瀧を「稽古場にいるとき『そうか、小瀧さんは初のミュージカルなんだった』とハッとしてしまったほど、素晴らしいパフォーマンスをされています」と称賛。これを聞いた小瀧は「もったいないお言葉ありがとうございます!」と恐縮しつつ、「木下さんの歌声はすっごいですね……! 『この細い身体のどこからこの声量が出てくんのや!?』と思いますし、『この歌に追いつかなくちゃ』というモチベーションになっています」と木下の歌声を絶賛した。
益岡は若い共演者に囲まれていることに触れながら「私は年齢的に突出していて(笑)、皆さんの中心にいる小瀧さんと木下さんがまぶしい」と目を細める。また作品については「少年が懸命に生き、誰かを好きになる様子が描かれています。劇中の時代では、若者たちが素晴らしい人生を歩もうとしても難しかった。私が演じるオドネル神父は大人の宗教家ですが、神父がそんな若者に対して『何もしてやれなかった』と無力感を覚えるシーンもある。そういった(若者と大人の)対比にも注目してもらえたら」と語った。
初めてミュージカル作品の演出に挑む瀬戸山は「『小瀧さんの初ミュージカルを良いものにしなければ!』と思って作ってきた」とコメント。舞台俳優としての小瀧について瀬戸山は「繊細で感受性が豊か。それでいてビシッと決めた演技もできる方で、良い俳優さんです」と言い、「今回小瀧さんはとにかく明るく楽しく引っ張ってくれる役どころですし、歌もどんどん素晴らしくなっています。この作品にとって大切なのは、ジョンが一生懸命生きているということ。日々生き生きされていて素敵です」と笑顔を見せた。
会見では小瀧が、ジャニーズWESTメンバーとのエピソードを披露する場面も。ほかの仕事の合間に小瀧がそこかしこで「ザ・ビューティフル・ゲーム」の曲を歌っていたため、「ほかのメンバーも楽曲を覚えてしまった」と小瀧。小瀧は「1幕に“とにかく酒を飲むぞ”という歌があって、特に中間(淳太)や桐山(照史)が一緒に歌いながら『観に行くとき、俺らも歌うてまうわ!』と言ってました(笑)」と話し、記者たちを和ませた。
上演時間は休憩含め約2時間40分を予定。東京公演は1月26日まで。その後は2月4日から13日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。
「ザ・ビューティフル・ゲーム」
2023年1月7日(土)~26日(木)
東京都 日生劇場
2023年2月4日(土)~13日(月)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
作曲:
作詞:ベン・エルトン
上演台本・演出:
振付:ケイティ・スペルマン
出演:
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梅田芸術劇場 @umegei_jp
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