博多座「市川海老蔵特別公演」坂東巳之助・中村児太郎が意気込み「お気持ちに応えたい」

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「11月博多座 市川海老蔵特別公演」に出演する坂東巳之助中村児太郎の取材会が、本日10月22日に東京都内で行われた。

左から中村児太郎、坂東巳之助。

左から中村児太郎、坂東巳之助。

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ソーシャルディスタンスを保つため、立つ位置を迷う中村児太郎(左)と坂東巳之助(右)。

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取材冒頭の撮影では、「あまり近づきすぎないほうがいいのかな……」とソーシャルディスタンスを気にしつつ、仲むつまじい様子で記者陣を和ませた巳之助と児太郎。「父同士(故・坂東三津五郎、中村福助)がよく共演していたこともあり、小さい頃から顔を合わせていました」と話す児太郎は、巳之助を「何でもしゃべれる先輩。巳之助さんは尖っているとか思われがちですけど(笑)、思いやりがあって、常に自分を客観視している。芝居に対しても同じで、いつも先を見据えているんです」と分析。一方、巳之助は児太郎のことを「怖いくらい2面性がある人」と表現し、「やんちゃで活発な少年の部分は、子供の頃から変わらないのに、芸のことになると、信じられないくらい真っすぐで真面目。舞台上の彼の姿を観ていると『本当に同じ人間なのか?』と驚きます(笑)。そういう部分が面白くもあり、怖いな、とも思いますね」とほほ笑む。

「流星」より。(c)松竹

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「羽衣」より。(c)松竹

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「市川海老蔵特別公演」では、巳之助が昼の部の「流星」と夜の部の「茶壺」、児太郎が昼の部の「勧進帳」と夜の部の「羽衣」にそれぞれ出演し、夜の部ラストの「お祭り」では2人が共演。「流星」の流星役について、児太郎から「(演じるのは)何度目ですか?」と聞かれた巳之助は「本興行では2度、それ以外では3度踊らせていただく機会がありましたね。僕は今年で31歳になりましたが、この年代で同じ演目をここまで繰り返し演じさせていただくのはなかなかないこと。大事な演目です」と思いを述べる。また、見どころを「年に1度の逢瀬を楽しむ牽牛と織女のもとに、僕演じる流星が空気を読まずにやってくる(笑)、というところがこの作品のおかしみの1つ。今回は1人で勤めますが、初めて観る方にも、流星が牽牛と織女の2人に向かって踊っていることがわかるよう、工夫を凝らしたい」と語った。

坂東巳之助

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中村児太郎

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「茶壺」で演じる熊鷹太郎役について、巳之助は「今年の1月に『新春浅草歌舞伎』で初役として演じました。前回は同い年の中村歌昇くんと勤めさせていただきましたが、今回は(市川)九團次兄さんと共演させていただきます。『流星』にせよ、『茶壺』にせよ、愉快な踊りなので、こういった時期だからこそ、何も考えず楽しんでいただきたい」と真剣な表情を浮かべる。話が「お祭り」に及ぶと、巳之助は「まだ振りをいただけていないので、実は何もわからないのですが……(笑)。僕は(市川)海老蔵の兄さん、(市川)右團次の兄さんと3人で鳶頭を勤めるので、どのようなパート分けになるかが楽しみ。海老蔵の兄さんのことですから、新しいアイデアをお持ちかと思います」とニヤリと笑う。

児太郎が「勧進帳」で源義経役を演じるのは、今年1月から2月にかけて全国で上演された「市川海老蔵特別公演」ぶりのこと。児太郎は「『勧進帳』って異様な空気なんですよ。『阿古屋』の初日より不安でしたね……千秋楽まで緊張で押しつぶされそうでした」と明かし、記者陣を驚かせる。「でも、それが海老蔵兄さんがずっとおっしゃっていた『勧進帳』という作品の重みなんだな、と。今回はお客様に『お前ちょっとは成長したな』と思っていただきたいですね」と言葉に力を込めた。さらに「『羽衣』では、また(大谷)廣松さんと踊らせていただきます。衣装を途中で少し変えるのと、お能仕立てですので、お客様に楽しんでいただけるのでは」と笑みを浮かべた。

記者から上演に向けた思いを問われると、巳之助は「(本公演は)海老蔵兄さんが、コロナ禍という大きな苦難にある中、どのようにお客様に喜んでいただけるか、お考えになった結果のうちの1つだと思うんですね。なので、演者の1人として、関わらせていただけるのは本当にありがたいですし、お気持ちに応えたい」と気合十分な様子。海老蔵の魅力を「圧倒的な華、大きさ、おおらかさ……兄さんのすごいところは、お客様が感じる兄さんの魅力と、共演する我々俳優が感じる魅力に誤差がない、というところ」と話す。児太郎は巳之助の言葉にうなずきながら、「ここ数年、(海老蔵の)相手役を演じさせていただくことが多いのですが、舞台上ですごく大事にしてくださるんですね。なので演じていて『ああ、この人のためなら死んでもいい』と本当に思える。また、劇世界へと一気にいざなうような、場の支配力もすさまじいですね。一番近くでその姿を観られることは、すごく幸せです」とコメントした。「市川海老蔵特別公演」は福岡・博多座にて、11月11日から25日まで。

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「11月博多座 市川海老蔵特別公演」

2020年11月11日(水)~25日(水)
福岡県 博多座

昼の部

一、「流星」

出演
流星:坂東巳之助

二、「歌舞伎十八番の内 勧進帳」

出演   
武蔵坊弁慶:市川海老蔵
源義経:中村児太郎
亀井六郎:市川男女蔵
片岡八郎:市川九團次
駿河次郎:大谷廣松
常陸坊海尊:片岡市蔵
富樫左衛門:市川右團次

夜の部

一、「羽衣」

出演
天女:中村児太郎
漁師伯竜:大谷廣松

二、「茶壺」

作:岡村柿紅

出演
熊鷹太郎:坂東巳之助
田舎者麻胡六:市川九團次
目代某:片岡市蔵

三、ご挨拶

四、「お祭り」

出演
鳶頭:市川海老蔵
鳶頭:坂東巳之助
芸者:中村児太郎
芸者:大谷廣松
鳶頭:市川右團次

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