12月7日から21日に東京・
「ジョー・エッグ」は、イギリスの現代劇作家ピーター・ニコルズが1967年に発表した作品。すれ違いを重ねるある夫婦は、重い障害を持つ娘が生まれてからの出来事を芝居仕立てで再現していき……。演出にあたり西本は「戦後再考ー今、私たちは『戦後』と呼ばれる時代の終わりに立っているのではないだろうか」と語り、「加速する情報が溢れる世界の中で、最もアナログで非効率的で非生産的とも言える演劇という手段を通して誠実に無責任な問題提起を行いたいと思う」と意気込みを述べている。
出演者には、
西本由香コメント
悪意の伝播は早い。密やかに交わされていた言葉が匿名性という衣を纏って目に見えるようになった。2016年に起こった戦後最悪の大量殺人事件について、発生してすぐにSNSには加害者に寄せられた共感の声があがった。まあ、そんなもの読まなければいいだけの話なのかも知れないが、これが社会の一部を切り取った窓だとすれば、無視するわけにもいかない。戦後再考ー今、私たちは「戦後」と呼ばれる時代の終わりに立っているのではないだろうか。「戦後」という時代を消費して、棚上げにしてきた問題と向き合うことを迫られているようだ。先行きの見えない不安から、少ない椅子を奪い合うことにかまけて、自らの首を絞めてはいけない。加速する情報が溢れる世界の中で、最もアナログで非効率的で非生産的とも言える演劇という手段を通して誠実に無責任な問題提起を行いたいと思う。
文学座12月アトリエの会「ジョー・エッグ」
2018年12月7日(金)~21日(金)
東京都 文学座アトリエ
作:ピーター・ニコルズ
訳:小田島恒志
演出:
出演:
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