宮本亞門「心にガツーン！とくる舞台」、葛飾北斎描く「画狂人 北斎」に出演者が意気込み

「『画狂人 北斎』－2023－」の制作発表記者会見が、昨日1月12日に東京都内で行われた。

葛飾北斎を題材にした「画狂人 北斎」は、宮本が2017年に朗読劇、2018年にストレートプレイ化した作品で、2018年以降もたびたび上演が重ねられている舞台。会見には出演者の西岡徳馬、雛形あきこ、馬場良馬、谷佳樹、津村知与支、水谷あつし、演出の宮本亞門が登壇し、それぞれに意気込みを語った。

北斎役の西岡は、演出の宮本に対して「大船に乗ったつもりでおります」と言い、“画狂人”というタイトルに「私は“暴走老人北斎”になるのか、“爆発老人北斎”になるのか、どんな老人になっていくのか。芝居を始めて55年なので、その集大成を葛飾北斎の70歳からの集大成に合致させて、がんばっていこうと思っております」と思いを明かす。

北斎の娘・お栄役の雛形は「葛飾北斎とお栄の関係性は、親子であり、師匠と弟子であり、不思議だけどとても合致しているように感じたので、そんな部分を魅力的に出せたらいいなと思っております」と語り、西岡との共演に期待を込める。一方、宮本は「北斎は73（歳）ぐらいから初めて版画をやって、その後、直筆画を90歳になるまで『まだ足りない』って、年齢なんか関係ない、これから生きてやるぞというエネルギーを持っていました。今回、全国を回りますので、多くの方に観ていただきたい」と北斎に刺激を受けていることを語る。

高井鴻山と柳川時太郎の2役を演じる馬場は「演劇狂人の方が集まってお稽古している毎日が本当に楽しいです。僕も少しでも“狂人”に近づけるように、そして葛飾北斎という人間の魅力を少しでもお届けできたら」、若手画家・峰岸凜汰役の谷は「“生きろ”というメッセージがすごく詰め込まれている作品です。僕自身、人生は有限であることを心がけていますが、“生きろ”というシンプルな言葉ってすごく届くなと思いました。そのメッセージを舞台を通してたくさんの方に伝えたいです」、3回目の出演となる、現代の北斎研究家・長谷川南斗役の津村は「稽古のたびにどんどん台本が変わり、とても刺激的な作品になっております」、柳亭種彦役の水谷は「ドーンと大砲で穴を開けるような大作になっておりますので、宮本先生に付いていきたい」とそれぞれに作品への思いを述べた。

最後に宮本が、今回の上演ではキャストとスタッフが一新されていることについて触れ、「演出家が言うのも何ですが、こんなに深みのあって、エネルギッシュで、観に来てくれる人たちの心にガツーン！とくる舞台はないんじゃないかと思っております。小さくなってる場合じゃない。さあ、生きろ！ 自分なりに生きてください！と感じて劇場を出ることになると思います。ぜひ劇場に足をお運びください」と来場を呼びかけた。

公演は2月2・3日に東京・曳舟文化センターでプレビュー公演が行われ、その後は北海道・京都・広島・石川・大阪・鹿児島・福岡・秋田・長野を巡演し、3月22日から26日まで東京・紀伊國屋ホールでも上演される。