三上陽永が寺山修司の初期作に挑む「血は立ったまま眠っている」

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日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 演出家部門「血は立ったまま眠っている」が2月1日から12日まで、東京・Space早稲田にて上演される。

日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 演出家部門「血は立ったまま眠っている」チラシ表

日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 演出家部門「血は立ったまま眠っている」チラシ表

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三上陽永

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これは、文化庁と日本劇団協議会が主催する「新進演劇人育成公演 演出家部門」として上演されるもの。本作では、ぽこぽこクラブの三上陽永が育成対象者として、寺山修司「血は立ったまま眠っている」の演出を手がける。1960年に浅利慶太が初演した同戯曲は、寺山が自身の詩をモチーフに、60年安保闘争時代の若者たちの反抗を描いた作品である。本作のチラシには「様々な異議申し立てが噴出した60年代後半の小劇場運動の原点がここにある。この作品はいわゆる『新劇』の変形であり、演劇への疑いを指し示す世界の鬼才=テラヤマの『演劇と革命』のバイブルである」というコピーが記された。

音楽をオレノグラフィティ、振付をスズキ拓朗が担当するほか、同戯曲の演出経験を持つ流山児祥がプロデューサーを務める。流山児からのコメントは下記の通り。

流山児祥コメント

アングラ・小劇場運動は天井桟敷、状況劇場、早稲田小劇場から始まったと言われています。アングラ演劇は60年代初頭のサルトルの影響から始まったとも言われてるが、実は1960年劇団四季の浅利慶太が谷川俊太郎に「芝居はもうおしまい」を書かせ、次に23歳の寺山修司に「血は立ったまま眠っている」を書かせ上演した時からだとわたしは思っています。

演劇と詩人のコラボが日本の前衛劇(=アングラ)を生んだのです。

新劇に反旗を翻した寺山+浅利の「血は立ったまま眠っている」は前半、新劇的リアリズムで書かれ、後半はそれ全てひっくり返すシュールな戯曲です。この伝説のテキストに、60年の時を超えて、注目の若手演出家:三上陽永が自らのルーツである青森の血と知のうずきを辿り、挑みます。

この劇には「演劇の自由」が爆発しています。熱くなることを恐れず「他者」を感じる芝居がココにある。

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日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演 演出家部門「血は立ったまま眠っている」

2023年2月1日(水)~12日(日)
東京都 Space早稲田

作:寺山修司
演出:三上陽永
音楽:オレノグラフィティ
振付:スズキ拓朗
出演:渡邊りょう、伊藤麗、新垣亘平 / 神原弘之、申大樹、渡辺芳博、杉浦一輝、坂本健、内田敦美、竹本優希、春はるか、本間隆斗 / 藤原啓児甲津拓平

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流山児★事務所 @ryuzanji

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