ミュージカル「ジョセフ～」2年越しの開幕！薮宏太「ここからリスタート」

薮宏太（Hey! Say! JUMP）が主演を務めるミュージカル「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」が、本日4月7日に東京・日生劇場で開幕。同日昼に公開ゲネプロと取材会が行われた。

日本版初上演となるダレン・ヤップ演出版は、2020年に上演を予定しながら、新型コロナウイルスの影響で公演延期となっていた。このたび、一部キャストを変更し、公演の幕が上がる。作曲をアンドリュー・ロイド＝ウェバー、作詞をティム・ライスが手がける「ジョセフ～」は、旧約聖書「創世記」の「ジョセフの物語」をもとに、波乱に満ちたジョセフの人生が全編、ロック、バラード、シャンソン、カントリー、ロカビリーといった多彩なジャンルの楽曲で紡がれる。

公開ゲネプロでは、主人公のジョセフを演じる薮をはじめ、ナレーター役の平野綾、ロックスターのようなファラオ役の小西遼生、コミカルなポティファー役の小浦一優（芋洗坂係長）、ジョセフの兄弟たちを演じる日野真一郎（LE VELVETS）、元木湧（少年忍者 / ジャニーズJr.）、東山光明、大山真志、章平、原田優一、中山昇らがパワフルなパフォーマンスを披露。村井國夫演じる父親ジェイコブからカラフルなコートを授けられるも、エジプトに売り払われ、投獄され……と災難続きのジョセフは、“夢を読み解く”能力を生かしてエジプト国王の右腕まで上り詰める。薮の持ち前の真面目さが役に重なるジョセフの快進撃は、舞台上をポジティブなエネルギーと笑いで満たした。

取材会で、「2年越しにやっと幕が上がるこの作品には、出演者とスタッフの夢が詰まっています。『ジョセフ～』は“再生”“再起”の物語。この作品を観て、少しでも明日からがんばっていこうという気持ちになっていただけたら」と薮。2022年公演からの参加となる平野は「皆さんに引っ張っていただきながら、ナレーターとして作品を引っ張れるようにがんばりたい」と述べる。そんな平野とWキャストでナレーター役を務めるシルビア・グラブは「ここに立っていることが夢のようです。おととし、『次は劇場で会おうね』と言って会えなかった方々に再び衣裳姿で、舞台上で会えた。最高の夢が届けられるように、（平野が出演する初日公演では）客席からエネルギーを送りたい」と意気込む。

小西は装飾のある衣裳が印象的。「家にある私物をたくさん集めてきました」と冗談めかしながら、2年前、初日を目前に中止となった本作の舞台装置と対面した喜びを語り、「この上に立って、この役を生きることができる。2年間、仕事を続けていて良かったなと感慨深い気持ちです。お客さんが入らないと完成形が見えないので、たくさんの人に楽しんでいただけたら」と話す。一方、小浦は「ジョセフが窮地に立たされたときに出てくる役が多いので、『ジョセフかわいそうだな』と思ったときに私の名前を心の中で叫んでいただけたら」とジョークを飛ばした。また、村井は「今、夢を持てない時代にこの作品の歌詞を聴くと、いろいろな夢を見て良いんだなと胸にしみる。良い作品だなと強く思います」とアピールした。

2年前の公演中止を経ても「頭の片隅にはいつも『ジョセフ～』があった」と言う薮。作品に再び臨むにあたり、「ちょっと緊張した（笑）」そうだが、「歌稽古や稽古を始めて、この作品に帰ってきたことを実感し、『さあ、ここからリスタートだ！』という気持ちに切り替わりました」と語る。さらに、この2年は自主練習に勤しみ、コートの裾さばきを研究したことも明かした。最後に「やっと幕を開けることができます。この物語は人を許し、もう一度立ち上がるということがテーマ。いろいろなことがあるご時世ですが、観た人が手と手を取り合って一歩ずつ歩んでいこうという気持ちになれるように、出演者・スタッフ一同、誠心誠意がんばっていきたい」と言葉に力を込め、取材会を締めくくった。

公演は休憩を含む約2時間5分。東京公演は29日まで行われ、その後、5月5日から7日まで愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール、12日から16日まで大阪・オリックス劇場でも上演される。

※ポティファー夫人役の小野妃香里はケガにより東京公演を休演し、栗山絵美が代役を務めます。