「二月大歌舞伎」が去る2月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。ステージナタリーでは、昨日2月6日昼の部の様子をレポートする。
昼の部では、十三世片岡仁左衛門追善狂言として、太宰府流罪の刑に処された菅丞相(菅原道真)と、菅丞相に忠義を誓う三つ子・梅王丸、松王丸、桜丸の運命を描く「菅原伝授手習鑑」から「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」が上演される。
「加茂堤」では、菅丞相の養女である苅屋姫(
勘九郎は、苅屋姫と斎世親王の初々しいやり取りに当てられ、「たまらぬ!」と思わず八重に抱きついてしまうシーンでは、桜丸の茶目っ気あふれる一面を垣間見せ、逢瀬を妨害しようと現れた
続く「筆法伝授」は、
昼の部のラストを飾る「道明寺」では、菅丞相と苅屋姫、そして
菅丞相が太宰府に発つクライマックスの場面では、千之助が自責の念に苦しむ苅屋姫の痛ましさを際立たせ、菅丞相に何度もすがりついて観客の心を打つ。また仁左衛門は、生き別れる前に苅屋姫の姿を目に焼き付けたいという気持ちを抑えながら、苅屋姫の悲痛な叫びを耳にして思わず振り返りそうになる芝居に、親としての情をにじませる。実の祖父と孫である2人ならではの一幕に、場内にはすすり泣きが響いた。
なお夜の部では、
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
「二月大歌舞伎」
2020年2月2日(日)~26日(水)
東京都 歌舞伎座
昼の部
「菅原伝授手習鑑」
「加茂堤」
桜丸:
斎世親王:
三善清行:
苅屋姫:
八重:
「筆法伝授」
菅丞相:
園生の前:
梅王丸:
腰元勝野:
左中弁希世:
荒島主税:
三善清行:嵐橘三郎
水無瀬:
戸浪:中村時蔵
武部源蔵:
「道明寺」
菅丞相:片岡仁左衛門
判官代輝国:
立田の前:片岡孝太郎
奴宅内:中村勘九郎
苅屋姫:片岡千之助
贋迎い弥藤次:
宿禰太郎:
土師兵衛:
覚寿:
夜の部
「八陣守護城 湖水御座船の場」
佐藤正清:
斑鳩平次:
正木大介:
鞠川玄蕃:
轟軍次:片岡亀蔵
雛衣:
「羽衣」
天女:坂東玉三郎
伯竜:中村勘九郎
「人情噺文七元結」
左官長兵衛:
和泉屋清兵衛:
女房お兼:
和泉屋手代文七:中村梅枝
娘お久:中村莟玉
小じょくお豆:寺嶋眞秀
家主甚八:片岡亀蔵
角海老手代藤助:市川團蔵
角海老女房お駒:中村時蔵
鳶頭伊兵衛:中村梅玉
「道行故郷の初雪」
忠兵衛:中村梅玉
万才:
梅川:片岡秀太郎
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ryugo hayano @hayano
【公演レポート】「菅原伝授手習鑑」仁左衛門が“親の情”で涙を誘い、玉三郎が壮絶な仇討ち魅せる https://t.co/Lu4eeeYwVC