「香港スケッチ」が7月6日から10日まで、東京の座・高円寺1にて上演される。
本作は、香港と日本の演劇人がリモートでコラボレートした作品。幼なじみの女性に恋する貧しい若者・叉焼仔(チャーシューザイ)と、イギリスから香港に戻って来たオーウェンの姿を通して、“香港の今”に迫る。
作・音楽を緒方桃子、演出を坂口阿紀が担当。出演者には岑君宜(ファニー・サム)、釈人、藤森裕美、明羽美姫、梅沢鮎実、岡山玲奈、仁木祥太郎らが名を連ねた。上演に向けて緒方は「『スケッチ』の名のとおり、人々と話し、ふれあい、音楽を作り、舞台の空間に色をのせて、役を生きて、そうして編み上げる私的ともいえる営みを、香港×日本在住の精鋭の舞台人たちが力を合わせてリモートで行ってきました。それぞれが持ち寄った世界は演劇を超えていき、現在もまだ作品が進化しています。本作品を必要としている方に届けたいと願っており、メディアの皆さまのお力を頂戴できれば幸いです」とコメントしている。なお3月5日にトライアウト公演を生配信予定。
緒方桃子コメント
外国人としてともすれば傍観者になってしまいがちですが、香港を第二の「home」と呼ぶものとして、香港で暮らす人々が、何を見て、何を感じ、今、どう暮らすのかを、演劇というフィクションを通じて記録したいと思いました。「スケッチ」の名のとおり、人々と話し、ふれあい、音楽を作り、舞台の空間に色をのせて、役を生きて、そうして編み上げる私的ともいえる営みを、香港×日本在住の精鋭の舞台人たちが力を合わせてリモートで行ってきました。それぞれが持ち寄った世界は演劇を超えていき、現在もまだ作品が進化しています。本作品を必要としている方に届けたいと願っており、メディアの皆さまのお力を頂戴できれば幸いです。
坂口阿紀コメント
あなたのまちの夕焼けは何色ですか?
日本人に夕焼けの色を聞くと大抵の人が同じ答えでしょう。「オレンジ」「橙」なんせ「夕焼け色」なんて言い方もするくらい、同じ色を想像しています。けれど、香港では、ぜんぜん色が違う。もっと黄色の夕焼けもあれば、紫、ブルー、ピンクの日もある。日本では私たちが好きな色の洋服を着ています。でも、香港ではどうでしょう。始まりは些細なことが、いつの間にか化物のように違う方向へ進んでいく恐ろしさは、ネット社会にも似ています。これは、香港だけの話ではなく、私たちの話でもあると思っています。たくさんの人に観ていただき、この作品も化物のように成長することを願っています。
岑君宜コメント
日本の舞台人とお仕事をするのが初めてで、とてもエキサイティングですが、緊張もしています。言葉の壁やコミュニケーションがきちんとできるのか。上質な作品をお客様に届けられるだろうか?リモートでリーディングをしたときに、演技へのアプローチが香港と日本の舞台俳優とでは大きく違うことに驚き、それがとても新鮮です。香港スケッチの世界を生きて、日本の<同僚たち>とその一瞬一瞬を輝かせ、ものにしていきたいと思っています。よろしくお願いします。
釈人コメント
2019年12月から世界は大きく変わりました。映画やテレビドラマで観ていただけの世界が現実のものとなり、沢山の人、物、時間、経験が犠牲となりました。我々、俳優人も多大な影響を受け、苦渋の決断を強いられました。コロナは沢山のことを変化させました。医師としても働いている私は、東京の医療の現場でよりコロナを近くに感じ、悔しい経験もしました。逆に、この時だからこそ出来た貴重な経験や、感じた思いももちろんあります。幸せとは何か普通とはなにか……
日本に生まれ育ち、日本しか知らない私ですら様々な変化に戸惑い、順応する努力をしました。これが外国だったら? 旅行や観光で訪れた香港は、全てが暖かく穏やかな思い出でいっぱいです。歴史的な変化の時代を迎えた香港、日本、いや世界を“演劇”という形で表現し、次の時代の人々に残していくお手伝いができたら、嬉しいです。
「香港スケッチ」
2022年7月6日(水)~10日(日)
東京都 座・高円寺1
作・音楽:緒方桃子
演出:坂口阿紀
出演:岑君宜(ファニー・サム)、釈人、藤森裕美、明羽美姫、梅沢鮎実、岡山玲奈、仁木祥太郎 ほか
ステージナタリー @stage_natalie
香港と日本の演劇人がリモートでコラボ、ミュージカル「香港スケッチ」(コメントあり)
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