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吾輩に食い物をよこせ!「リトル・ショップ~」幕開け、3Dメガネ使う演出も

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ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」ゲネプロより、三浦宏規演じるシーモア。

ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」ゲネプロより、三浦宏規演じるシーモア。

ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」が、3月20日に東京・シアタークリエで開幕した。ステージナタリーでは、初日に先駆けて行われたゲネプロの様子をレポートする。

脚本・歌詞をハワード・アシュマン、音楽をアラン・メンケンが手がけた本作は、チャールズ・グリフィス脚本、ロジャー・コーマン製作による映画「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」をもとにしたミュージカル。今回の上演版では、翻訳・訳詞・演出を上田一豪が担当する。

寂れた街の小さな花屋で働く冴えない青年シーモア(鈴木拡樹 / 三浦宏規)は、店主のムシュニク(岸祐二)に怒られてばかり。シーモアは同僚のオードリー(妃海風 / 井上小百合)に恋をしているが、彼女には歯科医のボーイフレンド・オリン(石井一孝)がいた。ある日シーモアは、奇妙な植物を手に入れる。意中のオードリーにちなんで“オードリーII”(声:デーモン閣下)と名付けたその鉢植えを店に置くと、客のいなかった店が大繁盛。しかし実はオードリーIIは、人間の血や肉を好む植物で……。

物語はまりゑ、清水彩花、塚本直が演じる進行役の女性3人組が、ピンク色のドレスで歌い踊るナンバー「Little Shop Of Horrors」と共に幕を開ける。ストーリーは軽妙なやりとりとキャッチーな音楽に乗せ、コメディタッチで展開。潰れかけていた花屋はオードリーIIの不思議な力で立て直されるものの、オードリーIIに血を与えるシーモアの指は次第にボロボロになっていく。金や名声、恋愛成就をちらつかせてシーモアに食べ物をねだり、要求をエスカレートさせていくオードリーIIの姿は、資本主義への皮肉を連想させた。

舞台後方のパネルには使い古された段ボールのようなデザインが施され、荒れたダウンタウンの雰囲気を表現。ひと抱えほどのサイズから、やがて人の背丈を超えて成長するオードリーIIはパペットで表され、真っ赤な口を活発に開閉してグロテスクながらどこか愛嬌のある姿を見せる。また本公演では、来場者に使い捨ての3Dメガネを配布。3D映像を用いた“飛び出す”演出も取り入れられている。

この日のゲネプロでは、三浦がシーモア役、妃海がオードリー役を担当。ぼさぼさの髪で現れた三浦は、しきりにメガネの位置を直したり、時に声を裏返らせたりすることで自分に自信のないシーモアを演じる。その一方でダンスのシーンでは、軽やかなステップやジャンプで魅せた。オードリー役の妃海は独特の甲高いウィスパーボイスで話し、セリフのないシーンでも小声で独り言を呟いて場内の笑いを誘いつつ、シーモアとのデュエット曲「Suddenly, Seymour」では力強い歌唱を聞かせた。

豊かな歌声を響かせる岸は、当初は要領の悪いシーモアへのいらだちを隠さないムシュニクが、オードリーIIの集客力を知って態度を一変させる様子をコミカルに演じる。石井はサディスティックな歯科医のオリンを好演。麻酔ガスを吸引しては高笑いし、時折ガスを噴射しながら「Say, aah!」と客席にレスポンスを求めた。また「吾輩に食い物をよこせ!」と叫ぶオードリーIIの声は、デーモン閣下が担当。オードリーIIが食事をねだり、ツルを床にたたきつけながら歌う「Feed Me(Git It!)」では力強いシャウトを披露し、人知を超えた力を持つオードリーIIとして存在感を示した。

上演時間は休憩30分を含む、2時間20分を予定。東京公演は4月1日まで行われ、11・12日には山形・山形市民会館、14日から16日までは愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、18日には静岡・静岡市清水文化会館(マリナート)、20日から27日までは大阪・新歌舞伎座で上演される。

なお本作の東京公演は3月13日に初日を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて18日までの公演を中止していた。東宝の公式サイトでは払い戻し方法が掲載されているほか、サーモグラフィーの設置、化粧室の混雑緩和を図るための休憩時間延長、クロークサービスやオペラグラス、ブランケット貸出の中止など、感染予防の取り組みについてもアナウンスされている。

ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」

2020年3月13日(金)~4月1日(水)
東京都 シアタークリエ

2020年4月11日(土)・12日(日)
山形県 山形市民会館

2020年4月14日(火)~16日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2020年4月18日(土)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)

2020年4月20日(月)~27日(月)
大阪府 新歌舞伎座

脚本・歌詞:ハワード・アシュマン
音楽:アラン・メンケン
翻訳・訳詞・演出:上田一豪

キャスト

シーモア:鈴木拡樹 / 三浦宏規
オードリー:妃海風 / 井上小百合(乃木坂46)

ムシュニク:岸祐二
オリン:石井一孝
オードリーII(声):デーモン閣下

まりゑ、清水彩花、塚本直 / 榎本成志、高瀬雄史

※3月13日(金)から18日(木)までの公演は、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

※2020年3月26日追記:3月28日(土)から4月1日(水)までの公演は、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

※2020年3月31日追記:愛知公演と静岡公演は、新型コロナウィルスの影響で中止になりました。

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