「三月の5日間」は、アメリカ軍がイラクに向けて空爆を開始した日を含む2003年3月の5日間における日本の若者たちを描く作品。04年に初演され、
チェルフィッチュ設立20周年を記念して上演される今回の「リクリエーション」では、24歳以下という条件のオーディションで選ばれた朝倉千恵子、
本作の主な登場人物は、六本木のライブハウスで偶然知り合い、そのまま渋谷のラブホテルで5日間を過ごすことになるミノベとユッキー。ミノベの友人・アズマ、アズマと映画館で出会う少しばかり電波系の少女・ミッフィー。そして渋谷の街を練り歩く反戦デモに参加するヤスイとイシハラという、どこにでもいそうな普通の若者たちだ。
俳優は登場人物当事者となって物語に参加するのではなく、彼らから聞いた話を入れ替わり立ち替わり、観客に説明するように話す。若者のしゃべり言葉をそのまま書き起こしたような戯曲の言葉を話す俳優は、その言葉によって引き出される無意識な動作を反復し誇張させていく。
5日間の出来事を紡ぐのは、初演では5人の男優と2人の女優だったが、「リクリエーション」では5人の女優と2人の男優。遠い異国の地で行われている戦争と、そのニュースをリアルタイムで受け取りながらも漫然と日々を過ごす若者たちの些細な日常が対比され、登場人物たちが抱えるつかみどころのない現実感を浮き彫りにした。
初演から約13年、「三月の5日間」を“時代劇”と表現する岡田はチラシの中で「このひとむかし前の戯曲を新しい仕方で、若い(かつ力強い)七人の役者によって上演します。テキストも案外と大幅に書き換えて。二〇一七年十二月の日本で『三月の5日間』が上演されることは何を引き起こすでしょう?」とコメントしている。そんな岡田と若い俳優たちとの再創造によって、舞台上には2003年3月の東京の情景が鮮明に立ち上がった。
公演は12月20日まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演されたのち、2018年1月27・28日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース、1月30日から2月4日まで京都・ロームシアター京都 ノースホール、2月11・12日に香川・四国学院大学 ノトススタジオ、2月16・17日に愛知・愛知県芸術劇場 小ホール、2月24・25日に長野・長野市芸術館 アクトスペース、3月10日に山口・山口情報芸術センター[YCAM]スタジオAにて上演される。
なお本作のクリエーションの様子を追うドキュメンタリー映画「言葉と身体でダイナマイト」(仮)が、2019年以降に公開される予定。監督はチェルフィッチュの公演に俳優としても参加してきた映画監督・
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チェルフィッチュ「『三月の5日間』リクリエーション」
2017年12月1日(金)~20日(水)
神奈川県 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
2018年1月27日(土)・28日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
2018年1月30日(火)~2月4日(日)
京都府 ロームシアター京都 ノースホール
2018年2月11日(日・祝)・12日(月・祝)
香川県 四国学院大学 ノトススタジオ
2018年2月16日(金)・17日(土)
愛知県 愛知県芸術劇場 小ホール
2018年2月24日(土)・25日(日)
長野県 長野市芸術館 アクトスペース
2018年3月10日(土)
山口県 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
作・演出:
出演:朝倉千恵子、
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