東京文化会館×新国立劇場「オペラ夏の祭典」総合プロデュースは大野和士

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「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表が、12月21日に行われた。

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World 『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。左から畠山茂房、山中隆、村田直樹、大野和士、樋口桂、堀越弥栄子。(c)堀田力丸

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World 『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。左から畠山茂房、山中隆、村田直樹、大野和士、樋口桂、堀越弥栄子。(c)堀田力丸

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本プロジェクトは、東京・東京文化会館及び新国立劇場が2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、日本から世界へ発信するオペラプロジェクト。「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World」と銘打ち、2019年にプッチーニ作曲「トゥーランドット」、2020年にワーグナー作曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が上演される。会見には、総合プロデュースを務める指揮者で新国立劇場次期オペラ芸術監督の大野和士、東京文化会館の樋口桂、新国立劇場の村田直樹、東京都生活文化局魅力発信プロジェクトの堀越弥栄子、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールの山中隆、そして2018年10月に開館する北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruの畠山茂房が登壇した。

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。大野和士。(c)堀田力丸

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会見冒頭で大野は「この企画は、オペラ界史上初の協力関係というのが特筆されるべき点としてご説明したいが、いろいろな形の才能と経験が集って作り上げるひとつの祭典であるということをご理解いただきたいと思います」と挨拶。続けて東京文化会館の樋口が「両作品は、当館と新国立劇場の初の共同制作。今回の取り組みを通じて、それぞれの劇場が持っている響きや、異なる見え方、ホールの魅力など、作品鑑賞を楽しむ機会がいっそう充実することを期待しています。また制作過程の交流を通じて、各劇場のスタッフのスキルアップや今後の連携につながっていくことも大いに注目すべきことと思います」と期待を述べ、新国立劇場の村田も「2年にわたる国際的オペラプロジェクトとなるこの公演が、ともにここ東京でオペラ芸術を育んできた2つの劇場のコラボレーションによりすばらしい成果を生み出すものと確信しています」と続ける。

東京都生活文化局魅力発信プロジェクトの堀越は、「今回の東京文化会館でのオペラ公演を含め、2020年4月から9月に実施されるさまざまな文化プログラムをTOKYO TOKYO FESTIVALとしてブランディングし、集大成となる文化事業を展開していくことを先般発表させていただいたところです。今後、よりいっそう文化プログラムの充実に取り組むとともに、東京2020の発展に寄与していきたいと考えています」と語った。

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World 『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。(c)堀田力丸

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World 『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。(c)堀田力丸[拡大]

またびわ湖ホールの山中は、「びわ湖ホールでは、声楽アンサンブルという16名の若いオペラ歌手を抱えていますが、彼らにとって、全部で11公演あるオペラ公演に合唱として出演できるというのは、非常によい勉強になると喜んでいます」と話し、札幌文化芸術劇場 hitaruの畠山も「新劇場は北海道では初の多面舞台を備えていまして、本格的なオペラ、バレエの醍醐味を紹介できることとなります。新劇場のオープニングシリーズのプログラムとして、世界トップクラスのオペラを市民の皆さまに紹介できることは大きな喜びと思います」と本プロジェクトへの参加に意欲をのぞかせた。

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。左から畠山茂房、山中隆、村田直樹、大野和士、樋口桂、堀越弥栄子。(c)堀田力丸

「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World『トゥーランドット』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』」の共同制作記者発表より。左から畠山茂房、山中隆、村田直樹、大野和士、樋口桂、堀越弥栄子。(c)堀田力丸[拡大]

大野は全体のコンセプトについて“クラシック音楽の中で舞台芸術であるオペラにどのような可能性があるか”を考え、「できるだけ世界中の人たちが参画できる、そして地域と内容が結びついているようなもの」としてオペラのアジア版「トゥーランドット」と、ヨーロッパ版の「~マイスタージンガー」を軸にプロジェクトを固めていったと話す。両作について「共通してあげられるものは、『融和』そして『愛』ですね。これはオリンピックのテーマとも共通するものになっています」と大野は語り、「人間の発展ということと、そのあげく愛を勝ち取るという、人間の発展とその行く末の光としての愛の遭遇という点で、ふたつのオペラは共通していると考えます」と説明した。

また両作のキャスト、スタッフについても一部明らかに。「トゥーランドット」の演出はアレックス・オリエが担当。トゥーランドット役をイレーネ・テオリンとジェニファー・ウィルソン、カラフ役をサイモン・オニールほか、そしてリュー役を中村恵理と砂川涼子、ティムール役をリッカルド・ザネッラートと妻屋秀和が務める。「~マイスタージンガー」の演出家は未発表で、ハンス・ザックス役をトーマス・ヨハネス・マイヤー、ファイト・ポーグナー役をクワンチュル・ユン、ジクストゥス・ベックメッサー役をアドリアン・エレートが務める。そのほか詳細は続報を待とう。

※「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World」の「→」は相互矢印が正式表記。

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オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World

プッチーニ「トゥーランドット」(新制作)

2019年7月12日(金)~14日(日)
東京都 東京文化会館 大ホール

2019年7月18日(木)・20日(土)・21日(日)・22日(月)
東京都 新国立劇場 オペラパレス

2019年7月27日(土)・28日(日)
滋賀県 びわ湖ホール 大ホール

2019年8月3日(土)・4日(日)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru

指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ

キャスト

トゥーランドット:イレーネ・テオリン / ジェニファー・ウィルソン
カラフ:サイモン・オニール / 未定
リュー:中村恵理 / 砂川涼子
ティムール:リッカルド・ザネッラート / 妻屋秀和
アルトゥム皇帝:持木弘
ピン:枡貴志 / 森口賢二
パン:与儀巧 / 秋谷直之
ポン:村上敏明 / 糸賀修平
官吏:豊嶋祐壹 / 成田眞
合唱:新国立劇場合唱団 / 藤原歌劇団合唱部 / びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:バルセロナ交響楽団

ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(新制作)

2020年6月14日(日)・17日(水)
東京都 東京文化会館 大ホール

2020年6月21日(日)・24日(水)・27日(土)・30日(火)
東京都 新国立劇場 オペラパレス

2020年7月(予定)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター

指揮:大野和士

キャスト

ハンス・ザックス:トーマス・ヨハネス・マイヤー
ファイト・ポーグナー:クワンチュル・ユン
ジクストゥス・ベックメッサー:アドリアン・エレート
フリッツ・コートナー:青山貴
ヴァルター・フォン・シュトルツィング:トミスラフ・ムツェック
ダーヴィッド:望月哲也
エーファ:林正子
ほか

合唱:新国立劇場合唱団 / 二期会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団

※2020年6月10日追記:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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