「シアターコモンズ’19」が1月から3月にかけて、東京都港区エリア各所にて開催される。
「シアターコモンズ」とは、演劇の“共有知”により、社会の“共有地”を生み出すプロジェクト。日常の中に演劇的な発想を持ち込むべく、演劇公演のほかレクチャー形式のパフォーマンスやワークショップなどを行う。今回はインドのシャンカル・ヴェンカテーシュワラン、田中功起、小泉明郎、フランスのマキシム・キュルヴェルス、ケニア/オランダのオグトゥ・ムラヤ、
ヴェンカテーシュワランは南インドを拠点に、ヨーロッパに偏りがちな演劇史をアジアから捉え直す対話劇「犯罪部族法」を上演。田中は、在日コリアン3世の女性と日系スイス人の青年を描いた映像作品「可傷的な歴史(ロードムービー)」を日本初公開する。そして小泉は映像インスタレーション「私たちは未来の死者を弔う」、キュルヴェルスはギリシャ悲劇の新たな体験を提示する「悲劇の誕生」、オグトゥ・ムラヤは巧みな語り芸によりオリンピックと政治、歴史と個人に迫る「Because I Always Feel Like Running」を披露する。
そのほか、島・中村・萩原が参加する新企画・リーディングパフォーマンスや、作曲家・江文也に迫るホンカイのレクチャーパフォーマンスとワークショップ「This is no country music」、1972年のミュンヘンオリンピックで起きたテロ事件「黒い9月」をパレスチナ闘争の側から描いた演劇作品「歓喜の歌」に焦点を当てる、ムルエのレクチャーパフォーマンスも。さらにシンポジウムや関連企画も実施予定だ。
開催に向けてシアターコモンズディレクターの相馬千秋は、「東京は今、かつてない数の観光客から眼差され、外国人労働者や留学生から眼差されている。この肥大化し続ける都市が、多様化する身体、言語、振る舞い、記憶などをどのように内包し、共存させていくことができるか。そして、それら多様なものが『ともにある』ことの負荷と可能性を、どのように受け止め、パブリックなモデルへと開いていくことができるか」と問いかけ、「シアターコモンズは、演劇の可能性を拡張しながらこの社会でサバイブしていくための、ささやかにして効果的な方法を、みなさんとともに実験していく場である。ぜひ、その場にご参加いただけたら幸いである」とコメントしている。
「シアターコモンズ’19」
2019年1月19日(土)・20日(日)、2月22日(金)~3月13日(水)
東京都 港区エリア各所
シャンカル・ヴェンカテーシュワラン「犯罪部族法」
2019年1月19日(土)・20日(日)
東京都 港区立男女平等参画センター リーブラ
※19日は「犯罪部族法」公演 + ポストパフォーマンスワークショップ、20日は「犯罪部族法」公演 + シアターコモンズ’19 オープニングシンポジウムを実施。
田中功起「可傷的な歴史(ロードムービー)」
2019年2月22日(金)~24日(日)
東京都 ゲーテ・インスティトゥート 東京
小泉明郎「私たちは未来の死者を弔う」
2019年2月22日(金)~3月10日(日)
東京都内
※詳細は後日発表。
マキシム・キュルヴェルス「悲劇の誕生」
2019年2月23日(土)・24日(日)
東京都 港区立男女平等参画センター リーブラ
リーディング・パフォーマンス
2019年3月1日(金)~11日(月)
東京都 慶應義塾大学三田キャンパス 旧ノグチ・ルーム
島崇 / パブロ・ピカソ
2019年3月1日(金)・7日(木)・9日(土)
2019年3月2日(土)・8日(金)・10日(日)
2019年3月6日(水)・10日(日)・11日(月)
ワン・ホンカイ「This is no country music」
2019年3月2日(土)・3日(日)
東京都 台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
ラビア・ムルエ「歓喜の歌」
2019年3月12日(火)・13日(水)
東京都 港区立男女平等参画センター リーブラ
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