趣向「パンとバラ」開幕、オノマリコ「気落ちしやすい年末のビタミン剤に」

趣向「パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。」（再演）が、昨日12月21日に東京・シアター風姿花伝で開幕した。

これは、オノマリコが劇作を手がけ、子供への虐待や貧困・ネグレクトを描く「みえないこどもたち」シリーズの第4弾。「パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。」は昨年初演された作品で、劇中ではオスカー・ワイルドの「サロメ」をモチーフにした演劇を作ろうとする“生きづらい”大人たちの姿が描かれる。

開幕に際し、演出の扇田拓也は「この社会には、強くたくましく生きられない人も沢山いるんだってことを分かって欲しい。たとえ、びっくりするくらい不器用でも、楽しく朗らかに生きていきたい。そんな私たちの物語をぜひ観にきてください」、音楽の後藤浩明は「作品の中の様々な曲は、ジャンルと言うよりは、それぞれの抱える不安や怒りや絶望や期待etc.との、距離感や身の処し方の多様性です。それぞれの不器用なやり方で状況と取り組む彼らに音楽で寄り添えればと思います」とコメントした。

そしてオノマは「再演です。すてきな作品になったと思います。苦しくても、びっくりするようなことが起こっても、自分がコントロールできなくても、前に進み続ける人たちの音楽劇。気落ちしやすい年末のビタミン剤になれると幸いです。来年も生きていきましょう」と語った。上演時間は約2時間。東京公演は12月25日までで、そのあと29・30日に兵庫の神戸三宮シアター・エートーでも上演される。

※2022年12月28日追記：新型コロナウイルスの影響により、兵庫公演は中止となりました。