12月に上演される新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」の製作発表記者会見が、本日9月30日に東京都内で行われた。
本作は
まず鈴木は「『風の谷のナウシカ』が歌舞伎でどういうことになるのか。原作を提供する我々は、今回、期待する立場なので、映画制作と違って気が楽です(笑)」と笑いを交えて挨拶する。鈴木は2人の出演者に視線を送ると、「菊之助さんは『ナウシカ』を歌舞伎にしようと考えた張本人。そして七之助さんには高畑勲が監督した『かぐや姫の物語』で御門役を演じていただきました」と紹介。先日、東京・歌舞伎座で菊之助が出演する「寺子屋」を観劇したと言う鈴木は「菊之助さんの演じられた千代が大変素晴らしく、絶品でした」と称賛した。
「『ナウシカ』は宮崎駿にとって一番大事な作品」と続ける鈴木は、「宮崎はさまざまな作品を作りましたが、『ナウシカ』の一部を切り取って作品にしたものも多かったんです」と明かし、「『ナウシカ』はハリウッドでの実写映画化をはじめ、いろいろなお話をいただきましたが、全部お断りしてきた。今回の歌舞伎化も宮崎に断られると思っていたので、菊之助さんにも、歌舞伎にするなら『もののけ姫』はどうですか?と提案していたくらいで(笑)。でも宮崎は『やろうよ』と言ってくれたんです」とエピソードを語る。さらに「宮崎から『風の谷のナウシカ』というタイトルを変えないでほしい。記者会見や取材の対応を全部鈴木さんがやってくれるなら……という条件でOKをもらいました(笑)」と述べ、登壇者に向け「期待しています。いい作品を作ってください!」とエールを送った。
G2は「1984年、劇場アニメ版『
ナウシカ役の菊之助は「約5年前から準備が始まり、本日記者発表の日を迎え、武者震いをしております」と心情を吐露する。菊之助は「宮崎監督、スタジオジブリさんが大事にしているものをお預けいただいたという責任を感じております。“One for All, All for one”という気持ちで、一座で力を合わせて作り上げます」と言葉に力を込めた。
続けて菊之助は「原作の深いテーマ性、壮大さに惹かれました。戦争、エネルギー問題、環境問題、核の問題、遺伝子の問題。そういったテーマが歌舞伎と融合したとき、どういうものになるのか、自分自身ワクワクしております」と述べ、「本作はナウシカの成長物語でもありますし、ナウシカの可憐さ、強さを出していけたら」と真摯に語った。
クシャナ役を勤める七之助は「菊之助のお兄さんから『ナウシカ』を歌舞伎にするので、力を貸して欲しいと電話で言われたとき、純粋に驚きました。うちの兄(中村勘九郎)もジブリ作品の大ファンで、実はナウシカが初恋の人なんです(笑)」と会場の笑いを誘う。また自身が演じるクシャナについて「カッコよくて力強い女性のイメージがありますが、彼女の心の揺れを深く表現できれば」と宣言した。
最後に菊之助は「日本舞踊の場面もありますし、久石譲さんの音楽を何曲かお借りして、和楽器で演奏するということもやっております。歌舞伎ファンのみならず、ジブリファンの方にも納得していただける作品に仕上げたいと思っております」と決意を新たにする。そして七之助は「今日の会見には、いつもの3倍ぐらい報道の方々がいらしていて、メディアの方たちも興味を示してくださっている。ファンの方々からの期待も含め、いいプレッシャーとして受け止め、一生懸命勤めます」と会見を締めくくった。
公演は12月6日から25日まで東京・新橋演舞場にて。チケットの一般販売は10月19日10:00にスタート。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」
2019年12月6日(金)~25日(水)
東京都 新橋演舞場
原作:漫画「
脚本:丹羽圭子、戸部和久
演出:
出演
ナウシカ:
クシャナ:
ユパ:
セルム / 墓の主の精:
ミラルパ / ナムリス:
アスベル / オーマの精:
道化:
ケチャ:
第三皇子 / 神官:
ミト / トルメキアの将軍:
上人:
クロトワ:
ジル:
城ババ:
チャルカ:
マニ族僧正:
ヴ王:
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