「演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス」(ゆるエアー)が東京都八王子市でスタートした。
これは、八王子市学園都市文化ふれあい財団が主催する、“2・3年という比較的ゆったりとしたスパンでアーティストの活動(ワークショップ・イベント・制作・上演等)を支援し、市民との接点・交流の機会を創る”企画。初年度は、
実施に向けて鳥公園の
具体的には、5月に「ヨブ呼んでるよ -Hey God, Job’s calling you!-」関連ワークショップ、秋に「昼の街を歩く」八王子滞在&ワークショップ、12月にイベント「鳥公園のジコショウカイ展 in 八王子」、来年3月に「ヨブ呼んでるよ」の上演が予定されている。
西尾佳織コメント
八王子と2年か3年、一緒に活動することになりました。2~3年というそれなりに長い時間、一つのまちに軸足を置いて安定して活動できるのは、大変ありがたい話です。(ちなみに2年か3年というのは、やり始めてみてお互いに必要だねとなったら3年にしましょう、とにかく動き出してみないと何も分からないから、というやわらかさです。)
アーティスト・イン・レジデンスといっても、わたしたちが創作するときに常に八王子に腰を落ち着けて、八王子「で」つくるという意味では必ずしもなく、八王子「と」つくるんだろうと思っています。atではなくwithというか。
もちろんたびたび通って、時にはまとまった期間滞在したりもするかもしれません(したいです)。が、おそらく八王子というまちは、わたしの生活と地続きの場所にある。移住してその地に根ざさなくても付き合える距離にあり、アートによる新たな町おこしが強く期待されるような産業のありようをしているわけでもない、生活のまち。それでもそこに演劇の存在できる位置があるはずで、それを探るとき、わたしたちも自分の創作を生きることとの連続性の中で捉えられるだろうと期待しています。
新作をどんどんつくり続けることで、アーティストとしてのキャリアを積み上げるような活動の仕方にくたびれて、つくり方自体をつくり直そうと思ったのが2019年でした(鳥公園 新体制についてのステートメント)。どうすれば活動のために活動するような状態から抜け出して、創作を深め、作品とアーティストが(そしてそれに伴って社会が)成熟していけるのか? この問いを、八王子のまちと人と出会いながら、具体的な手触りとして実践していく時間にしたいと思います。
1年目は、旧約聖書「ヨブ記」を現代日本に翻案した「ヨブ呼んでるよ」のリクリエイション版を三浦雨林演出で。創作を始める手前の勉強会も、ワークショップとして一般に公開します。また、鳥公園が初めて公演を行う都市で開催してきた「鳥公園のジコショウカイ展」と、2年目に向けて、蜂巣もも演出の「昼の街を歩く」チームによる八王子滞在&ワークショップも予定しています。
上演だけでなく、その背景や水面下に流れている思想まで、是非のぞいてみてください。
「演劇のための長くてゆるやかなアーティスト・イン・レジデンス」
「ヨブ呼んでるよ -Hey God, Job’s calling you!-」関連ワークショップ
2022年5月
「昼の街を歩く」八王子滞在&ワークショップ
2022年秋
イベント「鳥公園のジコショウカイ展 in 八王子」
2022年12月
「ヨブ呼んでるよ」
2023年3月17日(金)~19日(日)
東京都 八王子市芸術文化会館 いちょうホール 小ホール
作:
演出:
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